前回プリメインアンプにノイズが混入しているという話を書いた。まだこれについての実験や結論は出していないが、ケーブルを動かしたりすると様子が変わったので、この件をもう少し調べてみることにした。

我が家のシステムは下図のようである。普段は PC から Windows Media Player で再生することが多く、DA コンバータに USB 接続で音声データを送ってプリメインアンプで再生する。CD プレーヤは実際はユニバーサルプレーヤで DVD や BD の音声再生にも使っていて、自分が使うときは DA コンバータ経由だが、家族のためにオーディオアナログ信号を直接プリメインアンプに接続する経路も用意してある。

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さて、この設定で色々調べてみようというわけだが、スピーカだと聴き取りにくいし、ちょっと怖いのでヘッドフォンで入力を切り替えながらノイズを聴き取ってみようと試みたわけだが、どうやら通常使う入力 Line 1 と、もう一つの入力 Line 2 にアンプのセレクタを切り替えると「ブー」というハム音が聞こえる。特に Line 2 にしたときに大きくなる。Line 1 にはそれが漏れ混んでいる程度のようだ。Line 端子は他にもあるがオープンとなっていてそこに切り替えた場合には聞こえない。

ハム音を聞いた感じだとよくアースの取り方が悪い時に聞こえるものと似ている。アナログオーディオでレコードプレーヤのアース線が接続されていないとハム音が鳴るがそれと同じようである。

「なんで?!」ということで、電源プラグをひっくり返したり電源ケーブルの接続順を変えたりしたが、何も改善しない。で、CD プレーヤとプリメインアンプを接続するケーブルを抜いてみたら直る!「ケーブルにノイズが飛び込んでいるだと?!」とケーブルをいじって見たり、別のものに変えても変わらない。ではデジタル信号用のコアキシャルケーブルを外した見たら、これも直る。知っている方はもう気がつかれたろう。タイトルの通り下図の赤い線のようなグランドループが出来ていたのである。

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「うわ!なんて初歩的なミス!」と云うわけである。グランドループが悪さする話はそこかしこでアップされているので、調べて下さい。

要はデジタルケーブルのグランドもオーディオケーブルのグランドもプレーヤ、DA コンバータのいずれでもどこかで接続されているので、それが我が家のシステムだとループを形成する形になってアンテナとなり、電源系のノイズを拾っていたというわけである。この場合アンテナの形状も不安定なこともあって、ちょっとしたことでも様子が変わってしまうようである。

なぜこんなことになってしまっていたかというと、実は CD プレーヤから DA コンバータへは光ケーブルを使っていた。この場合はデジタル系には電気的接続はないので、グランドループは形成されない。が、サイトなどでちょい見したとき光伝送よりもコアキシャル伝送の方がジッターが少ないという傾向がある、というのを見て、深く考えずにコアキシャルケーブルに変更した、という経緯がある。恥ずかしいミスである。

で、この場合は解決策として光に戻すか、プレーヤの再生は DA コンバータ経由一本化にするかのいずれかでよいので、とりあえず後者にしておいた。家族には DA コンバータの電源を入れるように云っておけば良い。

この問題ちょっと妄想を発展させると奇妙な話があって、たとえば昔のカセットデッキなどを使うには録音と再生の 2 系統接続が必要である。なのでグランドループが絶対に出来てしまう。もっと細かいことを云うとオーディオ信号は左右 2 系統あるのだから、オーディオケーブルを接続した段階でグランドループは出来ていることになる。が、実際にはあまり問題になることはない。この違いについて 2 通りの理由が考えられる。一つはループの大きさが小さいということでアンテナの感度としては非常に低く影響が少ないということであり、もう一つは我が家のシステムに限ってになるかも知れないが、グランドループを形成しているのがデジタルとアナログ信号であり、それぞれの機器でのグランド接続のポリシーが何らかの原因になっているということである。直感的には前者のような気がするがみなさんのご意見は如何に。
いずれの理由にせよケーブルのグランド側にノイズが飛び込んできているのだから、その飛び込み具合がケーブルによって変わるのであれば、ケーブルによって音が変わる云々という現象はあっても不思議ではない。

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