前回のアンプとは違って、リビングで使っているメインのプリメインアンプである。
何か最近というか気が付かなかっただけというか、音になにかかぶっているような感じに聞こえるのである。アンプは LUXMAN の L-505uX、スピーカは DIATONE の DS-1000 である。
で、無音状態でスピーカに近付いてみるとざらざら音が聞こえる。特にスコーカの辺りで聞こえる。回りにそこそこの生活音はあるにはあるが、やはり聞こえる。リスニングポジションでは生活音にかき消されているようだが、影響がありそうである。
ケーブル類をきれいにしたり、電源回りの引き回しをきれいにしたり、電源コンセントの極性を反対にするなどをしたらそこそこノイズが下がった。改めて聞き慣れたソースを聴いてみると、おおオーケストラが目の前に広がるようだ!というわけにはいかなかったが、最初の印象の音の何かがかぶっているという感じは減少した。特に左チャンネルが多めに出ているのだが、これが第一ヴァイオリンに被さってモヤっと感が出ていたのがかなり改善されたようにきこえる。
とりあえず改善したのはいいが、どこからこのノイズが紛れ込んでくるのか気になった。
そこでアンプのブロック図を見ながら色々試してみた。
ブロック図は以下の通りである。

まず単純にボリューム(赤矢印)を下げるとノイズは下がる。なのでノイズはプリアンプ側にすでに入っていることになる。
ところがプリ / メイン切り離しスイッチ(紫矢印)を切り替えてメインだけにすると、やはりノイズが乗っている。どうやらプリアンプ部に関係なくノイズが乗ってくるようだ。この時メインの入力は MAIN IN になっておりオープンである。この状態で MUTE を ON にすると消える。よってメインアンプ自体にはさほど問題がなさそうに見える。ということは後者の症状だけに関して云えば MAIN IN がオープンなのが問題なようだ。そこで MAIN IN にショートピンをつけてみたところノイズは消える。これで前述の推理の裏はとれた。
ここで PRE OUT が気になる。実はここからはスーパーウーファににちょっと長めのケーブルが出ており、これが問題なのかなと最初は思っていた。が、プリ / メイン を切り離さなければノイズ量はボリュームに依存するのだから、ほとんど影響はないだろう。
これはコネクタの直前の Pre amp の出力インピーダンスが低いので簡単にはノイズが乗ってこないだろうという推測も出来る。
そうすると問題は入力端となる。
使っている端子は LINE-1 と LINE-2 で LINE-3 と LINE-4 はオープンである。PHONO はショートピンが付いている。BAL LINE もオープンだ。
前段に機器がつながっている LINE-1 と LINE-2 は本来なら低インピーダンスで駆動されているのだからノイズは乗りにくいはずだが、1m 近くあるので思ったほどではないかも知れない。
ノイズはどこをセレクトしてもほぼ同じレベルで出ているのがよく分からない。
だが耳に聞こえるのだから 20KHz 以下である。しかも自分は耳がだいぶ衰えており、十数 KHz の前半というところだろう。そんな周波数が空間を飛んでケーブルに入ってくると云うのも考えづらい。
ということで、回路図の測定点(青矢印)に Analog discovery をつないでスピーカを OFF にしておいてボリュームを最大に上げて、波形およびスペアナで周波数レベルを観測してみた。ミュート(緑矢印)するかしないかで差が出るかどうかである。
まずミュートしてある状態だと次ぎのようになった。
波形

スペクトラムアナライザ

アクティヴ=ミュートを外すと
波形

スペクトラムアナライザ

明らかに違う。ミュートを外すとノイズが増える。
可聴帯域である 20KHz までの範囲で比較してみると、
ミュート

アクティヴ

う~ん、あまり変わり映えがしない。
要はノイズは 40KHz 付近と 140KHz 付近には明らかに発生しているが、可聴帯域にはあまり変わり映えがしないのである。
いやいや、それこそ測定限界でしょう~、人間の耳はもっと感度がいいです、測定器がダメなんです、可聴帯域にも差があるんです、と云われそうだが本当にそうだろうか。もちろん否定はしない。
だが、40KHz や 140KHz の影響も捨てがたいのである。これらのノイズ幅を見てみると数十 kHz ぐらいの幅がある。このスペクトラム幅が可聴帯域にシフトしてくるようなことがあるのではないかと思っている。まだ確証は得ていない。
今回の測定はプリアンプの出力で行っている。このノイズがパワーアンプ~スピーカケーブル~スピーカを経て耳に届くまでどんなことが起きうるのか、何か工夫して測定してみたいし理論的は裏付け(こじつけとも云う)をしてみたいとも思う。
さて、取り急ぎ少しでも音質改善をしたいのであれば、オープン端子はなくしておいた方が良いようだ。またケーブル類も引き回しに配慮するなどしておくと精神衛生上良いかも知れない。部品を取り寄せてやってみようと思うので、結果が出たら報告することにする。
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何か最近というか気が付かなかっただけというか、音になにかかぶっているような感じに聞こえるのである。アンプは LUXMAN の L-505uX、スピーカは DIATONE の DS-1000 である。
で、無音状態でスピーカに近付いてみるとざらざら音が聞こえる。特にスコーカの辺りで聞こえる。回りにそこそこの生活音はあるにはあるが、やはり聞こえる。リスニングポジションでは生活音にかき消されているようだが、影響がありそうである。
ケーブル類をきれいにしたり、電源回りの引き回しをきれいにしたり、電源コンセントの極性を反対にするなどをしたらそこそこノイズが下がった。改めて聞き慣れたソースを聴いてみると、おおオーケストラが目の前に広がるようだ!というわけにはいかなかったが、最初の印象の音の何かがかぶっているという感じは減少した。特に左チャンネルが多めに出ているのだが、これが第一ヴァイオリンに被さってモヤっと感が出ていたのがかなり改善されたようにきこえる。
とりあえず改善したのはいいが、どこからこのノイズが紛れ込んでくるのか気になった。
そこでアンプのブロック図を見ながら色々試してみた。
ブロック図は以下の通りである。

まず単純にボリューム(赤矢印)を下げるとノイズは下がる。なのでノイズはプリアンプ側にすでに入っていることになる。
ところがプリ / メイン切り離しスイッチ(紫矢印)を切り替えてメインだけにすると、やはりノイズが乗っている。どうやらプリアンプ部に関係なくノイズが乗ってくるようだ。この時メインの入力は MAIN IN になっておりオープンである。この状態で MUTE を ON にすると消える。よってメインアンプ自体にはさほど問題がなさそうに見える。ということは後者の症状だけに関して云えば MAIN IN がオープンなのが問題なようだ。そこで MAIN IN にショートピンをつけてみたところノイズは消える。これで前述の推理の裏はとれた。
ここで PRE OUT が気になる。実はここからはスーパーウーファににちょっと長めのケーブルが出ており、これが問題なのかなと最初は思っていた。が、プリ / メイン を切り離さなければノイズ量はボリュームに依存するのだから、ほとんど影響はないだろう。
これはコネクタの直前の Pre amp の出力インピーダンスが低いので簡単にはノイズが乗ってこないだろうという推測も出来る。
そうすると問題は入力端となる。
使っている端子は LINE-1 と LINE-2 で LINE-3 と LINE-4 はオープンである。PHONO はショートピンが付いている。BAL LINE もオープンだ。
前段に機器がつながっている LINE-1 と LINE-2 は本来なら低インピーダンスで駆動されているのだからノイズは乗りにくいはずだが、1m 近くあるので思ったほどではないかも知れない。
ノイズはどこをセレクトしてもほぼ同じレベルで出ているのがよく分からない。
だが耳に聞こえるのだから 20KHz 以下である。しかも自分は耳がだいぶ衰えており、十数 KHz の前半というところだろう。そんな周波数が空間を飛んでケーブルに入ってくると云うのも考えづらい。
ということで、回路図の測定点(青矢印)に Analog discovery をつないでスピーカを OFF にしておいてボリュームを最大に上げて、波形およびスペアナで周波数レベルを観測してみた。ミュート(緑矢印)するかしないかで差が出るかどうかである。
まずミュートしてある状態だと次ぎのようになった。
波形

スペクトラムアナライザ

アクティヴ=ミュートを外すと
波形

スペクトラムアナライザ

明らかに違う。ミュートを外すとノイズが増える。
可聴帯域である 20KHz までの範囲で比較してみると、
ミュート

アクティヴ

う~ん、あまり変わり映えがしない。
要はノイズは 40KHz 付近と 140KHz 付近には明らかに発生しているが、可聴帯域にはあまり変わり映えがしないのである。
いやいや、それこそ測定限界でしょう~、人間の耳はもっと感度がいいです、測定器がダメなんです、可聴帯域にも差があるんです、と云われそうだが本当にそうだろうか。もちろん否定はしない。
だが、40KHz や 140KHz の影響も捨てがたいのである。これらのノイズ幅を見てみると数十 kHz ぐらいの幅がある。このスペクトラム幅が可聴帯域にシフトしてくるようなことがあるのではないかと思っている。まだ確証は得ていない。
今回の測定はプリアンプの出力で行っている。このノイズがパワーアンプ~スピーカケーブル~スピーカを経て耳に届くまでどんなことが起きうるのか、何か工夫して測定してみたいし理論的は裏付け(こじつけとも云う)をしてみたいとも思う。
さて、取り急ぎ少しでも音質改善をしたいのであれば、オープン端子はなくしておいた方が良いようだ。またケーブル類も引き回しに配慮するなどしておくと精神衛生上良いかも知れない。部品を取り寄せてやってみようと思うので、結果が出たら報告することにする。

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