数年前まで PC オーディオ用のアンプとして使っていた ONKYO A-907X というステレオアンプの周波数特性を調べてみた。
なお、高性能な測定器を持っているわけではないので「やってみた」という程度である。

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まずはオーソドックスに 1KHz 正弦波の波形からである。
なお測定は Processor 接続端子のショートピンを外して、そこに信号を入力し、スピーカ端子に 6.2Ωの抵抗をつないで行っている。
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まあこんなものだろう。

続いて矩形波を入れて見る。プローブのチューニングが甘いのは限界なのでご容赦願いたい。
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当然のことながら帯域はある程度制限されているので、立ち上がりはなまる。しかし結構素直に立ち上がっていてオーバーシュートなどは出ていない。

拡大図である。
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周波数特性は以下のようであった。
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-3dB の周波数が 140KHz とカタログスペックよりは高い。まあ当然だろう。ただ自分の感触としては高すぎるような気がする。可聴帯域、CD の信号帯域を考えると余裕はあるに越したことはない、と思うが、入力信号成分に含まれる高周波ノイズもスピーカに加えていることになるので、適当なところでカットした方がいいのではないかと思っている。これについてはいずれ取り上げたい。

1KHz を入力したときのスペクトラムである。
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下の Measurement を見ていただきたい。上下が逆さまだが、T1 が入力で T2 が出力である。FF は基本周波数でここでは 1KHz。で、2nd = 2次高調波3rd = 3次高調波が入力にも含まれているので参考程度にもならないが、数値は出ているものの出力において高調波が増大している様子はない。というか、Analog Discovery の量子化分解能ではこの程度が測定限界であろう。THD は歪み率だが、これも測定限界。なお 1V 振幅の正弦波なのでスペアナの rms 換算だと -3dB 程度低く測定される。

いかがだろうか。トランジスタアンプなので周波数特性だけは非常に良い、と云えるだろう。トランスなどを使っている真空管アンプもみてみたい気はする。が、聴感上どうかは巷でも云われているように別問題なのだろう。

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