前回いくつかのオーディオケーブルについて容量を測定してみた。単純計算上ではどれを使っても音質に影響を与えるような容量ではなさそうであり、そこだけの数値を問題にしてもたいした考察はできそうもない。
ということで百聞は一見にしかずと、ケーブルをちょっと解体してみた。
使う予定はないが、高いのを解体するのは躊躇したので(ケチ!)まずは機器付属のケーブルとビデオ信号用の S 端子-色信号変換ケーブルに手を出してみた。

これが機器付属のケーブル。
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見たとおりのちゃちな構造である。芯線は素材はともかく何本かの細い銅線をカバーで来るんだビニル導線であり、その回りにこれまた細い導線を回りに並べた構造になっていて、いわゆるテレビ用の同軸ケーブルのような網になっていない。隙間もありそうである。
シールドケーブルというにはお粗末である。古いためだが芯の銅線も黒ずんでいる。半田も付きにくかった。

こちらはビデオ信号変換ケーブルである。
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芯のビニル導線の回りをアルミ箔のようなものでくるんであって、その回りにグランド用の銅線が配置してある。なるほどこちらの方が芯線に対するシールド効果はありそうに見える。芯の銅線自体は特筆するようなモノではなさそう。

さてケーブルの目的が違うので比較議論は今は出来ないが、基本的に RCA ケーブルはこれらの構造の延長にあるものだと仮定すると、オーディオ的にはどんな差が出るのだろうか。少なくとも見た目にはシールド効果に差がありそうに見える。が、その度合いは?というともちろんこれだけでは分からない。これらの差が出るとすればどのような周波数帯のどのような信号がケーブルの回りを飛び交うと違いが出るのか、などを見ておく必要があるだろう。今回のサンプルは比較するには良いサンプルではないのでこれ以上はこれらで実験はしないが、他のケーブルでデータを取るなどして、差を定量的に表すにはどういう実験が有効そうか検討する程度のことが出来そうだ。みなさんも何か思い付いたら提案してくれるとありがたい。ただし聴覚試験は無理なので Analog Discovery で取れそうな範囲でである。

その他芯線などの導電率はこれまた測定器がないので無理である。無酸素銅のケーブルがいいなどという意見を時々見かけるが、本当にそうならよほど精度のいい測定器でないと定量的な判断は出来ないだろう。

ぼちぼちと出来る範囲でやってみることにする。

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