そういえば、と思いだしてお蔵入りになっている RCA ケーブルを引っ張り出し容量を測定してみた。
種類は 10 種、オーディオ機器のオマケもあれば、大昔に買ったものなど色々である。

A:何にか分からないが機器についていたもの。いかにもしょぼそう。
B:AV 機器、ビデオデッキか何かについていたもの。同上。
C:AKAI と書いてあって、一見しょぼそうだが A の倍ぐらいの太さがある。
D:量販店で買ったものでメーカ品なはずだが、刻印がない。フェライトコアが付いている。
E:CANARE Cable とある。
  良いメーカのようだが購入したのが秋葉原の怪しげな店。(失礼!)
F:JVC 製。結構しっかりした感じである。
G:Audio Craft と書いてある。40 年ぐらい前に秋葉原で買ったものでレコードプレイヤー用。
  店員さん曰く「線が細く容量が小さいので高域まで出ます。音も細めです」
H:SONY 製の AV 用ケーブル。
I:audio technica 製の AV 用ケーブル。
J:audio technica 製のオーディオケーブル。かなり太く作ってある。左右独立型。

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それぞれの容量を測定し、単位長さあたりの容量を計算してみた。
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いかがだろうか。案外容量が大きいな、という感想と小さいなという感想を同時に持った。
大きいなと思った理由は見た目だけである。お前電気系技術者かよ、と思われてしまうかもしれないが、この程度のケーブルでももう少し小さくないとオーディオ信号はさておき、パルスジェネレータやオシロのケーブルはつとまらないので、そんなものかと。
小さいなと思った理由は、この程度の容量ではオーディオ帯域に影響を与えると思えないからである。
仮に 500pF あったとして、送り出し側の出力インピーダンスが 1000Ωならば、構成される RC 型 LPF で fc = 320KHz となり、可聴帯域を超える。
ここだけ取り上げればそんなたいした音の差になるとは思えない。G に対する店員さんのコメントは、高インピーダンスで受ける MM 型カートリッジ向けのものだった。もちろんインダクタンス分とか、シールド性能とかが音質には影響すると思われるので、この評価だけからはなんとも言えない。
また製品による違いも結構大きいようだ。だから何?よくわからない。製品の差を聞き分けられる気はしないので、聴感テストはしていない。
付属ケーブルが見た目もしょぼいが、容量も大きいのは傾向としてありそうだ。他にもあったのでその傾向はサンプル数 3 以上である。

自分としてはしっかりした雰囲気を醸し出すケーブルのほうが安心感があるという程度だろうか。
A を使ってネットワークアナライザで特性をとってみたが、測定範囲の 100MHz まではちゃんとフラットだった。

笑えたのは B でオーディオ信号用の白と赤に対して、ビデオ信号用の黄色の容量も同じだったことだ。A でもローインピーダンス出力、ハイインピーダンス受けならば 100MHz までフラットなのだから、同じようなものでも大丈夫だということだろう。他の AV ケーブルはビデオ用の容量は少し小さかった。多少忖度しているんだろう。

ご参考まで。

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