またオーディオネタです。とうとう煽られるままに書庫を作ってしまいました。続くかどうか疑問ですが、色々書いてみようと思います。
前に書いた記事は引っ越ししておきました。
煽った方のブログを見たらなかなか面白い実験を行っていたので、コメントをしておいた。この記事である。
今日のお遊び 各種媒体波形比較
当時 LP として発売されていた古い音源とそれをリメイクした CD およびそれを放送したと思われる FM 放送からの音源とを波形レベルで比較している。
結論を簡単に言うと、LP に収録された音源と CD でリメイクされた音源ではマスタリングが違うのだ。これなら音の印象が違っても不思議ではない。
そこの記事でもコメントしているが、CD 化するときにデジタル処理にものをいわせてダイナミックレンジを使い切らず、音圧を上げるため、むしろコンプレッサーを掛けたのだろう、と想像している。波形を見ても分かるようにピークレベルと小信号レベルの差が縮まっているのである。
音圧を上げると小さい音量でも良く通る音質になるし、聴いた感じも迫力が増すので今風と云うことだろう。ポータブルイヤフォンプレイヤーなどで聴いても、耳に届きやすいということもありそうだ。
が、本当にこんなことをしていいのだろうか。当時のアーティスト、ディレクター、エンジニアたちが当時の技術レベルという制約があったとしても「これがいい!」と作り込んだものを時代が変わったからといって作り替えていると云うことである。
むしろ CD というダイナミックレンジをフルに活用して、出来るだけオリジナルマスターを再現させるのが本筋ではないかと思う。こういうデジタル処理はまかり間違えると「やっぱりデジタル音源は音が悪い」という風評が立ちかねない。今そういう感想を持っている人がいるとすればそれは「デジタル」「アナログ」という方法論の比較ではなく、違う音源を聴いて善し悪しを云っているように思えてくる。ブログ主も控えめながら上述の記事で違いがあると云っている。
どうやら CD を始めとしたデジタルオーディオも前に書いた 4ch と同じような過ちを犯していたようだ。で、この件「ラウドネスウォー」という名前が付いて批判ネタにされているようだ。興味ある方は検索してみて下さい。
何が言いたいかというと個人的には DVD オーディオや SACD にはすごく期待していてコンテンツの充実を待ち望んでいた。ところが現実にはさっぱりである。これは mp3 などの圧縮音源でも十分だという聴き方が PC オーディオを中心に一般的になってきた時にそれらがデビューしたので見向きされなかったと云われているが、その布石として CD の音質が「デジタル臭い」という評価が定着していてそれらに対するオーディオファンの期待が高まらなかったというのがありそうである。ちょっと時系列的考察は怪しいが「ラウドネスウォー」がその評価を作ったのだとすれば、自爆行為だったのではないかと思う。
最近は「ハイレゾ音源」というのが話題になっていて「ハイレゾ音源対応」というのが売り文句になっている。自分も興味はあってネット購入にはなるが検討している。が、これも同じような過ちを犯しはしないか心配である。だいたい人間の耳は若い人なら 20KHz まで聞こえるようだが、ある程度年齢が行くと 12KHz ぐらい聴き取れれば立派といえるような性能である。「20KHz 以上の高帯域を含む音源をお楽しみ下さい」とか何とか云って、10KHz 付近を持ち上げたり 100Hz 付近を持ち上げたりして耳当たりが良くなるような音源を提供しそうで怖い。
まあこういう議論をしていくと「原音とは何?」、「どういう再生音質が心地よい?」に行き着く。これに対する考え方は人様々で構わないし、他人の嗜好をとやかく云うつもりもない。自分はただ技術的にはこういうことだ、ということを理解したいだけである。
← にほんブログ村「科学」-「技術・工学」へ
↑ クリックをお願いします。
前に書いた記事は引っ越ししておきました。
煽った方のブログを見たらなかなか面白い実験を行っていたので、コメントをしておいた。この記事である。
今日のお遊び 各種媒体波形比較
当時 LP として発売されていた古い音源とそれをリメイクした CD およびそれを放送したと思われる FM 放送からの音源とを波形レベルで比較している。
結論を簡単に言うと、LP に収録された音源と CD でリメイクされた音源ではマスタリングが違うのだ。これなら音の印象が違っても不思議ではない。
そこの記事でもコメントしているが、CD 化するときにデジタル処理にものをいわせてダイナミックレンジを使い切らず、音圧を上げるため、むしろコンプレッサーを掛けたのだろう、と想像している。波形を見ても分かるようにピークレベルと小信号レベルの差が縮まっているのである。
音圧を上げると小さい音量でも良く通る音質になるし、聴いた感じも迫力が増すので今風と云うことだろう。ポータブルイヤフォンプレイヤーなどで聴いても、耳に届きやすいということもありそうだ。
が、本当にこんなことをしていいのだろうか。当時のアーティスト、ディレクター、エンジニアたちが当時の技術レベルという制約があったとしても「これがいい!」と作り込んだものを時代が変わったからといって作り替えていると云うことである。
むしろ CD というダイナミックレンジをフルに活用して、出来るだけオリジナルマスターを再現させるのが本筋ではないかと思う。こういうデジタル処理はまかり間違えると「やっぱりデジタル音源は音が悪い」という風評が立ちかねない。今そういう感想を持っている人がいるとすればそれは「デジタル」「アナログ」という方法論の比較ではなく、違う音源を聴いて善し悪しを云っているように思えてくる。ブログ主も控えめながら上述の記事で違いがあると云っている。
どうやら CD を始めとしたデジタルオーディオも前に書いた 4ch と同じような過ちを犯していたようだ。で、この件「ラウドネスウォー」という名前が付いて批判ネタにされているようだ。興味ある方は検索してみて下さい。
何が言いたいかというと個人的には DVD オーディオや SACD にはすごく期待していてコンテンツの充実を待ち望んでいた。ところが現実にはさっぱりである。これは mp3 などの圧縮音源でも十分だという聴き方が PC オーディオを中心に一般的になってきた時にそれらがデビューしたので見向きされなかったと云われているが、その布石として CD の音質が「デジタル臭い」という評価が定着していてそれらに対するオーディオファンの期待が高まらなかったというのがありそうである。ちょっと時系列的考察は怪しいが「ラウドネスウォー」がその評価を作ったのだとすれば、自爆行為だったのではないかと思う。
最近は「ハイレゾ音源」というのが話題になっていて「ハイレゾ音源対応」というのが売り文句になっている。自分も興味はあってネット購入にはなるが検討している。が、これも同じような過ちを犯しはしないか心配である。だいたい人間の耳は若い人なら 20KHz まで聞こえるようだが、ある程度年齢が行くと 12KHz ぐらい聴き取れれば立派といえるような性能である。「20KHz 以上の高帯域を含む音源をお楽しみ下さい」とか何とか云って、10KHz 付近を持ち上げたり 100Hz 付近を持ち上げたりして耳当たりが良くなるような音源を提供しそうで怖い。
まあこういう議論をしていくと「原音とは何?」、「どういう再生音質が心地よい?」に行き着く。これに対する考え方は人様々で構わないし、他人の嗜好をとやかく云うつもりもない。自分はただ技術的にはこういうことだ、ということを理解したいだけである。

↑ クリックをお願いします。