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ちょっと内容にしては亀話題だが、先週昔いた会社の OB 会および先輩(というより元上司)の実質定年退職祝いの会があった。この会社関連の集まりとしては、今年 4 回目だからやっぱり自分もそういう年代の一員だと改めて思う。
会社自体は今までのブログを見てくれていただいた人なら分かると思うが、色々不適切なことがあって傾きかけていると報じられているところである。が、今回のような集まりでも、その会社関連の人と別の機会にテニスなどしておしゃべりしたりする時でも、現場にそんなに悲壮感があるわけでもなさそうである。というより持ってもどうすることも出来ないのが現実だし、実際には目の前の仕事をさばいて、こなすのが精一杯なんだろうから、ネガティヴに思い悩むのは却って次の新しい選択を迫られた時にマイナスだと思う。
幸い後輩達は良い職位について頑張っているようなので、少なくともその事業が継続している限りはそんなに辛いことにはならないだろう。
自分がいたから持ち上げるわけではないが、この会社は現場の技術レベル、会社人としてのスキルレベルはかなり高いと思う。派遣社員として派遣先での技術に対する意識や仕事スキルを見ていると「大丈夫かな?」と思える部分を感じることが時々あるので、昔の仲間達が定年後の仕事を探そうと思う時や、不運にして会社が傾いても次の仕事を探すのにはさほど困らないのではないかと思う。
もちろん現在および前の派遣先の会社にも「さすが!」と思わせる部分があって、特に自分のような雑でずぼらな人間にとっては今更ながらに学ぶことは多い。会社ごとに得意不得意の風土というのはあるようだ。

さて今回の出席者にほとんどの人にとっても久しぶりの F 元顧問(その前は技師長)がいらっしゃった。私が退職した年に事業が実質的に解散したとき以来だから本当に久しぶりである。が、その時と全く印象が変わっていない。その方のお話によると今回の会のちょっと前までシニア向けのパソコン教室の講師をやっていらしたようである。元々紳士な雰囲気をお持ちで少しお茶目(失礼!)なところが職位に応じた威厳と親しみやすさを同居していて一回り若い私とも親しくお話しをさせていただいた。いわゆるナイスシニアである。
服装も若々しくしかし落ち着いたいわゆるダンディじでいかにも、その後の生活を楽しんでおられるようだった。会の後同期の O さん(学歴の関係で私より若い。しかもちょっと前まで技師長!この差は何?!(自爆))とカフェでおしゃべりしていたのだが、その話題も出て「ナイスシニアはかくあるべし!というお手本みたいな方だね」という話をしていた。ここでたびたび登場してくる Y 元上司(元 CTO)とは、少なくとも現役時代は真逆である。ついでに苦手だった(が、手本にすべきところもたくさん有った)N 元部長も真逆だ。いや後者のお二人が下品だったとは一言も云うつもりはありません。

思い出しついでに、前に現場技術者にとって良い上司とは「分かっていてだまされてくれる人」というようなことを書いたと思う(見つからないが)。実は F 元顧問、Y 元上司、N 元部長もそんな方だったのである。どんどん進歩する技術の中でいくら優秀な上司といえど現場で次々起こる課題解決の案を出せるわけないし、理解しきることだって難しいだろう。ある程度の知ったかぶりもしなくてはいけない。で、そこで見抜かなくてはいけないのは担当している技術者の本気度とやろうとしていることのスジの良さである。担当者だって「う、これではまずい!」と気が付いてもそのまま報告しては却って混乱すると思ったら自分とチームの実力を信じて「これはこういうことが原因です、こうすればこうなります。ですのでこういう風にやらせて下さい」といかにもそれらしいことを報告する。上司は「(このやろう、今はもっともらしい説明をしておいて、別のことをたくらんでいるな。まあこいつだから何とかするだろう)」と本心では信じてはいないが、「分かった。それでいい。任せたからやり切れ。上へは何とか報告しておく」といってプレッシャーとモチベーションアップを維持させるようなことをお三方はしていた。もちろんついでにギクっとさせられるような質問を付け加えてきたが。

ついでのついでの話題で今日は私の還暦の前祝い行事のようなものをやってもらった。7 月生まれだが、その前にやるものらしい。この年齢まで無事無難(決してそうはいえないが)であることを改めてかみしめて、祝ってもらい、家族やこれまで関わって支えてくれた人への感謝の気持ちを新たにして残りの人生をより充実したものにしましょう、といったような内容だ。まあまだ自分の知識も洞察力も創造力も世の中の何かの役に立つのではないか、と自分に言い聞かせているが、なにぶん体力が落ちている。最近派遣先での仕事内容も自分の本来の得意とする能力はほとんど使っていないので精神的なフラストレーションも溜まっている。そんなこんなで心身ともに疲れているので、こういった行事で気持ちの立て直しが出来るといいかな、と思っている。

それとも、、、

フランスの名作曲家エクトル・ベルリオーズを知っているだろうか。クラッシックに興味が薄い人でも「幻想交響曲」のタイトルぐらいは聞いたことがあるだろう。ベートーヴェンの直後の時代にそれまでの古典派楽曲に新しい管弦楽法を取り入れてロマン派、近代管弦楽法の始祖といわれる革新的な作曲家である。ちょっと天才にありがちな狂人、奇人な逸話のある人だが、やはり自分は天才と信じていたようである。が、晩年は決して恵まれたとはいえなかったようで、臨終の時には「自分は天才だというのは幻想に過ぎなかった」と確信して(発想がすごい)世を去った、といわれている(どうやって確認したんだろう)。だが、前述の「幻想交響曲」の人気や演奏頻度、CD の出版数を見れば、大作曲家の一人であることは間違いない。といってももはや何の慰めにもならないが。
さて、一昔前なら「還暦」=「定年」=「引退」だったのが、健康維持事情も良くなって還暦過ぎても経済的事情を抜きにしても働きたいという人が多いという昨今、自分はというと今まで積み上げてきたものを活用する、伝える役割を担っているのではないかと思っている。そこで今は派遣会社経由で働いているのだが、どうも思うようにいかない。もしかしたら「自分の能力は役に立つというのは妄想に過ぎなかった」ことを確信して臨終を迎えることになるのかな、などとネガティヴなことをふと思ったりする。もっとも発想の比較対象をベルリオーズを持ち出す時点で十分「妄想」だと思うが。

こんなことを考えすぎるとろくなことがないので、できるだけ「ケ・セラ・セラ」といきたいものだ。

もう一つついでに、私はその会社の株をいくらか持っている。一応職制だったので無理矢理持たされていた。で、その株主総会への案内と案件に関する賛否の投票のお願いが来た。取締役候補のみなさんの略歴を拝見したが、少なくとも一人を除き技術の専門家はいないようだ。社外取締役候補の方達はそれぞれ経営、コンサルティングのプロもしくは今一番問われているコーポレートガバナンスに対して法律の専門家である。まあ現時点ではそういう顔ぶれにならざるを得ないか、と思うが、元々技術で生きてきた会社である。現在の技術動向、ニーズのトレンドそれに対応すべきフィージビリィティスタディを少なくとも提案(やりなさい、というだけでいい)できる人材がすぐに必要になると思うが如何に。年齢は一人を除き私より年長だが、それでこれから注力すべき事業、方向性を指導できるのかいささか疑問だ。もちろん具体策は現場の部長、課長の仕事だが、残念ながら会社自体規模が大きいので各事業の責任者は現在の自分の事業を守る提案にならざるを得ない。それを計数面のみならず先ほど書いた技術トレンド見て意見が云える取締役がいなくていいのかな、と思う。株主総会に向けて株価は微増しているが、総会後にどうなっているか注視している。ま、どのみち株は抱え死は避けられそうもないが、それも下っ端とはいえ経営者側に立つ立場にいたものの矜持として、しばらく放っておくことにする。

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