AD8451 を例に Rail to Rail アンプを使った場合の注意点を挙げて来ましたが、多少 Rail to Rail でないことを我慢すればトランジスタバッファを入れることで能力以上の高周波信号が印加された場合の波形歪みを改善できます。
アクティヴフィルタの特性がでない理由をもう少し調べてみる
https://blogs.yahoo.co.jp/susanoo2001_hero/10461713.html
前にここで触れたようにアンプ自身の素の出力インピーダンスが高くて、それがフィードバックで吸収しきれないときに起きるわけですが、それは Rail to Rail アンプの出力段がコンプメンタリのコレクタ出力形式になっているからです。トランジスタ回路のエミッタから信号が出力されている場合は電圧源として見なすことが出来ますが、コレクタから信号が出力されている場合は電流源と見なすことになります。なので出力インピーダンスは高くなります。とても大ざっぱな話ですが。
そこで今回はトランジスタを使ったエミッタフォロア回路をフィードバック内に入れて、オペアンプの出力インピーダンスを下げてみます。回路はこれです。

LTspice を使ったシミュレーションは省略しまして、実際に回路を組んでみました。
ボード線図はこうなりました。

パルス応答です

前回とスケールが変わってしまったので直接の比較がしづらいですが、ボーデ線図での利得の持ち上がりが 10MHz 手前だったのが、10MHz ギリギリぐらいまで上がっています。パルス応答では出力の立ち上がりにあった歪みがかなり小さくなっているのが分かるかな、というぐらいになっています。
まあ、こんな苦労しなくたって抵抗を大きくしてコンデンサを下げれば概ね解決しますが、コンデンサの値が小さくなりすぎるとそれはそれで実装面で苦労するので、ちょっと気に留めておけば実際の設計で問題の起きにくいバランスを選ぶことが出来ると思います。
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前にここで触れたようにアンプ自身の素の出力インピーダンスが高くて、それがフィードバックで吸収しきれないときに起きるわけですが、それは Rail to Rail アンプの出力段がコンプメンタリのコレクタ出力形式になっているからです。トランジスタ回路のエミッタから信号が出力されている場合は電圧源として見なすことが出来ますが、コレクタから信号が出力されている場合は電流源と見なすことになります。なので出力インピーダンスは高くなります。とても大ざっぱな話ですが。
そこで今回はトランジスタを使ったエミッタフォロア回路をフィードバック内に入れて、オペアンプの出力インピーダンスを下げてみます。回路はこれです。

LTspice を使ったシミュレーションは省略しまして、実際に回路を組んでみました。
ボード線図はこうなりました。

パルス応答です

前回とスケールが変わってしまったので直接の比較がしづらいですが、ボーデ線図での利得の持ち上がりが 10MHz 手前だったのが、10MHz ギリギリぐらいまで上がっています。パルス応答では出力の立ち上がりにあった歪みがかなり小さくなっているのが分かるかな、というぐらいになっています。
まあ、こんな苦労しなくたって抵抗を大きくしてコンデンサを下げれば概ね解決しますが、コンデンサの値が小さくなりすぎるとそれはそれで実装面で苦労するので、ちょっと気に留めておけば実際の設計で問題の起きにくいバランスを選ぶことが出来ると思います。

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