下図はディジタル技術検定 2 級制御部門第 53 回の (9) である。
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ラプラス変換の基本的知識を問う問題である。なので知らないと回答出来ない。時間関数とラプラス変換(変換というのは行為だと思うので、ラプラス表現関数もしくは「s 領域」という方が適切のような気がするが、慣例上「ラプラス変換」は変換行為も変換後の数式表現も表す)の変換表の一部を以下に示す。
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(出典:やる夫で学ぶディジタル信号処理)http://www.ic.is.tohoku.ac.jp/~swk/lecture/yaruodsp/laplace.html#SECTION001560000000000000000

ここでは時間関数が指数関数なので、符号について注意しながら突き合わせると(4)1 / (s + a) となる。
s 領域では単位インパルスは 1 なので、s 領域で表されたラプラス変換式は単位インパルスに関する応答そのものになる。つまり(5)伝達関数になる。


下図はディジタル技術検定 2 級制御部門第 53 回の (10) である。
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伝達関数からゲインや時定数を読み解く問題であるが、私も結構混乱してしまうことがある。さらにカットオフ周波数などを問われると 2π がどこに付くんだっけ?と迷ったりすることが多いので、基本形式に立ち戻ってしっかり解くことをお勧めする。
基本形式とは、以下のようである。

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ポイントは式を変形して分母の s の無い項を 1 にすることであり、(ア)では A が 10、T が 0.5 になるものを探すことになる。ここでは(6)が正解である。(イ)では A が 10、T が 1 になるものを探して(3)を得る。


下図はディジタル技術検定 2 級制御部門第 53 回の (11) である。
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状態変数に関する問題は主題頻度が高く 1 級でも出てくるので、例題をたくさんやっておくことをお勧めする。数式からブロック図を作成する場合と、ブロック図から数式へと読み解く両方が実際の設計でも必要なので身につけておきたい。
この問題はブロック図からの数式への読み解きなので、数式の左辺が x(k + 1) と y(k) となるように式を展開する。
といっても見てそのままなので、数式は以下のようになる。難しく考えないことである。

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前にも書いたように解析的に解くならこれを x(n) の一般式として解いて、入力 u(n) を重畳する形で解いていくのだが、ここでは n = k = 2 までなので、直接数値を入れていく。

k    u    x    y
0    1    0    0  ← y(k) = 2 * x(k)
1    2    1    2
2    -    5    10


ということでx(1) = 1、x(2) = 5、y(1) = 2、y(2) = 10 となる。


下図はディジタル技術検定 2 級制御部門第 53 回の (12) である。
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二変数の状態方程式で、行列による表現となる。2 x 2 の行列で高校数学レベルなので思い出して欲しい。
簡単におさらいをしておく。
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これから A、B、C がどういう行列になっていれば最初の数式になっているかを考えれば良いので、行列表現を展開すると以下のようになるので、
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a11 = 0, a12 = 1, a21 = -2, a22 = -3, b1 = 1, b2 = 0, c1 = 1, c2 = 0 となるのが分かると思う。B と C のベクトルの方向を間違えないように。

[27](2)、[28](6)、「29」(8)


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