論理関数について表示形式や前回カルノー図と論理の簡単化を取り上げたので、少し演習がてら例題を解いてみることにする。

次の真理値表の特殊加法標準形と加法標準形を求めてみる。
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まず試験で出題される「最小項」とは、真理値表の出力 X が '1' である行のことを指す。「最小項の数」はその「行数」である。この場合は '1' になる入力の組み合わせとして、A'B'C', A'B'C, A'BC, AB'C, ABC がありそれらを最小項という。それらが 5 つあるので「最小項の数」は 5 となる。最小項は変数をすべて含んでいる必要がある
特殊加法標準形は最小項を加法で連結した式なので、X = A'B'C'+ A'B'C + A'BC + AB'C + ABC となる。
加法標準形は特殊加法標準形で表された式を簡単化して加法で連結して表したものになる。これは特殊加法標準形から各種法則を使って簡単化すればよいが、ここではカルノー図を使ってみることにする。
上記真理値表のカルノー図は次のようになる。以前に示した物と A, B, C の配列が違うので注意して欲しい。個人的にはこの配列の方が素直で見やすく、また 2 級(制御)の過去問題もこの配列になっているが何故か 3 級の過去問題は違っていた。
なお BC の行方向の記載は 00, 01, 11, 10 と隣り合うセル同士の違いが 1 カ所というのが特徴である。これは右端と左端同士も隣り合っていることを示している。
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カルノー図を使った論理関数の簡単化は隣り合うセルが '1' ならば、2 のべき乗個単位で組み合わせていくというやり方になる。
ここでは次のように二つの組み合わせでくくることが出来る。
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赤線の枠は、A'B' を表し、緑線の枠は C を表しているので、それらを加法で連結すればよく X = A'B' + C となり、これが加法標準形ということになる。

もう一つやってみる。
真理値表は次の通りである。'1' になっている行数は 5 つあるので最小項の数は 5 である。
特殊加法標準形は、X = A'B'C' + A'BC' + AB'C' + ABC' + ABC となる。
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カルノー図は次の通りである。
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簡単化するための枠取りは次のようになる。
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ここで先ほど説明したように右端と左端はつながっているので、赤枠は隣同士と云うことで結合できる。緑枠も見ての通りである。青枠だが、ABC' をどこと組み合わせるか実線と点線のいずれかでよい。要は取りこぼしがなければ良いのである。
ということで実線の方を使ったとして、X = A'C' + AC + BC' となる。

仮にこの真理値表で ABC の項が '0' ならば、AB'C の項は隣り合うセルがないので、単独で加法標準形の中に入ることになる。
X = A'C' + AB'C + BC' となるので確認して欲しい。

また、AB'C' の項が '1' だったならば、右端と左端が 2 行まとめて繋がり、下の行はすべて '1' になるので二つの枠でくくることが出来るので、X = A + C' となる。

カルノー図は始めて見ると面食らうかも知れないが、ちょっとやればすぐになれるので是非試験前に見ておくことをお勧めする。

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