下図のディジタル技術検定 3 級第 52 回 (5) というのを前回解説した際、答えは(3)だが違和感があるというようなことを書いた。
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原因はこれだった。
下図はディジタル技術検定 3 級第 50 回 (5) で、答えは(2)である。
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これはまあ分からなくもない。「ブール代数が使えるから」「ハードウェアで実現するのが容易であるから」というのは一応正しそう。というよりは他のはほぼ明確に間違いだから消去法で(2)になる。
で、これを正解とするなら上の第 52 回 (5) は(1)でもよいのではないかと思う。これの(オ)もそうだが「~だが~だから」という命題の持ち出し方が間違い、というのであれば第 52 回(1)は間違いになってしまうが。

ではこちら、

下図はディジタル技術検定 3 級第 49 回 (5) で、答えは(4)である。
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確かに(4)は明確に間違いだから、問題は無い。(2)は微妙な感じがする。でも正しいとするとこれを第 52 回 (5) の選択肢(1)は「四則演算は複雑」と書いてあるので間違いになるということか。しかし仮に十進数の四則演算を直接計算できる方法があったら、2進数を使う方が複雑だろうと思うが。やはり「~だが~だから」という文言は不明瞭なので選んではいけない、という教訓的問題なのだろうか。
そもそも 2 進数と 2 値信号処理は違う。BCD(二進化十進数)などは電気信号の取り扱いは 2 値だが表現は 10 進である。計算対象によっては BCD を使うこともあるようだ。
だが、Wiki の「二進化十進数」を見たらこんな記述があった。

本来、コンピュータでは二進数で演算するのがコンピュータ資源(レジスタ、メモリ、計算量)の有効利用になる。それでも二進化十進数が有効な場合があるのは、二進数と十進数との変換を回避することに「社会的な価値」があるからである。つまり二進化十進数は純粋なコンピュータの問題ではなく、十進数社会という現実からの要請による。コンピュータの能力が上がれば上がるほど、十進数への変換を必要としないというメリットより、数値どうしの演算に手間がかかるというデメリットのほうが大きくなり、計算には二進数を使ったほうがよくなる。

なるほど、これをそのまま信じれば 10 進数の方が「四則演算は複雑になる」ことになるので、第 52 回 (5) の(1)は間違いと云うことになる。でもやっぱり微妙。いうか、第 50 回 (5) の(オ)をどう考えるか。2 進数を使う比較対象が明記されていないので、「信頼性は落ちるが四則演算は簡単になるから」というのはどういうことだろう。アナログ演算を比較対象にしているのであれば確かにそうだが、BCD と比較すると上述の「社会的価値」に対する信頼性は低下していることになる。
ちょっとイチャモン過ぎるか。

これら一連の問題明確さを欠いているように感じますが、みなさんはどう思われますか。
異論は無制限に受け入れます。

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