下図はディジタル技術検定 3 級第 52 回の (5) である。
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答えは(3)である。
ちょっと問題としてどうかと思う節がある。はっきり誤りなのは(4)で 2進数の方が 10進数より桁が少なくて済むということはない。他はどうか。
(1)の「四則演算は複雑」というのと「ブール代数が使える」のは比較の対象といえるかどうか。「ブール代数」は 2進数の代名詞というわけではないので、変な組み合わせである。計算だけに限って云うと 2進数上で行われるブール代数の排他的論理和などが実際の演算上重要な要素であり、かつこれを複雑に組み合わせて四則演算を行っているわけだから正しいといえるし、さらに設問では「コンピュータ内部で」となっているので、計算のみならずハードウェアの構成上「2進数上でのブール代数」は使われているわけだからあながち間違えともいえないのではないかと思う。
(2)では「2進数でしか」という限定をどうみるか。現在 SSD などで使われている素子は、1 セル当たりの情報量は複数値になっている。が、実際にそれを演算に活用しようとすると一旦 2進数に戻さざるを得ない。ちょっと微妙な感じが有る。
個人的感想だが、こういった技術観念に関する問いは表現が曖昧だと間違った覚え方をしてしまうので、検定試験としては適切ではないと思う。

下図はディジタル技術検定 3 級第 52 回の (6) である。
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これは特に問題は無いだろう。カッコ内を埋めて書き直してみた。

 「論理回路を電気回路で構成するとき,論理代数の "1"、"0" を,電圧の "H" レベルと "L" レベルで表す.このとき,「1 を H」,に対応させた場合を正論理といい、逆に「1 を L」,「0 を H」に対応させた場合を負論理という。
 入力 A,B に対して出力 F が下図のように動作する素子の場合、この素子を正論理で動作させると AND の真理値表になり、負論理で動作させると OR の真理値表になる。


実際に 0 と 1 を埋め込んでみる。
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論理ゲートでは以下のようになる。左側が正論理の AND で右側が負論理の OR である。どちらも同じハードウェアである。
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下図はディジタル技術検定 3 級第 52 回の (7) である。
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慣れている人ならひと目[排他的論理和」と見抜いて、(4)を選ぶだろう。
ここでは実際にゲートの出力を確かめながら確認していくことにする。

まず真理値表から出力 X はどう表されているかを確認しておく。それには出力の最終形式を OR(論理和)にするか AND(論理積)にするかでやり方が変わる。
真理値表に従って、論理演算を整理してみる。
真理値表の各行の論理は以下の右端のようになる。単に "0" を「否定」、"1" を「肯定(?)」と書き換えただけである。
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そこで出力 X が "0" となっているところだけを選び出して、この場合はいずれかもしくは両方が成立する場合に X は "0" になるということか、逆に "1" になっているところだけを同様に抜き出すと以下のような 2種類の論理表現になる。
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分かりやすい方から出力を「論理和」でまとめるとすると、下側の式になりこれに該当する論理回路を選ぶことになる。

出力を「論理積」でまとめようとすると、上側の式を「ドモルガンの法則」を使って整理し直すことになる。
「ドモルガンの法則」を一言で言うとこうなるわけだが、これを X の「否定」の「論理和」式に当てはめるとこうなる。
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これを用いて X が "0" の時の式を選んで「論理積」の形式に直すとこうなる。
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ということで選択肢の論理回路が上述の計算結果のいずれかを表していれば良いので、回路図に論理式を書き込んでみる。
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見ての通り(4)が問題の真理値表を表しているのが分かる。ちなみに(1)は「一致回路」と呼ぶ。

検定試験では論理問題が必ず出るようなので、しっかり確認しておきたい。

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