下図はディジタル技術検定 3 級第 48 回の (2) である。

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問題文の中で、E の上にドットがついているが周波数は不明の交流信号で実効値は慣例に従えば 300V ということらしい。どうも私自身は実効値というのをほとんど使っていなかったのでピンと来ない。もっともここではどちらでも構わない。角度表記がないから位相はゼロということでよい。
(ア)は R と XL の合成インピーダンスを求めよと云うことで、この場合は直列接続なのでシンプルに足し算をすれば良い。が、複素数表現になっているので、インダクタの方を虚数にしなくてはいけない。R = 12Ω なので選択肢中、(3) と(4) しかないが虚数の符号がどっちなのかと云うことである。前回はコンデンサについて電圧の位相は遅れると書いたが、こんどはインダクタンスなので電圧の位相は進む。これは直感的に理解するならば電圧を印加した瞬間はおいておいて、間が経てばコイルはただの導線同様である。つまり抵抗値はゼロに限りなく近くなる。ならば印加した瞬間は逆に電流が流れづらいのではないか、とコンデンサの逆の特性を想像してみればよい。ということでインピーダンスは瞬間的に高く、あとで下がるとイメージして虚数軸のプラスの方向に値があると思えば良い。よって答えは(3)ということになる。

(イ)は前回書いたオームの法則が複素表現を用いることで交流にも適用できるという偉大性を具現化した問題である。
オームの法則は電流を求める場合は、I = V / Z なので単純に計算してよく、I = 300 / (12 + j9) を計算する。
結果は以下のようで、(1)となる。
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下図はディジタル技術検定 3 級第 47 回の (2) である。
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まず交流信号をベクトル表示、もしくは複素数表現で議論する場合は前提として同一周波数であることである。ということで[2]の答えは(2)周波数となる。以下今までに解説してきたことのおさらいみたいな物だが、前回私が引っかかっていた、A∠φ の表現の A はここでも登場しており、[3]の答えは E でそれに √2 を掛けたものが正弦波振幅(= 最大値)となっていることからやっぱり「実効値」らしい。まあそういうもんだとして覚えておくことにしよう。これ間違って(3)を選んでしまう人もいるんじゃないかと思うがどうなんだろう。[4]は位相を表すので三角関数の中の位相成分 θ を選ぶことになる。

以上で 3 級で出てきた交流関係の解説は終わるが、ここのブログでも形を変えていくつか登場しているので確認がてら、間違い探しがてら眺めてみて下さい。

電気理論をおさらい>ベクトルと複素数表現
http://blogs.yahoo.co.jp/susanoo2001_hero/10894887.html

電気理論のおさらい>ベクトル軌跡

http://blogs.yahoo.co.jp/susanoo2001_hero/10914236.html

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