久しぶりの展博見学である。今回は出先に近かったパシフィコ横浜だったので交通費もかからず、気軽に見に行けた。

リンクはここである。
http://www.opie.jp/index.php

さて今回はレーザや LED を使った発光素子、発光機器中心であった。なので光の分析、集光、散乱、投影などが中心で自分が興味を持っていた発光~受光~制御までのシステムに関する内容は目につかなかった。
いくつかのブースでおしゃべりをしてきたが、光デバイスサイドからのソリューションビジネスへの提案はまだ難しいようであった。ここの書庫でも何度か取り上げたようにそういったシステム構築はやはり大企業が率先していかなくてはいけない、という状況はこと光に関してはまだ変わっていないようだ。
その理由の一つにシステムデザインをする側が光デバイス(レンズなどのガラス部品なども含む)に対して、カスタマイズした要求を出してくるために、他の会社で作る同じようなシステムに対応した部品を標準化しづらいことがあげられそうだ。中間メーカがモジュール化して付加価値を付けて標準化していくには、まだ力がないのだろう。というかターゲットが見つからないのではないかと思う。

ガラス部品などを展示していたところで気にとまったのが、レーザや LED の光を高効率で拡散するガラスである。早い話が磨りガラスのようなものだろうが(そういったら怒られるか)、現在 LED 照明などではほぼ点光源なので自然な広がりに見せるには、半透明樹脂などで拡散させる必要がある。ところが樹脂だと透過率が低くなってしまうので、どうしても暗めになる。さらに発光点に近いと LED やレーザ自身の発熱で劣化する。展示されていたのはそういった欠点を補えるものではあるが、まだ値段は高いようだ。
もう少し詳しく聞いてみたところ、LED バックライトモニタなどでは LED の点光源をできるだけ均一にするために樹脂板を使っているようだが、前述のような理由で効率が悪い。ではこの拡散ガラスを使っては、というと面積が面積なのでとんでもないお値段になる。そこで私がその場で LED とかレーザを発光させた直後に小さい拡散ガラスで出来るだけ均一性を持った広がりにして、それを透明に近い樹脂で画面全体をバックライトにしてはどうかという素人考えをいってみた。
社交辞令だろうが「なるほど」といっていたので、何かの足しになればと思う。

先般の地震のこともあって期待していたが前にも書いたことがある建物やインフラ系の微小変位、歪みなどの検査、トレースに使えそうな光センサみたいなものはなかった。これはどちらかというとソナーの方が一般的かも知れないが、解像度は光の方が出ると思う。タイムリーな話なのでちょっと期待していたが残念。

明日(5/20)もあるので、興味のある方は行ってみたはどうだろう。なお事前登録を忘れずに。

もう少し小うるさいことをいうと若い技術者はどんどんこういった展博、特に製品ではなくデバイスを扱ったところに行くべきである。そこで色々イマジネーションを刺激しているうちに有効なアイディアが出るきっかけになり得ると思っている。