FFT は何に使うものかというと、入力された信号のスペクトラム=周波数分布を分析するものでした。
FFT はデジタル信号処理の一つとして知られていますが、入力された信号は最初はアナログなのアナログ信号をデジタル信号に変換する技術が未熟だった時代は、今のように簡単にはいきません。
そこでアナログ信号処理としてのスペクトラムアナライザとはどんなもんだったか思い出してみます。

そこで連想するのがラジオの受信器で、要は同調回路を持ってきて特定の周波数の放送波を受信してそれを音声信号に変換する、というものですが、その同調回路で受信周波数を合わせるのにたとえば可変
容量コンデンサなどを使って特定の周波数のみ増幅できるようにしているものでした。当時は人間が手でその可変容量コンデンサ(バリコンと呼んでいました)を回していたわけですが、これを自動的にかつ滑らかに再現性良く変化させられれば、それぞれの瞬間での信号レベルが分かるわけです。
そこでコンデンサを回すモータを使って、、、いえいえそんなことはしません。
実際にはヘテロダインという方式を使って(今も色々な受信器で使われています)、入力信号周波数を変換して一定の周波数にします。
どうやるかというと、可変周波数発振器を使ってこれと入力信号を掛け算します(実際には混ぜて自乗するとかの非線形処理をします)。そうすると、入力信号と出力信号の差分周波数その他が得られますが、そのうち差分周波数だけを固定周波数型のバンドパスフィルタで取り出してレベルを確認するわけです。

ではどうやって、可変周波数発振器で周波数を変えるのかというと、これは電圧で制御できる抵抗やコンデンサを使って、変化させることになるのですが、実はこれも可変容量コンデンサを使って同調回路を作るのと似たようなことをしなくてはいけなくて、結構難しいのです。
先ほどのバンドパスフィルタとこの可変周波数発振器を良質であることがアナログスペクトラムアナライザのきもになります。
想像するにバンドパスフィルタは固定周波数対応なので LCR 共振回路を多段にしたり、丁寧に調整することでなんとかしていたのかも知れません。おそらく可変周波数発振器を再現性良く変化させることが大変だったと思います。ただこちらは PLL 技術の進歩で周波数自体は離散的にはなりますが、デジタル信号処理のはしりみたいな方法で発振周波数の質を高めていくことになります。

言葉だけの説明になってしまったのでいくつかのサイトの受け売りみたいな記事になってしまいました。

方式を説明した画像と製品の写真を貼っておきます。
イメージ 1
イメージ 2
詳しく知りたい人は「アナログスペクトラムアナライザ」でググると色々出てきますのでやってみて下さい。
上記の画像はここのものです。

無線設計の不具合を見つけ出せ、スペアナの進化が視界を広げる
http://eetimes.jp/ee/articles/1107/11/news043.html

次回は同じようなことを計算でやってみることにします。大事なことは信号の掛け算と云うことです。