今まで色々寄り道はしましたが、ここの書庫ではオペアンプを使った応用回路の紹介と動作の考え方について書いてきました。
そこでまとめとして最初の 5 つの法則と現実との差分の原因と影響を整理してみます。
最初にオペアンプの 5 つの法則をこんな風に説明してみました。
やさしく考えるアナログ回路:オペアンプ(その2)
http://blogs.yahoo.co.jp/susanoo2001_hero/4976465.html
1.オームの法則
2.キルヒホッフの法則
3.(+)端子と(-)端子は同電位。
4.(+)端子と(-)端子には電流は流れない。
5.オペアンプの出力端子は電圧源。
5 つの法則のうち 1, 2 はオペアンプとは関係なく電気工学の基本と言える原理ですので、3 ~ 5 が理想と現実の狭間で影響を受ける、ということになります。
順番に現実のどういう特性がここに影響を与えるか挙げてみます。
3.(+)端子と(-)端子は同電位。
これはどうして (+) 端子と (-) 端子が同電位になるのか、ならなくてはいけないかということですが、こちらで解説しました。
自動制御ブロックでオペアンプを考えてみた。
http://blogs.yahoo.co.jp/susanoo2001_hero/5941271.html
要はオペアンプの内部利得が高いゆえに「(+) 端子と (-) 端子が同電位になる」ということになり、オペアンプの動作としてこの特徴を利用できる、ということでした。言い換えると現実のオペアンプの利得は有限であり、しかも周波数が高くなると利得が下がるので「(+) 端子と (-) 端子は誤差を持ち始める」ということになり、帯域が制限されると云うことになります。
蛇足ですが「(-) 端子に高い周波数の誤差信号が現れている、取り除こう」などと思って (-) 端子にコンデンサをぶら下げてはいけません。
応用の観点で以下の記事も見ておくと良いかも知れません。
オペアンプ、理想と現実の狭間で>ゲインと帯域
http://blogs.yahoo.co.jp/susanoo2001_hero/7830353.html
オペアンプ、理想と現実の狭間で>ゲインと帯域:反転増幅器の場合
http://blogs.yahoo.co.jp/susanoo2001_hero/7990813.html
あれ?!性能が出ない?>ゲインと帯域:反転加算増幅器
http://blogs.yahoo.co.jp/susanoo2001_hero/8016045.html
さらに DC 的な誤差になりますが、こういったことも「(+) 端子と (-) 端子が同電位になる」が成り立たなくなる原因として考慮しなくてはいけないのです。
オペアンプ、理想と現実の狭間で>オフセット電圧、電流など
http://blogs.yahoo.co.jp/susanoo2001_hero/10987243.html
オペアンプ、理想と現実の狭間で>入力バイアス電流
http://blogs.yahoo.co.jp/susanoo2001_hero/11063180.html
4.(+)端子と(-)端子には電流は流れない。
この項目は現実のオペアンプでも入力信号に伴ってオペアンプの入力端子に電流が流れる例はほとんどないので、AC 的にはあまり気にしなくても良いと思います。ただ DC 的には応用によっては注意が必要です。
オペアンプ、理想と現実の狭間で>入力バイアス電流
http://blogs.yahoo.co.jp/susanoo2001_hero/11063180.html
5.オペアンプの出力端子は電圧源。
これは内容としては「理想電圧源」と書くべきだったかも知れません。無限の電圧が設定可能で無限の電流が流れる、ということですが、もちろん不可能です。
出力電圧の制限については、こちらで解説しました。
オペアンプ、理想と現実の狭間で
http://blogs.yahoo.co.jp/susanoo2001_hero/7529959.html
これは分かりやすかったと思うのですが、次の電流に関する制限が見落としがちになるかも知れません。
リアルのアクティヴフィルタで何が起こる!?
http://blogs.yahoo.co.jp/susanoo2001_hero/10392328.html
アクティヴフィルタの特性がでない理由をもう少し調べてみる
http://blogs.yahoo.co.jp/susanoo2001_hero/10461713.html
いかがでしょうか。説明が不十分、下手くそな部分がたくさんあると思います。指摘、質問は大歓迎です。
あと、オペアンプの応用で注意しなくてはいけないのはフィードバック系であるということです。記事の中の応用例でもポチポチ触れているので、実際に設計するときは注意して下さい。
そこでまとめとして最初の 5 つの法則と現実との差分の原因と影響を整理してみます。
最初にオペアンプの 5 つの法則をこんな風に説明してみました。
やさしく考えるアナログ回路:オペアンプ(その2)
http://blogs.yahoo.co.jp/susanoo2001_hero/4976465.html
1.オームの法則
2.キルヒホッフの法則
3.(+)端子と(-)端子は同電位。
4.(+)端子と(-)端子には電流は流れない。
5.オペアンプの出力端子は電圧源。
5 つの法則のうち 1, 2 はオペアンプとは関係なく電気工学の基本と言える原理ですので、3 ~ 5 が理想と現実の狭間で影響を受ける、ということになります。
順番に現実のどういう特性がここに影響を与えるか挙げてみます。
3.(+)端子と(-)端子は同電位。
これはどうして (+) 端子と (-) 端子が同電位になるのか、ならなくてはいけないかということですが、こちらで解説しました。
自動制御ブロックでオペアンプを考えてみた。
http://blogs.yahoo.co.jp/susanoo2001_hero/5941271.html
要はオペアンプの内部利得が高いゆえに「(+) 端子と (-) 端子が同電位になる」ということになり、オペアンプの動作としてこの特徴を利用できる、ということでした。言い換えると現実のオペアンプの利得は有限であり、しかも周波数が高くなると利得が下がるので「(+) 端子と (-) 端子は誤差を持ち始める」ということになり、帯域が制限されると云うことになります。
蛇足ですが「(-) 端子に高い周波数の誤差信号が現れている、取り除こう」などと思って (-) 端子にコンデンサをぶら下げてはいけません。
応用の観点で以下の記事も見ておくと良いかも知れません。
オペアンプ、理想と現実の狭間で>ゲインと帯域
http://blogs.yahoo.co.jp/susanoo2001_hero/7830353.html
オペアンプ、理想と現実の狭間で>ゲインと帯域:反転増幅器の場合
http://blogs.yahoo.co.jp/susanoo2001_hero/7990813.html
あれ?!性能が出ない?>ゲインと帯域:反転加算増幅器
http://blogs.yahoo.co.jp/susanoo2001_hero/8016045.html
さらに DC 的な誤差になりますが、こういったことも「(+) 端子と (-) 端子が同電位になる」が成り立たなくなる原因として考慮しなくてはいけないのです。
オペアンプ、理想と現実の狭間で>オフセット電圧、電流など
http://blogs.yahoo.co.jp/susanoo2001_hero/10987243.html
オペアンプ、理想と現実の狭間で>入力バイアス電流
http://blogs.yahoo.co.jp/susanoo2001_hero/11063180.html
4.(+)端子と(-)端子には電流は流れない。
この項目は現実のオペアンプでも入力信号に伴ってオペアンプの入力端子に電流が流れる例はほとんどないので、AC 的にはあまり気にしなくても良いと思います。ただ DC 的には応用によっては注意が必要です。
オペアンプ、理想と現実の狭間で>入力バイアス電流
http://blogs.yahoo.co.jp/susanoo2001_hero/11063180.html
5.オペアンプの出力端子は電圧源。
これは内容としては「理想電圧源」と書くべきだったかも知れません。無限の電圧が設定可能で無限の電流が流れる、ということですが、もちろん不可能です。
出力電圧の制限については、こちらで解説しました。
オペアンプ、理想と現実の狭間で
http://blogs.yahoo.co.jp/susanoo2001_hero/7529959.html
これは分かりやすかったと思うのですが、次の電流に関する制限が見落としがちになるかも知れません。
リアルのアクティヴフィルタで何が起こる!?
http://blogs.yahoo.co.jp/susanoo2001_hero/10392328.html
アクティヴフィルタの特性がでない理由をもう少し調べてみる
http://blogs.yahoo.co.jp/susanoo2001_hero/10461713.html
いかがでしょうか。説明が不十分、下手くそな部分がたくさんあると思います。指摘、質問は大歓迎です。
あと、オペアンプの応用で注意しなくてはいけないのはフィードバック系であるということです。記事の中の応用例でもポチポチ触れているので、実際に設計するときは注意して下さい。