小保方さんが「STAP 細胞」についての論文撤回に同意して一旦白紙に戻ることになった。折角盛り上がりかかった「リケ女ブーム」に水指すようで残念である。ただ正直リセットできて良かったような気がする。小保方さんのためにもである。
それにしても悪意はなかったという言をそのまま信じたとしても(信じたいです)エラーが多すぎた。
それでも「STAP 細胞はこれです!」と見せられればなんとかなったかも知れないが。
指摘されている内容は、
・論文に貼った画像データに手加工があった。
・論文に貼った画像データが別の論文の引用だった。あるいは画像選択を間違えた。
・実験ノートがきちんと書かれていない。
・STAP 細胞から作ったとされる幹細胞の遺伝子に実験で使ってないはずのマウスのがあった。
などなどでしょうか。
1番目と2番目が騒動のきっかけになった案件だが、4番目もある時期に指摘されたのはニュースでみたことがあってその後どうなったのだろうと思ったらまた復活したようだ。これについての小保方さんのコメントはないようですね。
う~ん、苦しいな。
悪意はなかったとしてもこれだけエラーをすれば、研究者としての資質を問われても仕方がないかも知れない。
これについては本人も自分の未熟さを認めていることは認めていますが、もしかしたら大事なことが分かってないかも知れない。
研究者の仕事ってなんだろう、というと「論文を書くこと」であって成果は「論文」なのである。だから「論文」がちゃんと書けないと仕事したことにならないのである。もしかしら小保方さんも弁護士も「研究者の仕事は実験」と勘違いしているかも知れない。
一般的イメージは「研究者の仕事は実験」と思うかも知れないのだが、仕事というのは後工程に送るべきものを作り出す、ということである。研究者の後工程とは別の研究者だったり、実験の成果を具現化する開発部門や設計部門などの技術部門(広義の)である。
「実験でできました」と連呼しても後工程は何もできない。これではいけない。だから「論文を正確に書く」というのは最優先されるべき仕事であって、「忙しくて間違えてしまった」というのはありえないのだ。というと偉そうすぎるかな。
ではたとえば設計部門の仕事とは何か。「出図をする」である。試作したり、評価したり、部品を決めたり、関係部門とネゴを取ったりするが、最大の仕事は「出図をする」である。この内容しだいで製品の性能、品質が決まり、顧客満足~売り上げ~利益に影響し、企業の業績につながる。
設計者がこの出図の内容を間違えたらどうなるか。容易に想像できるだろう。
出図と一言で言ってしまったが、この中には設計図面のみならず、作業指示書、部品コードリストなど多くの形態があり、またソフトウェアに関してはソースコードという形で提供されるわけである。
試作データなどは後工程で性能や品質に疑義が生じた場合の検証データに過ぎない、というと言い過ぎだが、後工程で問題が生じなければ日の目を見ないことがあっても不思議はない。誤解されては困るが、所詮人間のやっていることなので問題はいつでも生じうる、という前提に立てば試作データなどはちゃんと積み上げておかなくてはいけない。
設計部門の管理者の大変なところは、部下の行動と仕事の精度をこういったところまで管理していなくてはいけないところだろう。
さて、こういう立場で今回の小保方さんの行動結果を見ると、これだけセンセーショナルな内容なのだから、当然世界中の研究者からフォローされて検証実験される。その世界中の研究者は小保方さんの後工程である。その人たちに対して誤ったデータを提示してしまったのだから、かなりの影響度の高い損失の大きいエラーである。では問題は起きるもの、修正しましょう、としたら今度は実験ノートが充実していないとの指摘である。
私が経済関連で良く読まさせてもらっている高橋洋一教授だが、こんなコメントをしている。
STAP細胞問題にみる個人vs.組織
研究者の視点に立つと違った姿が見える
http://diamond.jp/articles/-/51770
この先生の指摘はデータに基づいた内容が多いので、参考にはなるのだが本件に関しては少し違うところもあるかな、という感触である。前述した「研究者の仕事は実験」と思っているのかも知れない。
もちろんこの中で云っているように、研究者個々の発想やキャラを尊重しないと「無から有を生む」ということはなかなか出来ないだろう。無駄の積み上げが輝く成果という側面はあっても不思議はない。
が、成果として外に出す場合は注意する必要がある。極端に言えばデタラメな論文を出して世界中を混乱に陥れたら、それは単なる出した個人の責任というわけにいかないだろう。著名な研究者なら世界中の人がその内容に信用するだろうし、多くの優れた研究成果を出している研究所も同様である。信用されると云うことは責任が生じていると云うことである。
ただそういう混乱も研究というカテゴリでは想定内の損失かもしれないが。
そう考えると「STAP 細胞騒動」は小保方さんの資質の問題もあるかも知れないが、組織の問題でもあるといえるだろう。もし小保方さんが閃きのある研究者であって、でも成果をまとめるにあたってのスキルが低いのであれば、サポートメンバーを付けることで精度を上げることが出来るだろう。閃きのある人に限ってルーチン的なことが苦手だ、なんていうのはありがちな話なので工夫が必要である。
小保方さんは「STAP 細胞」が多くの人が見ている中で作ることが出来れば、名誉挽回できる。是非頑張って欲しいし、理研も「不正」「捏造」とか決めつけないのできちっとフォローして欲しいものだ。
それにしても悪意はなかったという言をそのまま信じたとしても(信じたいです)エラーが多すぎた。
それでも「STAP 細胞はこれです!」と見せられればなんとかなったかも知れないが。
指摘されている内容は、
・論文に貼った画像データに手加工があった。
・論文に貼った画像データが別の論文の引用だった。あるいは画像選択を間違えた。
・実験ノートがきちんと書かれていない。
・STAP 細胞から作ったとされる幹細胞の遺伝子に実験で使ってないはずのマウスのがあった。
などなどでしょうか。
1番目と2番目が騒動のきっかけになった案件だが、4番目もある時期に指摘されたのはニュースでみたことがあってその後どうなったのだろうと思ったらまた復活したようだ。これについての小保方さんのコメントはないようですね。
う~ん、苦しいな。
悪意はなかったとしてもこれだけエラーをすれば、研究者としての資質を問われても仕方がないかも知れない。
これについては本人も自分の未熟さを認めていることは認めていますが、もしかしたら大事なことが分かってないかも知れない。
研究者の仕事ってなんだろう、というと「論文を書くこと」であって成果は「論文」なのである。だから「論文」がちゃんと書けないと仕事したことにならないのである。もしかしら小保方さんも弁護士も「研究者の仕事は実験」と勘違いしているかも知れない。
一般的イメージは「研究者の仕事は実験」と思うかも知れないのだが、仕事というのは後工程に送るべきものを作り出す、ということである。研究者の後工程とは別の研究者だったり、実験の成果を具現化する開発部門や設計部門などの技術部門(広義の)である。
「実験でできました」と連呼しても後工程は何もできない。これではいけない。だから「論文を正確に書く」というのは最優先されるべき仕事であって、「忙しくて間違えてしまった」というのはありえないのだ。というと偉そうすぎるかな。
ではたとえば設計部門の仕事とは何か。「出図をする」である。試作したり、評価したり、部品を決めたり、関係部門とネゴを取ったりするが、最大の仕事は「出図をする」である。この内容しだいで製品の性能、品質が決まり、顧客満足~売り上げ~利益に影響し、企業の業績につながる。
設計者がこの出図の内容を間違えたらどうなるか。容易に想像できるだろう。
出図と一言で言ってしまったが、この中には設計図面のみならず、作業指示書、部品コードリストなど多くの形態があり、またソフトウェアに関してはソースコードという形で提供されるわけである。
試作データなどは後工程で性能や品質に疑義が生じた場合の検証データに過ぎない、というと言い過ぎだが、後工程で問題が生じなければ日の目を見ないことがあっても不思議はない。誤解されては困るが、所詮人間のやっていることなので問題はいつでも生じうる、という前提に立てば試作データなどはちゃんと積み上げておかなくてはいけない。
設計部門の管理者の大変なところは、部下の行動と仕事の精度をこういったところまで管理していなくてはいけないところだろう。
さて、こういう立場で今回の小保方さんの行動結果を見ると、これだけセンセーショナルな内容なのだから、当然世界中の研究者からフォローされて検証実験される。その世界中の研究者は小保方さんの後工程である。その人たちに対して誤ったデータを提示してしまったのだから、かなりの影響度の高い損失の大きいエラーである。では問題は起きるもの、修正しましょう、としたら今度は実験ノートが充実していないとの指摘である。
私が経済関連で良く読まさせてもらっている高橋洋一教授だが、こんなコメントをしている。
STAP細胞問題にみる個人vs.組織
研究者の視点に立つと違った姿が見える
http://diamond.jp/articles/-/51770
この先生の指摘はデータに基づいた内容が多いので、参考にはなるのだが本件に関しては少し違うところもあるかな、という感触である。前述した「研究者の仕事は実験」と思っているのかも知れない。
もちろんこの中で云っているように、研究者個々の発想やキャラを尊重しないと「無から有を生む」ということはなかなか出来ないだろう。無駄の積み上げが輝く成果という側面はあっても不思議はない。
が、成果として外に出す場合は注意する必要がある。極端に言えばデタラメな論文を出して世界中を混乱に陥れたら、それは単なる出した個人の責任というわけにいかないだろう。著名な研究者なら世界中の人がその内容に信用するだろうし、多くの優れた研究成果を出している研究所も同様である。信用されると云うことは責任が生じていると云うことである。
ただそういう混乱も研究というカテゴリでは想定内の損失かもしれないが。
そう考えると「STAP 細胞騒動」は小保方さんの資質の問題もあるかも知れないが、組織の問題でもあるといえるだろう。もし小保方さんが閃きのある研究者であって、でも成果をまとめるにあたってのスキルが低いのであれば、サポートメンバーを付けることで精度を上げることが出来るだろう。閃きのある人に限ってルーチン的なことが苦手だ、なんていうのはありがちな話なので工夫が必要である。
小保方さんは「STAP 細胞」が多くの人が見ている中で作ることが出来れば、名誉挽回できる。是非頑張って欲しいし、理研も「不正」「捏造」とか決めつけないのできちっとフォローして欲しいものだ。