最初に断っておくが私は経済についてはほとんど勉強したことがない。最近暇にかこつけて少しだけ本を読み、サイトで知識を得た程度である。従ってここのブログで書いている経済関連記事は素人の戯れ言と思ってもらって差し支えない。問題提起ぐらいにはなっていて欲しいが、どちらというと反面なんとやらで話半分以下だろう。責任は持てないのでそのつもりで読んで下さい。

さてちょっと前の報道でインフレターゲット 2% とかいうのが達成できるか否かというのがあって、1.5% ぐらいになりそうとかいう話があった。そりゃまあ消費税増税込みで考えれば消費者から見れば物価は上がったことになるから、1.5% ぐらいは余裕で達成できそうな感じがする。じゃあ正札でみるとどうなっているの、と妄想してみた。
ちなみに総務省統計局が発表している消費者物価指数の上昇率は、2014年 2月が 2013年 2月に比べて 1.5% 程度は上がったことになっている。これといわゆるインフレターゲットとの関係はよく分からない。
http://www.stat.go.jp/data/cpi/sokuhou/tsuki/index-z.htm

今、正札 10,000万円の品物があって販売店はこれを 8,000円で仕入れていたとする。4月以前は消費税税率 5% だから 10,500円で売っていて、10,000個売れていたとする(期間は考えない)。売り上げは 単純計算で 10,500万円、販売利益は 2,000円×10,000 なので、2 千万円、国の税収入は 5 百万円。
厳密に言うと、人件費、販売固定費だのの経費が掛かってきて単純にはいかないが、とりあえず「やさしく考える」をモットーとするブログなのですべて省略することにする。誤差はその都度必要な人が考えるとしよう。

さて消費税が上がった。この商品はそのまま正札を 10,000万円 にしたら消費者は 10,800円 で購入することになるが、それで従来通り 10,000個 売れれば単に税収増になるがそうはいかないのが世の常。価格は需要と供給の関係で決まるので、ここでは供給の都合はとりあえず無視すると、価格に応じた数量だけ売れるとする。
この場合は販売価格に従って負の係数を持った直線近似を行ってみた。実際は複雑な関数かも知れないが(価格ゼロなら無限大に売れる?or 有限?)ある特定の値の近傍は直線と見なせるとした。この係数をここでは需要係数と呼ぶ(本当は正式名称があるのかも知れません)。
たとえば需要係数 -1 の場合、価格が 1円上がると販売台数が 1台減る、といった案配である。想像するに生活必需品は限りなくゼロに近いだろうし、贅沢品は絶対値が大きくなる。
で、ここでボールを持っているのは販売価格を決める人である。この人は店の売り上げや利益を最大化するべく考えるだろう。果たしていくらで売れば利益が最大化できるか、正札を 9,500円から 10,000円のどこにおくべきか計算をしてみた。

なお、これら傾向は販売原価、販売数量、販売価格の絶対値によってガラガラ変わるので、こういうことがあっても不思議ではない、という程度に捉えて下さい。

まずは販売数量である。
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当然ながら、需要係数が何であれ安い方が数量は上がる。

次に売り上げである。
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なんとこの条件では、需要係数をどこを取っても正札を下げた方が売り上げが上がるという結果になってしまった。ちなみに -1.0 より絶対値が少し小さいところでこの関係は逆転する。

では税収はこんな感じだ。
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これは売り上げに依存するので、売り上げが大きければ税収も上がる。

では販売店の利益はというと、
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これが結構微妙なのだ。需要係数が小さい場合は正札と正の関係になるし、大きければ負の関係になる。その間だとどこかで最大値になるというわけだ。
当然販売する方は利益最大化を目指すので(実際には前述の固定費の関係があるのでそこが目標にならない場合もある)、需要係数によっては税収と相反する関係になっても不思議ではない。

結局販売する側は自分の商品に対する需要係数などは把握していると思うので、消費税増税に合わせてそれに見合った(利益最大化を目指した)正札設定を行うことになるだろう。それは普通に考えれば 3月以前の値より確実に下がる。

消費者物価指数は消費税を含むとしているので消費者物価指数は確実に上がるが、正札だけの比較で云うならば、むしろ価格は下がる方向かも知れない。
だいたい政府がインフレターゲットを定めて政府が消費税を上げて目標達成だとしたら、バカもいいところだろう。

さすがにそういうことは言わないと信じたい。