一時は「タイトル de 妄想」なる書庫を作ろうと思ったのだがそのままになってしまって、妄想も時々ということで。
まずは昨日の記事ですが、
「何が何でもアナログではない。アナログ回路へのデジタル技術の活用が必要に」、東芝の板倉氏が指摘
http://techon.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20131031/312821/?ST=analog
記事の中にあるように、「「アナログ・グルとの集い」(主催:日経エレクトロニクス)と題したアナログ技術関連の講演会」の中での講演の一つとのことだ。
要旨としては、アナログ技術は大事だと良いながらもデジタル技術を活用することで性能の向上を目指す、といったことのようだ。講演でどんな具体例が挙がったかは書いていないが、「デジタル・アシスト技術=デジタル領域で、アナログ回路の誤差や歪みを補正することで、アナログ特性の向上を図る」といったことらしい。
低レベルの話で考えると、オペアンプなどのアナログ回路はどうやったって DC オフセットだのゲイン誤差などを持つ。温度特性などの影響も無視できない用途もあるだろう。それらを補正するのに信号を一旦 AD コンバータで取り込んで、プログラム(ファームウェア)上であらかじめ取得していた誤差との比較することで正しい値に補正するといったことになる。
これは云われるまでもなくすでに行われていることだろう。デジタル処理でのビット制限、サンプリング周波数による制限などがクリアできれば応用範囲は広い、というより必然だろう。実際自分が扱っていた光ディスクドライブでもオフセット補正、ゲイン補正は行っていた。
ただここで重要なのはアナログ回路で頑張る範囲とデジタルで補正を行う領域の割り付けを間違えないことだ。設計リーダはコストをにらみながらも顧客満足度を高めるためにはどういうバランスがよいかを判断しなくてはいけないが、そこが腕の見せ所だろう。アナログ回路設計担当者もデジタルでどこまで出来るか考えながら回路の仕様を決めていけば効率の良いシステムができるので、そういった知見がある方が良い。
とまあここまではありがちな話をしているに過ぎないが、もう少し妄想を膨らませてみる。
オフセットやゲイン誤差の他に非直線歪みなどは補正できるか、ということも考えてみる。
たとえば一般的なダイオードは、電圧電流特性が指数関数的である。クリッパとして利用してもスパッと切れるモノではない。電流と電圧を逆に見ると対数的な特性になるのだが、こちらの特性を利用して信号処理を行うと小信号も SN 比が良く解像度が高く取れるし、大振幅が来てもクリップしないのでダイナミックレンジが稼ぎやすい、という利点がある。
こうやって圧縮処理されたアナログ信号を AD コンバータで変換した後、指数関数演算で伸張するという方法だ。
要はシグナルコンプレッサとエキスパンダの関係みたいなものだ。dbx というのがテープ録音再生で使われていたと思う。
これに周波数をからめて媒体での信号劣化を改善したのがなつかしのアドレスってやつだ。
で、この過去に使われていた圧縮伸張処理は音声を扱っていたこともあってマクロ的な音量に従って、マクロ的にゲインをコントロールしていた。おそらくアナログ回路でミクロ的(波形の一点一点を圧縮伸張)に処理したら歪みが増えるのだろう。
だが、これをデジアナ混在処理で行ったならアナログ回路でわざと生じさせた非線形波形をデジタルでかなりの精度で復元できるような気がする。小信号での解像度が上がるので、AD コンバートのビット数も少なくて良い。デジタル処理の中でビット数が増えることになるが、記事にもあるようにデジタル回路の規模はちょっとやそっと増やしたぐらいでは問題はないだろう。AD コンバータのビット数を増やすのは処理速度、精度の点でかなり大変だと思う。
ちょっと前にデジタル信号処理の解説を書いていた時、デジタル処理でのビット意味が対数的だったら良いのになどと思ったが、今はデジタル信号処理のビット数はあまり気にしないで良いのなら、問題は AD コンバータのビット数だけである。そういう意味でもこんな処理方法は何かの解決策になるかも知れない。
ろくに現状を調べないで書いているのですでにやっている話である可能性は非常に高い。その時は「どんだけ情弱者!」と笑ってやって下さい。
まずは昨日の記事ですが、
「何が何でもアナログではない。アナログ回路へのデジタル技術の活用が必要に」、東芝の板倉氏が指摘
http://techon.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20131031/312821/?ST=analog
記事の中にあるように、「「アナログ・グルとの集い」(主催:日経エレクトロニクス)と題したアナログ技術関連の講演会」の中での講演の一つとのことだ。
要旨としては、アナログ技術は大事だと良いながらもデジタル技術を活用することで性能の向上を目指す、といったことのようだ。講演でどんな具体例が挙がったかは書いていないが、「デジタル・アシスト技術=デジタル領域で、アナログ回路の誤差や歪みを補正することで、アナログ特性の向上を図る」といったことらしい。
低レベルの話で考えると、オペアンプなどのアナログ回路はどうやったって DC オフセットだのゲイン誤差などを持つ。温度特性などの影響も無視できない用途もあるだろう。それらを補正するのに信号を一旦 AD コンバータで取り込んで、プログラム(ファームウェア)上であらかじめ取得していた誤差との比較することで正しい値に補正するといったことになる。
これは云われるまでもなくすでに行われていることだろう。デジタル処理でのビット制限、サンプリング周波数による制限などがクリアできれば応用範囲は広い、というより必然だろう。実際自分が扱っていた光ディスクドライブでもオフセット補正、ゲイン補正は行っていた。
ただここで重要なのはアナログ回路で頑張る範囲とデジタルで補正を行う領域の割り付けを間違えないことだ。設計リーダはコストをにらみながらも顧客満足度を高めるためにはどういうバランスがよいかを判断しなくてはいけないが、そこが腕の見せ所だろう。アナログ回路設計担当者もデジタルでどこまで出来るか考えながら回路の仕様を決めていけば効率の良いシステムができるので、そういった知見がある方が良い。
とまあここまではありがちな話をしているに過ぎないが、もう少し妄想を膨らませてみる。
オフセットやゲイン誤差の他に非直線歪みなどは補正できるか、ということも考えてみる。
たとえば一般的なダイオードは、電圧電流特性が指数関数的である。クリッパとして利用してもスパッと切れるモノではない。電流と電圧を逆に見ると対数的な特性になるのだが、こちらの特性を利用して信号処理を行うと小信号も SN 比が良く解像度が高く取れるし、大振幅が来てもクリップしないのでダイナミックレンジが稼ぎやすい、という利点がある。
こうやって圧縮処理されたアナログ信号を AD コンバータで変換した後、指数関数演算で伸張するという方法だ。
要はシグナルコンプレッサとエキスパンダの関係みたいなものだ。dbx というのがテープ録音再生で使われていたと思う。
これに周波数をからめて媒体での信号劣化を改善したのがなつかしのアドレスってやつだ。
で、この過去に使われていた圧縮伸張処理は音声を扱っていたこともあってマクロ的な音量に従って、マクロ的にゲインをコントロールしていた。おそらくアナログ回路でミクロ的(波形の一点一点を圧縮伸張)に処理したら歪みが増えるのだろう。
だが、これをデジアナ混在処理で行ったならアナログ回路でわざと生じさせた非線形波形をデジタルでかなりの精度で復元できるような気がする。小信号での解像度が上がるので、AD コンバートのビット数も少なくて良い。デジタル処理の中でビット数が増えることになるが、記事にもあるようにデジタル回路の規模はちょっとやそっと増やしたぐらいでは問題はないだろう。AD コンバータのビット数を増やすのは処理速度、精度の点でかなり大変だと思う。
ちょっと前にデジタル信号処理の解説を書いていた時、デジタル処理でのビット意味が対数的だったら良いのになどと思ったが、今はデジタル信号処理のビット数はあまり気にしないで良いのなら、問題は AD コンバータのビット数だけである。そういう意味でもこんな処理方法は何かの解決策になるかも知れない。
ろくに現状を調べないで書いているのですでにやっている話である可能性は非常に高い。その時は「どんだけ情弱者!」と笑ってやって下さい。