※記事中程の「拡大図」が抜けていました。
前回評価ボード相当のテスト回路をとりあえず実行して様子を見ました。
まとめると、
入力電圧:12V
出力電圧:2.5V
出力電流:6.2A
発振周波数:570KHz
効率:93.4%
マニュアルには色々と式が書いてあって、周辺部品によって設定することが出来ます。まずは出力電圧を変更してみます。
マニュアルでの出力電圧設定式は、

となっています。要するに出力電圧を分圧して FB 端子に与えるのですが、IC としてはこの電圧が 0.6V になるようにパルスを制御しています。0.6V というのは内部レファレンス電圧なのでこれは変わりません。精度はというと、全温度範囲で 0.6V ± 0.01V なのでまあそんなもんか、というところです。従ってこのテスト回路では、R1 = 9.53K、R2 = 30.1K ということで約 2.5V が出力電圧として設定されているわけです。
では手始めにこの出力電圧を変えてみます。2.5V、3.3V、5V と振ってみます。
折角抵抗の値が決まっているのでどちらかだけを変化させて見ることにします。
さくっと計算したところ、R1 を固定しておいて R2 を変化させる場合は 3.3V に対しては 42.9K、5V に対しては 70K でよいことが分かりました。
そこで R2 の 30.1K を右クリックして、値のところ {R2} と書きます。
そして丈夫アイコンの [.OP]のボタンを押します。出てきたウィンドゥの下の欄に .step param R2 list 30.1K 42.9K 70K と書き込みます。(先頭に . ドットが入っています)
それで OK を押すのですがあわてず騒がずマウスポインタを回路図上に持って行きましょう。それで回路図のどこかのスペースをクリックすると書き込んだコマンドが有効になります。
で、これで実行すればいいのですが前回見たように約 2.15ms 後に安定して、2.2ms までしか表示していないので見づらいです。そこでアプリ上部の [Simulate] - {Edit Simulation Cmd} をクリックすると、シミュレーション条件が出てきます。
回路の安定が 2.15ms 以降ですからそれ以降を 1ms ぐらい見られればいいか、ということで、{Stop Time} を 3.5ms、[Time to Start Saving Data] を 2.5ms としておきましょう。これで立ち上がり波形を見ないで済みます。
またそのままだと負荷が重くなりすぎるので、Rload を 1.0Ωに変更しておきます。
シミュレーション結果は以下のようになりました。

上から、出力電圧、スイッチング出力、リファレンス電圧、入力電源での消費電力、負荷抵抗での消費電力です。
緑が 2.5V、青が 3.3V、赤が 5V です。
拡大してみます。
3 種類いっぺんにやってしまったので見づらいということで、一つ一つ表示するためには波形ウィンドゥを右クリックして {Select Step] を選択して表示したい条件のみを選択します。
出力電圧はどうでしょうか。なお .step param で実行した場合は [Ctrl} + クリックは使えませんのでご注意下さい。
仕方がないのでマーカーでだいたいのところを見てみます。
やり方は省略しますがだいたい良さそうです。
発振周波数を調べてみます。
こちらは比較的簡単で、全条件を表示しておいて V(n002) の波形の上を右クリックして [View] - {FFT} として V(n002) が選択しているのを確認したら、OK します。
こうなりました。

出力電圧と色の関係は前と同じです。
周波数は 2.5V の時は 550KHz、3.3V の時は 750KHz、5V の時は 1.1MHz となりました。
効率についてはこうなりました。消費電力は平均値で見なくてはいけませんので {Ctrl} + クリックをするしかなく、.step は使えませんのでやり直しです。
入力電源 負荷 効率
2.5V 6.76W 6.23W 92.1%
3.3V 11.7W 10.9W 93.2%
5.0V 26.6W 25.0W 94.0%
いずれもイイ感じですね。出力電圧が高い方が効率は良いようです。なぜでしょう?電圧降下させる量が少ない方がロスが少ないのでしょうか。シリーズレギュレータならそうなんですけど果たして。先ほど出力電圧が変わると発振周波数が変わっていることを確認しています。もしかしたら発振周波数が高い方が有利なのでしょうか。いやいや、前回 2.5V を評価したときはもっと出力電流を上げていました。出力電流が大きい方が効率がいいのでしょうか。
マニュアルにも色々グラフが書かれていますが、次回はこの辺りを確認してみようと思います。
前回評価ボード相当のテスト回路をとりあえず実行して様子を見ました。
まとめると、
入力電圧:12V
出力電圧:2.5V
出力電流:6.2A
発振周波数:570KHz
効率:93.4%
マニュアルには色々と式が書いてあって、周辺部品によって設定することが出来ます。まずは出力電圧を変更してみます。
マニュアルでの出力電圧設定式は、

となっています。要するに出力電圧を分圧して FB 端子に与えるのですが、IC としてはこの電圧が 0.6V になるようにパルスを制御しています。0.6V というのは内部レファレンス電圧なのでこれは変わりません。精度はというと、全温度範囲で 0.6V ± 0.01V なのでまあそんなもんか、というところです。従ってこのテスト回路では、R1 = 9.53K、R2 = 30.1K ということで約 2.5V が出力電圧として設定されているわけです。
では手始めにこの出力電圧を変えてみます。2.5V、3.3V、5V と振ってみます。
折角抵抗の値が決まっているのでどちらかだけを変化させて見ることにします。
さくっと計算したところ、R1 を固定しておいて R2 を変化させる場合は 3.3V に対しては 42.9K、5V に対しては 70K でよいことが分かりました。
そこで R2 の 30.1K を右クリックして、値のところ {R2} と書きます。
そして丈夫アイコンの [.OP]のボタンを押します。出てきたウィンドゥの下の欄に .step param R2 list 30.1K 42.9K 70K と書き込みます。(先頭に . ドットが入っています)
それで OK を押すのですがあわてず騒がずマウスポインタを回路図上に持って行きましょう。それで回路図のどこかのスペースをクリックすると書き込んだコマンドが有効になります。
で、これで実行すればいいのですが前回見たように約 2.15ms 後に安定して、2.2ms までしか表示していないので見づらいです。そこでアプリ上部の [Simulate] - {Edit Simulation Cmd} をクリックすると、シミュレーション条件が出てきます。
回路の安定が 2.15ms 以降ですからそれ以降を 1ms ぐらい見られればいいか、ということで、{Stop Time} を 3.5ms、[Time to Start Saving Data] を 2.5ms としておきましょう。これで立ち上がり波形を見ないで済みます。
またそのままだと負荷が重くなりすぎるので、Rload を 1.0Ωに変更しておきます。
シミュレーション結果は以下のようになりました。

上から、出力電圧、スイッチング出力、リファレンス電圧、入力電源での消費電力、負荷抵抗での消費電力です。
緑が 2.5V、青が 3.3V、赤が 5V です。
拡大してみます。

出力電圧はどうでしょうか。なお .step param で実行した場合は [Ctrl} + クリックは使えませんのでご注意下さい。
仕方がないのでマーカーでだいたいのところを見てみます。
やり方は省略しますがだいたい良さそうです。
発振周波数を調べてみます。
こちらは比較的簡単で、全条件を表示しておいて V(n002) の波形の上を右クリックして [View] - {FFT} として V(n002) が選択しているのを確認したら、OK します。
こうなりました。

出力電圧と色の関係は前と同じです。
周波数は 2.5V の時は 550KHz、3.3V の時は 750KHz、5V の時は 1.1MHz となりました。
効率についてはこうなりました。消費電力は平均値で見なくてはいけませんので {Ctrl} + クリックをするしかなく、.step は使えませんのでやり直しです。
入力電源 負荷 効率
2.5V 6.76W 6.23W 92.1%
3.3V 11.7W 10.9W 93.2%
5.0V 26.6W 25.0W 94.0%
いずれもイイ感じですね。出力電圧が高い方が効率は良いようです。なぜでしょう?電圧降下させる量が少ない方がロスが少ないのでしょうか。シリーズレギュレータならそうなんですけど果たして。先ほど出力電圧が変わると発振周波数が変わっていることを確認しています。もしかしたら発振周波数が高い方が有利なのでしょうか。いやいや、前回 2.5V を評価したときはもっと出力電流を上げていました。出力電流が大きい方が効率がいいのでしょうか。
マニュアルにも色々グラフが書かれていますが、次回はこの辺りを確認してみようと思います。