ちゃぶ台返ししているようなタイトルですが、そもそも本当にサンプリング周波数の半分のナイキスト周波数まで再生できるのか、ということを確認してみたいと思います。低い周波数なら簡単に理解できますが、ナイキスト周波数の手前ぎりぎりだとサンプリングに引っかからず十分な情報が得られないような気がしませんか?
自分もその辺りはなかなか納得できていません。数式や定理はともかく。
M くん:「やっぱり連続的に信号を扱うことのできるアナログ信号処理の方が精度が優れているのですね」
W 助手:「だ~か~ら...」
今回はその辺りを確認してみようと思います。
前回はサンプリング後の信号を適当なフィルタでナイキスト周波数より高い周波数を除去することでそれらしい波形を得てみましたが、もう少しましなフィルタを作ってみましたので、これでやってみます。
フィルタはこんな特性です。

1KHz ~ 10KHz の間を拡大してみました。まあ、5KHz の直前までだいたいフラットで 6KHz ぐらいでは -19dB 程度の減衰量です。
シミュレーションブロックはこんな感じです。
すごい回路ですが、それぞれのブロックは二次のフィルタになっており四つで一組の特性にしてあります。それを三段重ねで減衰量を確保しています。一組の構成は少しずつカットオフ周波数とピーク量を調整して、一組としてはフラットなゲイン特性と出来るだけ急峻な減衰特性なるように手作業で調整しました。おそらく既存のオーディオ用のフィルタを使えばもっと良かったのかも知れませんが、伝達関数が発見できなかったので、こんな感じで妥協しました。
ではこのブロックに 3.5KHz を入力して波形を見てみましょう。
波形はこうなりました。
拡大です。
V(n015) が最終出力です。V(n002) がサンプリング直後ですが、想像されるとおりサンプリング周波数の 1 / 3 強の周波数なので、サンプリングがまばらなため、波形がふらふらしています。
V(n002) を FFT でみるとこうなっています。
3.5KHz の他に折り返しの 6.5KHz とそれ以上の周波数スペクトラムがたくさんあります。
もう一度波形を見て下さい。フィルタ後の V(n015) は、波形がふらふらが小さくだいたい正弦波と云って良さそうな波形です。FFT でみるとこうなっています。
10KHz 以上まで存在していたスペクトラムはほぼ消えており、ナイキスト周波数を挟んで存在している 折り返し周波数の 6.5KHz が減衰して残っています。
理由は分かりませんが、3.5KHz のスペクトラムは元の信号に比べて若干下がっています。サンプリング直後でも同様に下がっているのでサンプリングそのものの問題かも知れません。それだとナイキスト周波数直前まで完全にフラットとはいえないですが、誤差の範囲とも言えそうです。
V(n002) のエンベロープがふらふらしている理由は前にも触れたように、6.5KHz とのビートが現れたと云っていいでしょう。これを LPF で除去できればエンベロープの変動は小さくなります、というのが今回の結果で説明出来ると思います。
ということで、最初のナイキスト周波数の近くでサンプリング直後の波形は、元の信号から情報が欠落しているように見えるのは、実は折り返し周波数の影響でそう見えていたということが感覚的に分かると思います。従って LPF の特性は重要です。
自分もその辺りはなかなか納得できていません。数式や定理はともかく。
M くん:「やっぱり連続的に信号を扱うことのできるアナログ信号処理の方が精度が優れているのですね」
W 助手:「だ~か~ら...」
今回はその辺りを確認してみようと思います。
前回はサンプリング後の信号を適当なフィルタでナイキスト周波数より高い周波数を除去することでそれらしい波形を得てみましたが、もう少しましなフィルタを作ってみましたので、これでやってみます。
フィルタはこんな特性です。

1KHz ~ 10KHz の間を拡大してみました。まあ、5KHz の直前までだいたいフラットで 6KHz ぐらいでは -19dB 程度の減衰量です。


ではこのブロックに 3.5KHz を入力して波形を見てみましょう。
波形はこうなりました。


V(n002) を FFT でみるとこうなっています。

もう一度波形を見て下さい。フィルタ後の V(n015) は、波形がふらふらが小さくだいたい正弦波と云って良さそうな波形です。FFT でみるとこうなっています。

理由は分かりませんが、3.5KHz のスペクトラムは元の信号に比べて若干下がっています。サンプリング直後でも同様に下がっているのでサンプリングそのものの問題かも知れません。それだとナイキスト周波数直前まで完全にフラットとはいえないですが、誤差の範囲とも言えそうです。
V(n002) のエンベロープがふらふらしている理由は前にも触れたように、6.5KHz とのビートが現れたと云っていいでしょう。これを LPF で除去できればエンベロープの変動は小さくなります、というのが今回の結果で説明出来ると思います。
ということで、最初のナイキスト周波数の近くでサンプリング直後の波形は、元の信号から情報が欠落しているように見えるのは、実は折り返し周波数の影響でそう見えていたということが感覚的に分かると思います。従って LPF の特性は重要です。