最初の方針では、ESR が適当にあるコンデンサを使って性能評価するとしましたが、前回の最後の方でまずは回路構成上のバグ出しを行うために理想コンデンサを使うと変更しました。
LTspice:「コンパレータ、FET、ダイオードはリアルのモデルなわけ?」
画蔵:「ちょっと苦しいが、回路を考える段階でそれらを理想として構成したので、シミュレーション段階ではリアルでよい、ということ。だけど細かい動作確認は受動部品に足を引っ張られたくないので、今回はこうする」
回路図を再掲します。
パラメータを迷いましたが、C1 は 10uF、C2 は 1000pF、負荷ですが 100Ω だと電流ゼロの期間が発生するぎりぎりなので、応答特性などを取った場合、動作領域が変わってしまう恐れがあるので 50Ω にしました。

まずは、V1 にステップ入力を入れた場合の出力電圧の応答です。

電圧が印加されてすぐに突入電流が流れてしまっています。実際に安定動くのは 250usec 後ぐらいでしょうか。
12V 自体もどこからか供給されてくるので、このようなステップ応答を考える必要がないかも知れませんが、それなりのスタータ回路は必要でしょう。
次は V1 に対する出力電圧の周波数応答です。

V(n003) が出力電圧ですが、入力電圧の周波数成分を 100Hz 以下なら -110dB 以下、1KHz で -100dB、10KHz で -80dB に押さえ込んでいます。私自身は電源設計~評価の経験がないのでこの水準がどんなものかは分かりませんが。
たとえば、12V の入力電圧が AC 100V、50Hz の交流電圧をトランスで減圧してブリッジダイオードで整流し、適当なコンデンサで平滑したものとして、100Hz 1V p-p のリップルが残留していたとすると 10万分の一以下になりますので、0.01mV p-p が出力電圧に残留することになります。制御周波数によるリップルの方がよっぽど大きいですね。
次は V2 に対する出力電圧の周波数応答です。

参照電圧を振った時の応答と云うことですが、実際にはこういう使い方はないと思います。しかしフィードバック系の安定性を評価する場合はこのやり方でいいと思います。
基準利得(この場合は 19dB)に対する -3dB の帯域は 20KHz ぐらいとなりました。こんなもんかな~。
少なくとも周波数特性にピークは持っていないのでフィードバック系としては安定と云えそうです。
次は V1 に対する DC 特性です。ただし、LTspice の DC 特性シミュレーションは上手く動かなかったので(多分スイッチング系だから)、ゆっくり入力電圧を立ち上げた過渡応答で代用しました。

ちゃんと入力電圧が 9V のところから動作していますね。その辺りを拡大してみたのですが、電流ゼロ期間は発生していませんでした。
また、入力電圧を 20V のところまで振ってみましたが、その辺りでも電流ゼロ期間は発生していませんでした。
問題は最初の電流のリンギングですね。やはりスタータ回路が必要なようです。
入力電圧に対する効率も測定してみました。これはその都度パラメータを振ったので波形はなくグラフです。

効率はなかなか良いですね。理想部品ばかりだからでしょうか。
入力電圧が上がってくると、制御周波数が上がり逆に効率が落ちます。スイッチングの瞬間にどうしても余計な電流が流れたりするのですが、それが比率的に顕在化してくるものと思われます。そういう意味ではちゃんと固定周波数で行う一般的なタイプの方が管理できるのだと思います。
負荷変動に対する応答は回路に手を加えなくてはいけないので、次の機会にします。
LTspice:「コンパレータ、FET、ダイオードはリアルのモデルなわけ?」
画蔵:「ちょっと苦しいが、回路を考える段階でそれらを理想として構成したので、シミュレーション段階ではリアルでよい、ということ。だけど細かい動作確認は受動部品に足を引っ張られたくないので、今回はこうする」
回路図を再掲します。
パラメータを迷いましたが、C1 は 10uF、C2 は 1000pF、負荷ですが 100Ω だと電流ゼロの期間が発生するぎりぎりなので、応答特性などを取った場合、動作領域が変わってしまう恐れがあるので 50Ω にしました。

まずは、V1 にステップ入力を入れた場合の出力電圧の応答です。

電圧が印加されてすぐに突入電流が流れてしまっています。実際に安定動くのは 250usec 後ぐらいでしょうか。
12V 自体もどこからか供給されてくるので、このようなステップ応答を考える必要がないかも知れませんが、それなりのスタータ回路は必要でしょう。
次は V1 に対する出力電圧の周波数応答です。

V(n003) が出力電圧ですが、入力電圧の周波数成分を 100Hz 以下なら -110dB 以下、1KHz で -100dB、10KHz で -80dB に押さえ込んでいます。私自身は電源設計~評価の経験がないのでこの水準がどんなものかは分かりませんが。
たとえば、12V の入力電圧が AC 100V、50Hz の交流電圧をトランスで減圧してブリッジダイオードで整流し、適当なコンデンサで平滑したものとして、100Hz 1V p-p のリップルが残留していたとすると 10万分の一以下になりますので、0.01mV p-p が出力電圧に残留することになります。制御周波数によるリップルの方がよっぽど大きいですね。
次は V2 に対する出力電圧の周波数応答です。

参照電圧を振った時の応答と云うことですが、実際にはこういう使い方はないと思います。しかしフィードバック系の安定性を評価する場合はこのやり方でいいと思います。
基準利得(この場合は 19dB)に対する -3dB の帯域は 20KHz ぐらいとなりました。こんなもんかな~。
少なくとも周波数特性にピークは持っていないのでフィードバック系としては安定と云えそうです。
次は V1 に対する DC 特性です。ただし、LTspice の DC 特性シミュレーションは上手く動かなかったので(多分スイッチング系だから)、ゆっくり入力電圧を立ち上げた過渡応答で代用しました。

ちゃんと入力電圧が 9V のところから動作していますね。その辺りを拡大してみたのですが、電流ゼロ期間は発生していませんでした。
また、入力電圧を 20V のところまで振ってみましたが、その辺りでも電流ゼロ期間は発生していませんでした。
問題は最初の電流のリンギングですね。やはりスタータ回路が必要なようです。
入力電圧に対する効率も測定してみました。これはその都度パラメータを振ったので波形はなくグラフです。

効率はなかなか良いですね。理想部品ばかりだからでしょうか。
入力電圧が上がってくると、制御周波数が上がり逆に効率が落ちます。スイッチングの瞬間にどうしても余計な電流が流れたりするのですが、それが比率的に顕在化してくるものと思われます。そういう意味ではちゃんと固定周波数で行う一般的なタイプの方が管理できるのだと思います。
負荷変動に対する応答は回路に手を加えなくてはいけないので、次の機会にします。