前回、ちょっとした工夫で大分改善されたような感じでいい気になっている自分ですが、本当に使えるのか色々評価してみようと思います。本当は一般的な発振器を使った DC - DC コンバータ の方に移ろうと思っていたのですが。
さて、ネットを色々調べてみると気になるのが出力コンデンサのようです。前回までは理想コンデンサですが、実際は ESR(コンデンサにつながっている直列抵抗のようです)などがあって、思ったように動作してくれないようです。
他にもフィードバック系であるがゆえに安定性やノイズ、応答性などが挙げられています。実装なども当然のように。
ということで評価項目をシミュレーションで出来る範囲でやってみることにします。
・ESR のある程度あるコンデンサを使ってみる。→ リアルデータがあるものにします。以下このコンデンサを用いて行います。
・電源の立ち上がり特性 → 入力電圧が立ち上がってからの応答。
・出力電流範囲 → 軽負荷、重負荷で見てみます。
・入力電圧変動に対する抑圧度 → 周波数領域と DC 特性の両方を見てみます。
・参照電圧に対する応答 → これでループの安定性が分かります。
・負荷変動に対する応答 → 前項とほぼ同じと想像していますが、果たして。
では出力コンデンサをリアルに近いものに変えてみます。
Spice パラメータとして、ニチコンのアルミ電解のものがありましたのでやってみます。ESR = 2.8Ω です。
結果はというと、

驚くことなかれ、制御周波数が 650KHz になってしまいました。
どうやら理由は簡単で、理想コンデンサではないので出力電圧の変化が大きくなり、結果としてリップルは増えて周波数が上がってしまったようです。実際 V(n003)) でのリップル電圧は 95mVp-p あります。周波数が上がったおかげで、軽負荷に対するマージンも増えたようです。これは I(L) の最小電流を見れば分かります。
これでは作戦変更です。前回追加した C2 の効果があまり見えません。
理想コンデンサとリアル電解コンデンサで出力電圧波形がこれだけちがうのですから、まずはノイズ評価を行って場合に因っては小容量のコンデンサでデカップリングするなどしてから進めることにします。
まずは FFT で ESR が 0、2.8Ω でどのような違いがあるか調べておきます。

ない方がノイズレベルは小さいです。で、現実には ESR はあるわけですからデカップリングするなどして対策をしないといけないようです。
そこで 2.2uF の ESR の小さいコンデンサを並列に入れてみます。使ったのは TDK のものでおそらくセラミックタイプです。ESR = 0.002Ωです。
結果は以下のようです。

周波数は大分下がってノイズレベルも理想コンデンサには及ばないものの、大分改善されました。
ここから先はお値段との関係です。ちょっとやってみたところ 10uF のセラミックタイプと思われるもので ESR = 0.001 を使えばかなり良くなります。
LTspice:「で、どうするんだ?」
画蔵:「いや、現実的な部品を考えない技術評価もどうかと思うが、現実的すぎて本質を見失うのもよろしくない」
LTspice:「大きく出たな」
画蔵:「今回、最初から ESR のある部品でシミュレーションしていたら、制御周波数も適当に上がって軽負荷でもそこそこ動作したと思われる(一応確認済み)。だがそれだと C2 を入れるという発想にたどり着かない。で、現実に作ってみるとノイズが多いので小容量のセラコンを入れまくることになり、制御周波数が下がって軽負荷に弱くなってどうしよう、という結果になったと思う」
LTspice:「なるほど」
画蔵:「だから、現実に ESR があるとしても別の部品をつかったり、工夫をすれば制御周波数が上がりすぎず理想型に近づけるので、元の理想コンデンサに戻して色々な特性を評価してみることにする」
LTspice:「結局オレが頼りね。www」
さて、ネットを色々調べてみると気になるのが出力コンデンサのようです。前回までは理想コンデンサですが、実際は ESR(コンデンサにつながっている直列抵抗のようです)などがあって、思ったように動作してくれないようです。
他にもフィードバック系であるがゆえに安定性やノイズ、応答性などが挙げられています。実装なども当然のように。
ということで評価項目をシミュレーションで出来る範囲でやってみることにします。
・ESR のある程度あるコンデンサを使ってみる。→ リアルデータがあるものにします。以下このコンデンサを用いて行います。
・電源の立ち上がり特性 → 入力電圧が立ち上がってからの応答。
・出力電流範囲 → 軽負荷、重負荷で見てみます。
・入力電圧変動に対する抑圧度 → 周波数領域と DC 特性の両方を見てみます。
・参照電圧に対する応答 → これでループの安定性が分かります。
・負荷変動に対する応答 → 前項とほぼ同じと想像していますが、果たして。
では出力コンデンサをリアルに近いものに変えてみます。
Spice パラメータとして、ニチコンのアルミ電解のものがありましたのでやってみます。ESR = 2.8Ω です。
結果はというと、

驚くことなかれ、制御周波数が 650KHz になってしまいました。
どうやら理由は簡単で、理想コンデンサではないので出力電圧の変化が大きくなり、結果としてリップルは増えて周波数が上がってしまったようです。実際 V(n003)) でのリップル電圧は 95mVp-p あります。周波数が上がったおかげで、軽負荷に対するマージンも増えたようです。これは I(L) の最小電流を見れば分かります。
これでは作戦変更です。前回追加した C2 の効果があまり見えません。
理想コンデンサとリアル電解コンデンサで出力電圧波形がこれだけちがうのですから、まずはノイズ評価を行って場合に因っては小容量のコンデンサでデカップリングするなどしてから進めることにします。
まずは FFT で ESR が 0、2.8Ω でどのような違いがあるか調べておきます。

ない方がノイズレベルは小さいです。で、現実には ESR はあるわけですからデカップリングするなどして対策をしないといけないようです。
そこで 2.2uF の ESR の小さいコンデンサを並列に入れてみます。使ったのは TDK のものでおそらくセラミックタイプです。ESR = 0.002Ωです。
結果は以下のようです。

周波数は大分下がってノイズレベルも理想コンデンサには及ばないものの、大分改善されました。
ここから先はお値段との関係です。ちょっとやってみたところ 10uF のセラミックタイプと思われるもので ESR = 0.001 を使えばかなり良くなります。
LTspice:「で、どうするんだ?」
画蔵:「いや、現実的な部品を考えない技術評価もどうかと思うが、現実的すぎて本質を見失うのもよろしくない」
LTspice:「大きく出たな」
画蔵:「今回、最初から ESR のある部品でシミュレーションしていたら、制御周波数も適当に上がって軽負荷でもそこそこ動作したと思われる(一応確認済み)。だがそれだと C2 を入れるという発想にたどり着かない。で、現実に作ってみるとノイズが多いので小容量のセラコンを入れまくることになり、制御周波数が下がって軽負荷に弱くなってどうしよう、という結果になったと思う」
LTspice:「なるほど」
画蔵:「だから、現実に ESR があるとしても別の部品をつかったり、工夫をすれば制御周波数が上がりすぎず理想型に近づけるので、元の理想コンデンサに戻して色々な特性を評価してみることにする」
LTspice:「結局オレが頼りね。www」