前回、今解説している DC - DC コンバータでは軽負荷に対する対応が難しいということで今一つよろしくない、ということになりましたが、ちょっとした改善案を思いついたので紹介します。もっともどこかですでに使われているとは思いますが。
定電圧回路としての DC - DC コンバータの性能=リップルを満たそうとすると出力コンデンサの値を大きくしたくなります。だがそれだと軽負荷に弱くなる、発振周波数が低くなる、ということでした。で、出力電圧が一定であることをどうやって制御しているかというと実はリップルを見ているわけです。ですのでリップルの振幅が大きければ発振周波数が上がって軽負荷にも強くなるということなのですが、ならば出力電圧に含まれる高周波成分を増幅して(ここでは減衰させないで)ON / OFF コンパレータに加えて、基準電圧と比較させれば良いように思われます。
回路はこんな感じです。出力電圧を分割している R2 / R3 のところに C2 を入れて高域の減衰量を減らしてみました。

負荷を 20Ω にして、ない場合(実際には 0.1pF)と 1000pF で比較してみました。

1000pF の場合、制御周波数が 30KHz ぐらいに上がってコイルのところでの振動成分はなくなり、周波数が上がった分出力電圧のリップルも減っています。これなら C1 も減らせるかも知れません。
C2 を 1000pF にして、C1 を 10uF と 100uF でやってみました。

制御周波数は 94KHz ぐらいに上がりました。リップルの振幅はあまり変わりません。この辺りは痛し痒しですね。この出力電圧を各回路にばらまいた場合、その回路周辺でこの成分を除去する工夫が必要になると思います。
で、I(L1) を見ていただきたいのですが、コイルの最小電流が下がっています。よって負荷をもっと軽くしても良さそうです。
C1 = 10uF、C2 = 1000pF として負荷を 100Ω にしてみました。

イイ感じですね。
効率ですが、V1 のところでの消費電力が 840mW、負荷抵抗 R1 での消費電力が 800mW でしたので、95% と出来すぎな感じがします。
ちなみに、この状態で出力電圧のリップルは p-p で 22mV、C2 をなくすと 84mV ぐらいあります。今分かる範囲では望外な結果です。
落とし穴がないかどうかは、色々文献を調べてみます。
LTspice:「少しは頭が良くなったみたいだな」
画蔵:「(ドヤ顔)」
LTspice:「でもすでにどっかでやってんじゃね?」
画蔵:「あっても不思議ではない。でも少しマジな顔で云うと、自分で色々考えて自分ならこうするというのを積み重ねておくと、人の解説もよく分かるようになると思う。思い違いも気がつくし」
LTspice:「そんなこと云って、どうせ面倒くさがって調べないんだろうwww」
画蔵:「それについては反論しないwww」
少し付け加えると、今回の場合出力電圧を 9V に設定するために、それを 1 / 9にして 1V と比較する方法で制御を行っていたので、コンデンサの追加で高域成分の減衰を抑えて応答性をよくすることが出来ました。これが出力電圧を 6V にしようとすると、1 / 2 のアッテネータを使うので、コンデンサを入れても減衰量の抑制はそれほどでもありません。その場合は基準電圧 1V を下げるなどの方法が必要になると思います。一般式にするにはちょっと大変そうなのでやめておきます。
さらにいうとコンパレータの感度、オフセット、ヒステリシスなども影響するのである程度カットアンドトライになるのは避けられないような気がします。
LTspice:「やっぱ頭悪いな」
画蔵:「やかましい」
定電圧回路としての DC - DC コンバータの性能=リップルを満たそうとすると出力コンデンサの値を大きくしたくなります。だがそれだと軽負荷に弱くなる、発振周波数が低くなる、ということでした。で、出力電圧が一定であることをどうやって制御しているかというと実はリップルを見ているわけです。ですのでリップルの振幅が大きければ発振周波数が上がって軽負荷にも強くなるということなのですが、ならば出力電圧に含まれる高周波成分を増幅して(ここでは減衰させないで)ON / OFF コンパレータに加えて、基準電圧と比較させれば良いように思われます。
回路はこんな感じです。出力電圧を分割している R2 / R3 のところに C2 を入れて高域の減衰量を減らしてみました。

負荷を 20Ω にして、ない場合(実際には 0.1pF)と 1000pF で比較してみました。

1000pF の場合、制御周波数が 30KHz ぐらいに上がってコイルのところでの振動成分はなくなり、周波数が上がった分出力電圧のリップルも減っています。これなら C1 も減らせるかも知れません。
C2 を 1000pF にして、C1 を 10uF と 100uF でやってみました。

制御周波数は 94KHz ぐらいに上がりました。リップルの振幅はあまり変わりません。この辺りは痛し痒しですね。この出力電圧を各回路にばらまいた場合、その回路周辺でこの成分を除去する工夫が必要になると思います。
で、I(L1) を見ていただきたいのですが、コイルの最小電流が下がっています。よって負荷をもっと軽くしても良さそうです。
C1 = 10uF、C2 = 1000pF として負荷を 100Ω にしてみました。

イイ感じですね。
効率ですが、V1 のところでの消費電力が 840mW、負荷抵抗 R1 での消費電力が 800mW でしたので、95% と出来すぎな感じがします。
ちなみに、この状態で出力電圧のリップルは p-p で 22mV、C2 をなくすと 84mV ぐらいあります。今分かる範囲では望外な結果です。
落とし穴がないかどうかは、色々文献を調べてみます。
LTspice:「少しは頭が良くなったみたいだな」
画蔵:「(ドヤ顔)」
LTspice:「でもすでにどっかでやってんじゃね?」
画蔵:「あっても不思議ではない。でも少しマジな顔で云うと、自分で色々考えて自分ならこうするというのを積み重ねておくと、人の解説もよく分かるようになると思う。思い違いも気がつくし」
LTspice:「そんなこと云って、どうせ面倒くさがって調べないんだろうwww」
画蔵:「それについては反論しないwww」
少し付け加えると、今回の場合出力電圧を 9V に設定するために、それを 1 / 9にして 1V と比較する方法で制御を行っていたので、コンデンサの追加で高域成分の減衰を抑えて応答性をよくすることが出来ました。これが出力電圧を 6V にしようとすると、1 / 2 のアッテネータを使うので、コンデンサを入れても減衰量の抑制はそれほどでもありません。その場合は基準電圧 1V を下げるなどの方法が必要になると思います。一般式にするにはちょっと大変そうなのでやめておきます。
さらにいうとコンパレータの感度、オフセット、ヒステリシスなども影響するのである程度カットアンドトライになるのは避けられないような気がします。
LTspice:「やっぱ頭悪いな」
画蔵:「やかましい」