しめたつもりのこのお題ですが、taka さんから質問がありましたので補足をしておきます。
質問内容とやりとりはこちらをご覧下さい。
FET を使った定電流回路(コミュニティのお題)
http://blogs.yahoo.co.jp/susanoo2001_hero/8600156.html
早い話がちょっと手抜きをしたら、わかりにくい、というわけです。やっぱりそうか。(オイ!)
で、言葉で説明して理解していただいたわけですが、ピンと来ない方もいるといけないと云うことで基本的な図と動作説明をしておくことにしました。
回路図はこんな感じです。
各パーツはかなりいい加減に選んでいますので、この通り作ってちゃんと動くとは思わないで下さい。(だいたいは大丈夫だとは思いますが)

回路構成は差動増幅器の応用という感じで見てもらえればいいと思います。片電源で動きます。
こちらの記事も参考にして下さい。
非反転増幅器と差動増幅器
http://blogs.yahoo.co.jp/susanoo2001_hero/5083889.html
やさしく考えるアナログ回路:オペアンプ(例題)
http://blogs.yahoo.co.jp/susanoo2001_hero/5209895.html
電圧電流変換 → LED駆動回路
http://blogs.yahoo.co.jp/susanoo2001_hero/5354687.html
カソードコモンの PD の出力を電流電圧変換する
http://blogs.yahoo.co.jp/susanoo2001_hero/8409352.html
先ほどの回路ですが、入力で指定された電圧 V2 を R5 で割った電流が R5 - Q1 - LED(D1)に流れます。ここでは 1V を指定すると 100mA 流れます。この電流は常時流れているわけですが、Q2 が V3 で与えられたパルスに従って ON / OFF するため、ON の時には D1 には電流は流れず、Q2 の方に流れてしまいます。ですが、オペアンプも Q1 もそんなことを知らずに一定の電流を流し続ける、というわけです。当然 Q2 が ON の時は LED は光りません。そうやって V2 で指定された電圧を V3 で指定された期間(論理は逆で V3 がゼロの時)に LED は光ることが出来ます。
ということで電力の効率は悪いです。光っていないときは Q2 の方に電流が流れてしまうからです。
ここでは電源電圧 5V に対して、1V の入力を与えたならば、5 x 0.1 = 0.5W が R5, Q1, LED or Q2 で常時消費してしまいます。よってこの方法は低電圧、低電流に限られます。
この場合はお題のような広帯域のフィードバックループは必要としません。ですので比較的動作させやすいです。
また、IC は、あまり広帯域のものを選んではいけません。フィードバックループにトランジスタが入っていますので、ヘタに広帯域すると余計な部品が増えます。ただし電流指定電圧を変化させながらパルス発光したい場合は、V2 に対して追従できる帯域は必要です。さらに出来るだけ低い電圧で動かしたいと思うので、出力電圧が Rail to Rail 特性のものを選びます。
なお、R7, R8 は Rail to Rail 特性でない場合に電流ゼロを指定されたとき IC の出力電圧が上がり切らなくて Q1 を OFF に出来なくなることを防いでいます。LTC6241 は Rail to Rail 特性なので不要ですが、参考のために入れてあります。
Q1 の PNP トランジスタは常時指定電流が流れますので、それなりのものを準備します。
Q2 の NPN トランジスタはスイッチング用と云われるものを選びます。今回のがそれに相当するかは分かりません。また ON の時は Q1 から来た電流をすべて引き取るため、耐電流容量も大きくなくてはいけません。hfe も大きい方が良いでしょう。
シミュレーション結果は次のようです。指定電圧は 1V で 100mA を流しておいてスイッチングしています。
上から、V3=パルス、Q1 コレクタ電流、LED 電流、LED 電圧です。

電流波形としてはそれなりかな、という気がしますがどうでしょうか。多分スイッチングトランジスタ Q2 とその周辺回路で性能は決まると思います。トランジスタの代わりに FET を使っても良いかも知れません。
ちなみに I(D1) が OFF になるときにマイナス方向にかなりの電流が流れていますが、これは LED の接合容量の影響です。容量の小さいものを選ぶと時間は短くなります。この時実際の光はどうなっているかは、ちょっと分かりません。
前回までの検討回路は、LED をオープンすることで電流を OFF にしていましたが、おそらく接合容量のおかげで光としての応答は悪くなっているような気がします。
そういう意味ではこの形式の方が良いかも知れません。
「だけどやっぱり電力の無駄遣いじゃない?波形はよさげだけど」
「まあ、なんだ、オーディオアンプでいつも電力を消費している A 級アンプの方が音がイイと云うのと同じようなものだ」
「また怪しげなことを...」
質問内容とやりとりはこちらをご覧下さい。
FET を使った定電流回路(コミュニティのお題)
http://blogs.yahoo.co.jp/susanoo2001_hero/8600156.html
早い話がちょっと手抜きをしたら、わかりにくい、というわけです。やっぱりそうか。(オイ!)
で、言葉で説明して理解していただいたわけですが、ピンと来ない方もいるといけないと云うことで基本的な図と動作説明をしておくことにしました。
回路図はこんな感じです。
各パーツはかなりいい加減に選んでいますので、この通り作ってちゃんと動くとは思わないで下さい。(だいたいは大丈夫だとは思いますが)

回路構成は差動増幅器の応用という感じで見てもらえればいいと思います。片電源で動きます。
こちらの記事も参考にして下さい。
非反転増幅器と差動増幅器
http://blogs.yahoo.co.jp/susanoo2001_hero/5083889.html
やさしく考えるアナログ回路:オペアンプ(例題)
http://blogs.yahoo.co.jp/susanoo2001_hero/5209895.html
電圧電流変換 → LED駆動回路
http://blogs.yahoo.co.jp/susanoo2001_hero/5354687.html
カソードコモンの PD の出力を電流電圧変換する
http://blogs.yahoo.co.jp/susanoo2001_hero/8409352.html
先ほどの回路ですが、入力で指定された電圧 V2 を R5 で割った電流が R5 - Q1 - LED(D1)に流れます。ここでは 1V を指定すると 100mA 流れます。この電流は常時流れているわけですが、Q2 が V3 で与えられたパルスに従って ON / OFF するため、ON の時には D1 には電流は流れず、Q2 の方に流れてしまいます。ですが、オペアンプも Q1 もそんなことを知らずに一定の電流を流し続ける、というわけです。当然 Q2 が ON の時は LED は光りません。そうやって V2 で指定された電圧を V3 で指定された期間(論理は逆で V3 がゼロの時)に LED は光ることが出来ます。
ということで電力の効率は悪いです。光っていないときは Q2 の方に電流が流れてしまうからです。
ここでは電源電圧 5V に対して、1V の入力を与えたならば、5 x 0.1 = 0.5W が R5, Q1, LED or Q2 で常時消費してしまいます。よってこの方法は低電圧、低電流に限られます。
この場合はお題のような広帯域のフィードバックループは必要としません。ですので比較的動作させやすいです。
また、IC は、あまり広帯域のものを選んではいけません。フィードバックループにトランジスタが入っていますので、ヘタに広帯域すると余計な部品が増えます。ただし電流指定電圧を変化させながらパルス発光したい場合は、V2 に対して追従できる帯域は必要です。さらに出来るだけ低い電圧で動かしたいと思うので、出力電圧が Rail to Rail 特性のものを選びます。
なお、R7, R8 は Rail to Rail 特性でない場合に電流ゼロを指定されたとき IC の出力電圧が上がり切らなくて Q1 を OFF に出来なくなることを防いでいます。LTC6241 は Rail to Rail 特性なので不要ですが、参考のために入れてあります。
Q1 の PNP トランジスタは常時指定電流が流れますので、それなりのものを準備します。
Q2 の NPN トランジスタはスイッチング用と云われるものを選びます。今回のがそれに相当するかは分かりません。また ON の時は Q1 から来た電流をすべて引き取るため、耐電流容量も大きくなくてはいけません。hfe も大きい方が良いでしょう。
シミュレーション結果は次のようです。指定電圧は 1V で 100mA を流しておいてスイッチングしています。
上から、V3=パルス、Q1 コレクタ電流、LED 電流、LED 電圧です。

電流波形としてはそれなりかな、という気がしますがどうでしょうか。多分スイッチングトランジスタ Q2 とその周辺回路で性能は決まると思います。トランジスタの代わりに FET を使っても良いかも知れません。
ちなみに I(D1) が OFF になるときにマイナス方向にかなりの電流が流れていますが、これは LED の接合容量の影響です。容量の小さいものを選ぶと時間は短くなります。この時実際の光はどうなっているかは、ちょっと分かりません。
前回までの検討回路は、LED をオープンすることで電流を OFF にしていましたが、おそらく接合容量のおかげで光としての応答は悪くなっているような気がします。
そういう意味ではこの形式の方が良いかも知れません。
「だけどやっぱり電力の無駄遣いじゃない?波形はよさげだけど」
「まあ、なんだ、オーディオアンプでいつも電力を消費している A 級アンプの方が音がイイと云うのと同じようなものだ」
「また怪しげなことを...」