最後にトピ主の元々の回路をもう一度レビューしてみます。
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結構部品が多いですよね。で、誤解しないでいただきたいのですが、この回路の設計レベルを云々いうつもりはありません。一昔前のオペアンプの応用回路集などに載っていても不思議はない回路です。実際、当時のデバイスの性能、要求性能から考えるとよく工夫された回路だと思います。
ですので、これらの周辺部品の働きの意味を理解しておくことは大事だと思います。今はデバイスが良くなって気にしなくても良いかも知れませんが、ちょっと要求性能が上がって上手くいかなくなったら思い出す、という感じでしょう。

まず R1 ですが、値はともかく FET のゲートがオープンになったとき電位をゼロにバイアスするのが目的です。ですが、この場合はオペアンプの出力に 100Ωで接続されているので、まったく意味がありません。この値が R2 との関係で減衰機能を持たせるぐらい低ければ意味を持つかも知れませんが。
R2 の 100Ωはオペアンプの負荷電流を制限していると思います。FET ではなくてトランジスタならば意味があったかも知れません。FET だと入力容量の存在のためここでフィルタを構成してしまい、フィードバックループを不安定にさせる原因になります。
C2 の 470pF は上述によって生じる遅れを補償しようというものです。R2 が小さくなると意味がなくなります。FET の入力容量が小さければ不要です。あると害になるかも知れません。
C3 100pF と R4 2K は「オペアンプの出力」- R2C2 - FET - R5 - R3 を経て戻ってくるフィードバック信号に遅れがあるため、これを部分的に補償しようというものです。値の決め方は結構難しいです。R3 の影響も受けます。
R3 は、C3 と R4 による補償の効果を出しやすくするものです。
が、実はここに一つ落とし穴があります。

オペアンプの入力端には小容量のコンデンサがもれなくいます。だいたい数 pF です。従って R3 とこの容量のおかげでフィードバック信号に遅れが生じます。そのため不安定になります。そのためにも C3 が必要になったりします。どこが頭でどこがしっぽなのか分からない話ですね。
ちょっと確認してみます。

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ただのバッファですが、帰還抵抗(電流が流れないの理想的には何を入れても変わらない)を 0.1Ω, 10Ω, 100Ω, 1000Ω でやってみた結果です。コンデンサの影響恐るべし、です。

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これをみると R3 を取り除きたくなりますね。

繰り返しますが、昔の部品だったらフィードバックループの遅れが気になりますので、C3 は必須です。C3 の効果を出すには R3 が必要です。ですのでこういう回路設計になるのは止む得ません。
ですが、今回は部品に対する要求性能をよく把握して部品を探せば、簡単な回路構成でもまずますの性能が出ると云うことです。

これでこのお題についてはしめさせていただきます。
ご意見など是非お願いします。