前回、FET を取り替えたところでかなり快適な波形になったと云うことで完了、といきたいところですが、念のため元々の目的である、1A ~ 10A の範囲でもちゃんと動くかどうかを確認することにします。
ということで入力波形のパラメータ=電圧振幅を変化させて、電流波形を見てみることにします。
入力電圧/出力電流=0.1V / 1A, 0.2V / 2A, 0.5V / 5A, 1V / 10A です。

拡大図です。

いずれもなかなか快適ですね。ということで終了!
いや、ちょっとマテ。電流が小さい方はオーバーシュートが少ないのに、電流が大きい方は若干オーバーシュートが出ています。これはなぜ?
オーバーシュートが発生する理由は色々考えられますが、ここでは理解できそうな(私がです)範囲ではオペアンプの位相マージンに関係がありそうです。
前々回のトピックを思い出して下さい。
FET を使った定電流回路(コミュニティのお題)その2
http://blogs.yahoo.co.jp/susanoo2001_hero/8610150.html
ここでは FET のゲート電圧とドレイン電流との関係を調べていました。それでゲート電圧が低い場合=ドレイン電流が小さい場合とゲート電圧が高い=ドレイン電流が大きい場合とで、電流→電圧への変換利得が変わるという話がありました。つまり、電流が小さい場倍は変換利得が小さく=フィードバックゲインが小さい=帯域が狭い、電流が大きい場合は変換利得が大きく=フィードバックゲインが大きい、ということになります。フィードバックゲインが大きいとオペアンプにとっては帯域が上がりますが、位相マージンも減ります。ゆえに今回のような差がでるのではないか、と想像できます。このフィードバックゲインの変動はソース抵抗の影響があることは先ほどのトピックでも紹介しました。大きい方が変動は小さくなります。
ということで、本当かどうかはソース抵抗を大きくしてみて変化があるかどうかを確かめてみます。ソース抵抗を 0.2Ωにして入力電圧を 2倍にしてやってみます。

う~ん、微妙。全体的にオーバーシュートが増えるかな、と思ったのですがそうでもないですね。確かに電流の少ない方で少し増えて高い方で減ったというところでしょうか。まあ変動には強くなったと言えるかも知れません。
調子に乗って 0.5Ωしたらどうかなどとやると次のようなことになります。

波形のばらつきは小さくなりましたが、立ち上がりがゆっくりになってしまいました。これはこれで実用的には十分、という人もいるでしょうが今一つ面白くありません。
ゲート電圧も同時に見てみます。

当然のようにゲート電圧もゆっくりになっています。10A の時のスルーレートは 350V / us です。
え、と思って AD826 のスペックシートを見てみるとスルーレート:350V / us と書いてあります。orz
つまりソース抵抗を大きくするとそれだけ与えるべきゲート電圧も高くなるので、オペアンプはそんなに速く立ち上がれるかよ、といっているわけです。
ということで今度はこちらに制約があるというわけです。
もちろんこれらは FET とオペアンプの特性によって変わります。スルーレートがもっと大きいオペアンプを使えば解決しますし、FET のゲート電圧 vs ドレイン電流の関係の傾斜が高いものを使えば、小さい電位差で大きな電流変化が得られますから、オペアンプの負担も軽くなります。
前回は入力容量だけで FET を選んでしまいましたが、ソース抵抗を大きくしながら大電流を流そうと思ったら(抵抗での損失は大きくなります)、電圧電流変換利得の大きいものを選ぶ必要があるということです。
どんどん深みに入り込んで抜け出せなくなっているこのお題、どうしてくれよう...。
ということで入力波形のパラメータ=電圧振幅を変化させて、電流波形を見てみることにします。
入力電圧/出力電流=0.1V / 1A, 0.2V / 2A, 0.5V / 5A, 1V / 10A です。

拡大図です。

いずれもなかなか快適ですね。ということで終了!
いや、ちょっとマテ。電流が小さい方はオーバーシュートが少ないのに、電流が大きい方は若干オーバーシュートが出ています。これはなぜ?
オーバーシュートが発生する理由は色々考えられますが、ここでは理解できそうな(私がです)範囲ではオペアンプの位相マージンに関係がありそうです。
前々回のトピックを思い出して下さい。
FET を使った定電流回路(コミュニティのお題)その2
http://blogs.yahoo.co.jp/susanoo2001_hero/8610150.html
ここでは FET のゲート電圧とドレイン電流との関係を調べていました。それでゲート電圧が低い場合=ドレイン電流が小さい場合とゲート電圧が高い=ドレイン電流が大きい場合とで、電流→電圧への変換利得が変わるという話がありました。つまり、電流が小さい場倍は変換利得が小さく=フィードバックゲインが小さい=帯域が狭い、電流が大きい場合は変換利得が大きく=フィードバックゲインが大きい、ということになります。フィードバックゲインが大きいとオペアンプにとっては帯域が上がりますが、位相マージンも減ります。ゆえに今回のような差がでるのではないか、と想像できます。このフィードバックゲインの変動はソース抵抗の影響があることは先ほどのトピックでも紹介しました。大きい方が変動は小さくなります。
ということで、本当かどうかはソース抵抗を大きくしてみて変化があるかどうかを確かめてみます。ソース抵抗を 0.2Ωにして入力電圧を 2倍にしてやってみます。

う~ん、微妙。全体的にオーバーシュートが増えるかな、と思ったのですがそうでもないですね。確かに電流の少ない方で少し増えて高い方で減ったというところでしょうか。まあ変動には強くなったと言えるかも知れません。
調子に乗って 0.5Ωしたらどうかなどとやると次のようなことになります。

波形のばらつきは小さくなりましたが、立ち上がりがゆっくりになってしまいました。これはこれで実用的には十分、という人もいるでしょうが今一つ面白くありません。
ゲート電圧も同時に見てみます。

当然のようにゲート電圧もゆっくりになっています。10A の時のスルーレートは 350V / us です。
え、と思って AD826 のスペックシートを見てみるとスルーレート:350V / us と書いてあります。orz
つまりソース抵抗を大きくするとそれだけ与えるべきゲート電圧も高くなるので、オペアンプはそんなに速く立ち上がれるかよ、といっているわけです。
ということで今度はこちらに制約があるというわけです。
もちろんこれらは FET とオペアンプの特性によって変わります。スルーレートがもっと大きいオペアンプを使えば解決しますし、FET のゲート電圧 vs ドレイン電流の関係の傾斜が高いものを使えば、小さい電位差で大きな電流変化が得られますから、オペアンプの負担も軽くなります。
前回は入力容量だけで FET を選んでしまいましたが、ソース抵抗を大きくしながら大電流を流そうと思ったら(抵抗での損失は大きくなります)、電圧電流変換利得の大きいものを選ぶ必要があるということです。
どんどん深みに入り込んで抜け出せなくなっているこのお題、どうしてくれよう...。