前回は非反転増幅器を作った場合の「ゲインと帯域」について説明しました。
今回は反転増幅器の場合です。
前に出たブロック図を見て下さい。(古い図面の使い回しなので書き方が変なのはご容赦)


反転増幅器の場合はフィードバックループの一端が入力につながっているという形式です。この場合入力とは何かというと前の段の出力信号=電圧源です。非反転増幅器ではここがグランドでしたが、グランドも前の段の出力信号も電圧源である、とどこかで説明しました。つまり、反転増幅器はそれ自身の出力電圧をフィードバック抵抗と入力抵抗で分圧して、ただし分圧の一端がグランドではなく入力信号ということになります。
そう考えると x - 1 の反転増幅器のフィードバックゲインは 1 / 2 = - 6 dB となります。従ってサーボ的には非反転増幅器でいうところの x 2 の増幅器と同じです。
どういうことかというと、前回の LT1007 で見てみると、x - 1 の反転増幅器のゲイン交点は約 2.5 MHz(非反転が 5 MHz だったので単純にその半分と考えた)になります。つまり帯域が狭くなっていると云うことです。

ということで反転増幅器は非反転増幅器に比べて少し帯域が狭くなる可能性があるということを頭に入れておきましょう。もっとも x 1 と x - 1 では帯域が半分になりますが、x 10 と x - 10 ではたいした違いがないです。
もう一つ注意しておきたいのは、反転増幅器で x - 1 を安定に構成できたとしても、非反転増幅器では x 1 を安定に構成できるかどうか分からないということです。理由は前述から想像できるようにゲイン交点が反転増幅器の場合は半分になるので位相の遅れも少ないからです。
非反転増幅器形式で低い利得で動作させる場合は、Unity Gain Stability が保証されている製品を使いましょう。
先ほどの LT1007 / LT1037 では、LT1007 の Unity Gain Stability が保証されているとは書いていないですが、LT1037 については高い利得で安定、と書いてあります。
データシートではこんな感じです。
DESCRIPTION
The LT®1007/LT1037 series features the lowest noise performance available to date for monolithic operational amplifiers: 2.5nV/ÖHz wideband noise (less than the noise of a 400W resistor), 1/f corner frequency of 2Hz and 60nV peakto-peak 0.1Hz to 10Hz noise. Low noise is combined with outstanding precision and speed specifications: 10mV offset voltage, 0.2mV/°C drift, 130dB common mode and power supply rejection, and 60MHz gain bandwidth product on the decompensated LT1037, which is stable for closed-loop gains of 5 or greater.
オペアンプ選びに参考になれば幸いです。
今回は反転増幅器の場合です。
前に出たブロック図を見て下さい。(古い図面の使い回しなので書き方が変なのはご容赦)


反転増幅器の場合はフィードバックループの一端が入力につながっているという形式です。この場合入力とは何かというと前の段の出力信号=電圧源です。非反転増幅器ではここがグランドでしたが、グランドも前の段の出力信号も電圧源である、とどこかで説明しました。つまり、反転増幅器はそれ自身の出力電圧をフィードバック抵抗と入力抵抗で分圧して、ただし分圧の一端がグランドではなく入力信号ということになります。
そう考えると x - 1 の反転増幅器のフィードバックゲインは 1 / 2 = - 6 dB となります。従ってサーボ的には非反転増幅器でいうところの x 2 の増幅器と同じです。
どういうことかというと、前回の LT1007 で見てみると、x - 1 の反転増幅器のゲイン交点は約 2.5 MHz(非反転が 5 MHz だったので単純にその半分と考えた)になります。つまり帯域が狭くなっていると云うことです。

ということで反転増幅器は非反転増幅器に比べて少し帯域が狭くなる可能性があるということを頭に入れておきましょう。もっとも x 1 と x - 1 では帯域が半分になりますが、x 10 と x - 10 ではたいした違いがないです。
もう一つ注意しておきたいのは、反転増幅器で x - 1 を安定に構成できたとしても、非反転増幅器では x 1 を安定に構成できるかどうか分からないということです。理由は前述から想像できるようにゲイン交点が反転増幅器の場合は半分になるので位相の遅れも少ないからです。
非反転増幅器形式で低い利得で動作させる場合は、Unity Gain Stability が保証されている製品を使いましょう。
先ほどの LT1007 / LT1037 では、LT1007 の Unity Gain Stability が保証されているとは書いていないですが、LT1037 については高い利得で安定、と書いてあります。
データシートではこんな感じです。
DESCRIPTION
The LT®1007/LT1037 series features the lowest noise performance available to date for monolithic operational amplifiers: 2.5nV/ÖHz wideband noise (less than the noise of a 400W resistor), 1/f corner frequency of 2Hz and 60nV peakto-peak 0.1Hz to 10Hz noise. Low noise is combined with outstanding precision and speed specifications: 10mV offset voltage, 0.2mV/°C drift, 130dB common mode and power supply rejection, and 60MHz gain bandwidth product on the decompensated LT1037, which is stable for closed-loop gains of 5 or greater.
オペアンプ選びに参考になれば幸いです。