駆け出しの頃の話だ。
ある機能(PLL だと思った)の改良提案を行い、指導者に説明に行った。内容的にはかなり自己満足的なものであったと思う。でも自分はこれがいいのではないかと思っていた。
が、一言、「それはお客さんにとってどんなメリットがあるのか?」
絶句した。機能性能を少しでも良くすることが技術者の務めと直線的に考えていた自分にはそういう発想はなかった。良いものはよいのだと。が実際はそうではない。もちろんそれで品質が上がっていわゆる顧客満足度が高まればいいが、そうでなければ意味がない。言い換えると対価が取れる仕事ではないと云うことだ。ここの回想録で挙げている内容は主にコストダウンにつながるものが多かったが、今回の提案は確かに何もメリットがなかった。ただこの方が良いという自分の気分だけだった。
ということで、もちろんボツ。「そういうことなんだ~」と納得したようなそうでなかったような。
時はずっと流れて、工場長が年頭の訓示だったかで「我々は顧客のために仕事をするのだ。逆に言えば顧客のためにならない仕事はしてはいけない、しなくてもいい、ということだ。」と云われた。好きなタイプの人ではなかったが、改めてそう言われると非常に納得したし、原点はそこなんだよな、と思ったものだった。
実は会社というところは遵法の問題もあって結構面倒な仕組みが多い。もちろん法律と社会性は守らなくてはいけない。それも顧客メリットのためと思えば当然のことだろう。しかし往々にして仕組みのための仕組みになりがちなのも事実だろう。形を整えることが重要になったりして、そのうち顧客メリットから乖離していきがちである。まあ、大組織ほど保守的になりやすいから仕方がないだろうが。
といいつつその会社で仕組みのための仕事と思われるような内容のエキスパート資格を取っているから、私も口ほどではない。
なんでこんな話を思い出したかというと、ある保険会社との契約がちょっとした手違いでボツになったというのを最近経験した。手違いはあり得ることなので、必要以上にとやかく言うつもりはなかったが、問題はその後で契約が不成立なのだから保険料を払い戻してもらわなくてはいけない。この手続きが非常に手間取っている。営業の方は平謝り状態だが、私が突っ込んだのはその手続きは誰のための手続きなのか、ということである。法律なら従わなくてはいけない、が、お金のことでもあるので決済が色々必要なのはともかくそれでも許される時間というのがあるだろう。顧客メリットを意識した仕組みに改善してもらうよう要求した。まあすぐはならんだろうが。
それに保険会社にとってお金の扱いは事件性、犯罪性の確認も必要なので慎重になるのは分からないことではない。
果たして伝わっただろうか。
あら、かなり脱線してしまった。(^^;
ある機能(PLL だと思った)の改良提案を行い、指導者に説明に行った。内容的にはかなり自己満足的なものであったと思う。でも自分はこれがいいのではないかと思っていた。
が、一言、「それはお客さんにとってどんなメリットがあるのか?」
絶句した。機能性能を少しでも良くすることが技術者の務めと直線的に考えていた自分にはそういう発想はなかった。良いものはよいのだと。が実際はそうではない。もちろんそれで品質が上がっていわゆる顧客満足度が高まればいいが、そうでなければ意味がない。言い換えると対価が取れる仕事ではないと云うことだ。ここの回想録で挙げている内容は主にコストダウンにつながるものが多かったが、今回の提案は確かに何もメリットがなかった。ただこの方が良いという自分の気分だけだった。
ということで、もちろんボツ。「そういうことなんだ~」と納得したようなそうでなかったような。
時はずっと流れて、工場長が年頭の訓示だったかで「我々は顧客のために仕事をするのだ。逆に言えば顧客のためにならない仕事はしてはいけない、しなくてもいい、ということだ。」と云われた。好きなタイプの人ではなかったが、改めてそう言われると非常に納得したし、原点はそこなんだよな、と思ったものだった。
実は会社というところは遵法の問題もあって結構面倒な仕組みが多い。もちろん法律と社会性は守らなくてはいけない。それも顧客メリットのためと思えば当然のことだろう。しかし往々にして仕組みのための仕組みになりがちなのも事実だろう。形を整えることが重要になったりして、そのうち顧客メリットから乖離していきがちである。まあ、大組織ほど保守的になりやすいから仕方がないだろうが。
といいつつその会社で仕組みのための仕事と思われるような内容のエキスパート資格を取っているから、私も口ほどではない。
なんでこんな話を思い出したかというと、ある保険会社との契約がちょっとした手違いでボツになったというのを最近経験した。手違いはあり得ることなので、必要以上にとやかく言うつもりはなかったが、問題はその後で契約が不成立なのだから保険料を払い戻してもらわなくてはいけない。この手続きが非常に手間取っている。営業の方は平謝り状態だが、私が突っ込んだのはその手続きは誰のための手続きなのか、ということである。法律なら従わなくてはいけない、が、お金のことでもあるので決済が色々必要なのはともかくそれでも許される時間というのがあるだろう。顧客メリットを意識した仕組みに改善してもらうよう要求した。まあすぐはならんだろうが。
それに保険会社にとってお金の扱いは事件性、犯罪性の確認も必要なので慎重になるのは分からないことではない。
果たして伝わっただろうか。
あら、かなり脱線してしまった。(^^;