選挙が終了、大方の予想通り自由民主党の勝利、しかも圧勝。公明党とも併せると衆議院で3分の2を確保しているから、参議院が否決したって政策は進められる。まあやろうと思えば何でもあり、ということになった。もちろんそれにおごると次の参議院選挙で痛い目に遭うから、きちっと必要なことをきちっと進めていくことになるとは思うが、政策決定の停滞は防げるので政治は安定する方向だとは思う。

野田総理(まだ総理ですね)は民主党代表を辞任することになったが、ある意味この潔さがこの人のウリだろうと思う。バッター順が悪かったようで、もう少し勉強してリーダーシップが発揮できれば結構思い切ったことが出来たような気がする。どじょうらしく泥の中でもがくのが得意、というのは民主党には少ないキャラだろう。捲土重来を期待したい、などと思う。
一介の素浪人が総理を評論するのもおこがましいが。

さて、前に取引のメリットについて受け売りを書いた。そうなると TPP についても気になるところである。ただ、これについては多くの政治家が言うように危険だというのが一般的な心理のように思う。で、実際には内容がはっきりしないので何をどう議論して良いのか分からないというところだ。だいたい TPP を結んだら農業が即壊滅するとか、医療制度が崩壊するとかどういう根拠に基づいて発言しているのかよく分からない。強い云い方をすればいいというものでは無いだろうに。

ただし、よく言われる毒素事項 ISD については注意が必要だろう。TPP ではないがお隣でも、ローンスターから韓国政府が訴えられている。"韓国政府の恣意的で差別的な措置で投資と関連して損害をこうむった" ということらしい。要は国家間協定はその国の国内法より強いと云うことである。本当にそうなるかは知らないが、たとえば大店法なるもののおかげで海外の大手スーパーの進出が妨げられたら、その国の法律のおかげで、儲け損ねた、と訴えられるというような感じだ。ちなみに韓国もアメリカと協定を結ぶ前にメディアは結構気にしていてこんな番組を作っていたらしい。メキシコの例である。

FTA12年メキシコの明と暗-Part.1
http://youtu.be/bpDbSnH_1fw

FTA12年メキシコの明と暗-Part.2
http://youtu.be/GRP_TC7ZF40

FTA12年メキシコの明と暗-Part.3
http://youtu.be/ug5YhAJW-E4

FTA12年メキシコの明と暗-Part.4
http://youtu.be/Mux0HBvVOoM

「明」ってどれ?
そこまで分かっていたなら何で結んだんだ、というツッコミは余計なお世話なので、日本としては慎重にした方がいいだろう、とは思う。

で、もともと自由貿易の骨子は消費者保護だと思うのですが、FTA にせよ TPP にせよ自由な経済活動を妨げてはいけないという供給者保護に論点がなっているような感じがして気になります。

政治家のみなさん、ちゃんと勉強して下さいね。