PLL の構成要素の、位相比較器と VCO の組み合わせは一階積分だと前回書きました。一般的な云い方かどうか自信はありませんが、一次系と呼んでいました。ちなみに理想オペアンプの内部はゼロ次系、リニアモータなどは二次系と云っていました。一次遅れ系というと違う意味になります。
さて、ここで云うところの一次系すなわち一階積分系は伝達関数としては A / s で表します。
この場合のボード線図は以下のように、右下がりの直線で -20dB / decade の傾きを持ちます。すなわち周波数に反比例して利得が下がるというもので、位相は常に 90度 遅れています。

とりあえず、位相比較器と VCO だけを使ってフィードバックループを構成してみると、エラー信号 E は 1 / (1 + A / s) となります。
ここでフィードバックループの安定性を評価する方法の一つとして、この数式の分母がゼロに近づくことがあるかないかというのがありますが、この場合は A / s = A / (j 2 π f) なので、いかなる周波数 f を選んでもあるいはいかなるゲイン A を選んでも A / s は -1 には近づきません。いつも虚数です。よって単純に位相比較器と VCO の組み合わせでもいくらゲインを上げても安定な系は組めると云うことです。
(ここの計算や説明が分からない人は、こちらの方も見て下さい。)
http://blogs.yahoo.co.jp/susanoo2001_hero/5941271.html
しかし、実際はそうはいきません。ということでループフィルタが登場するのですが、まずここまでの背景を理解していただけますでしょうか。説明がまだるっこしいので申し訳ないですが。
次回は、なぜこれでは上手くいかないのかを説明したいと思います。
さて、ここで云うところの一次系すなわち一階積分系は伝達関数としては A / s で表します。
この場合のボード線図は以下のように、右下がりの直線で -20dB / decade の傾きを持ちます。すなわち周波数に反比例して利得が下がるというもので、位相は常に 90度 遅れています。

とりあえず、位相比較器と VCO だけを使ってフィードバックループを構成してみると、エラー信号 E は 1 / (1 + A / s) となります。
ここでフィードバックループの安定性を評価する方法の一つとして、この数式の分母がゼロに近づくことがあるかないかというのがありますが、この場合は A / s = A / (j 2 π f) なので、いかなる周波数 f を選んでもあるいはいかなるゲイン A を選んでも A / s は -1 には近づきません。いつも虚数です。よって単純に位相比較器と VCO の組み合わせでもいくらゲインを上げても安定な系は組めると云うことです。
(ここの計算や説明が分からない人は、こちらの方も見て下さい。)
http://blogs.yahoo.co.jp/susanoo2001_hero/5941271.html
しかし、実際はそうはいきません。ということでループフィルタが登場するのですが、まずここまでの背景を理解していただけますでしょうか。説明がまだるっこしいので申し訳ないですが。
次回は、なぜこれでは上手くいかないのかを説明したいと思います。