先に出た PLL の話。
http://blogs.yahoo.co.jp/susanoo2001_hero/6570906.html

ZCAV 動作のため、データ VCO の中心周波数が外周に向かうに従って上がっていく。これだとチャージポンプ IC の動作が怪しくなるので、VCO のレンジ入力を離散的にコントロールすることにしたのは前述の通り。ちなみにその VCO の特性はこんな感じだった。

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しかしデータのエラーレートを測定してみると、そのレンジの切り替え付近でエラーレートが結構変化することが分かっていた。許容範囲かも知れなかったが、良い気分はしない。これを簡単に解決するには切り替えステップを細かくすれば良いのだが、あまり賢いように見えない。
そこで考えたのがオートレンジコントロール手法。VCO のコントロール端子の電圧を積分して(ゲインの高い LPF で)レンジ端子に加えるというもの。(図)

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こうするとコントロール端子に印加される電圧は周波数に関係なくほぼ一定になり、チャージポンプ IC の出力電圧にもマージンが増える。(図)

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これは当該 VCO がこういう端子を持っていたから出来た手法であるが、これのおかげで動作がぐっと安定した。次の機種から採用した。特許提案を行ったが、実入りはなかった。しかし後にそこら中で使われているらしい。ま、だれでも思いつくようなネタではあるが。