今回は、割り算回路の動作説明最終回です。

回路図を見て下さい。

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下側の電圧電流変換回路、右上のアンプ2は前回、前々回説明しました。
今回はその動作を踏まえて、アンプ1の動作を考えてみます。

アンプ1としては、あくまでもオペアンプの5つの原則に従って動作します。
まず R0 を流れる電流ですが、(-) 端子の電位は (+) 端子と同じでゼロ、そしてオームの法則に従って Iin = Vin / R0 となります。
この電流が (-) 端子に到達して、(-) 端子には電流が流れませんから、そのままアンプ2の出力に向かいます。
この場合後ろから考えた方がわかりやすいので、この電流がどうなるかを考えます。

アンプ2はこの電流を吸い込まなくてはいけません。どこかに捨ててくるわけにはいかないのです。
さてアンプ2はこの電流を吸い込むための動作をするわけですが、前回説明したようにこの電流は差動入力電位差と制御電流から決まります。
差動入力電圧はアンプ1の出力電圧を分圧しています。差動入力電圧感度は非常に高いので実際の回路でも 100分の一ぐらいにしています。要はアンプ1の出力電圧に比例した電流がアンプ2の吸い込み電流になるのですが、そこに Is が乗算されているわけです。
つまり、

(アンプ1の出力電圧 Vout)x(制御電流 Is)x(定数)=(アンプ2の吸い込み電流)=(入力電流 Iin)=(入力電圧 Vin / R0)

となっているわけです。
ここで

(制御電流 Is)= (制御電圧 Vs / Rs)

ですから、

(アンプ1の出力電圧)x(制御電圧 Vs / Rs)=(入力電圧 Vin / R0)

となって、

(アンプ1の出力電圧)=(入力電圧 Vin / R0)/(制御電圧 Vs / Rs)


ということになり、めでたく割り算動作をするということになります。

ちょっと規模がある回路で、一見わかりにくかったかも知れませんが、それぞれの部分は今まで説明した内容で理解できるかと思います。
で、行きつく先はオペアンプの5つの法則だということでご理解いただけたでしょうか。

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