伝達関数を使ってオペアンプを表現してみる、ということで書いてみましたが、今回はちょっと別のことをテーマにしてみます。というかアイディアがつきているに近い。
アナログ回路でオペアンプの次に身近なのは、トランジスタでしょうか。
だいたいこれが出てくるといきなりハードルが高くなるのは仕方がないかも知れません。
何しろ外付け部品で簡単に特性が決まらないので。
このブログのテーマは「やさしく考える」(やさしいわけではない)なので、トランジスタが出てきても拒否反応が出ないように、簡単にトランジスタの働きを見分けられるようにしてみたいと思います。
トランジスタの働きとして、大まかにリニア動作とスイッチング動作があります。リニア動作の中に指数、対数演算なども含まれますが、ここでは触れません。
ぱっと回路を見たときに、このトランジスタはリニア動作かスイッチング動作か、と見分けられると結構役に立つかも知れない、ということで代表的な見分け方を書いてみます。
注目するところはエミッタです。
NPN トランジスタで、エミッタがグランドまたは低い電位に直接つながっていたならば、これはスイッチング動作です。PNP トランジスタなら、電源などの高い電位につながっている場合です。
回路例としては以下のようなものです。

NPN トランジスタはエミッタがグランドにつながっており、ベースは何かの信号を受けるようになっています。この状態でベースで受けた信号に従ってベース電流が流れコレクタ電流を流すわけですが、通常トランジスタの hfe は 100 ぐらいあるので、ベースに 1mA でも流そうものなら、コレクタ電流は 100mA ぐらいまでなら流すことが出来ます。しかし実際には 電源から PNP トランジスタのエミッタを通じてベースに電流が流れ、NPN トランジスタのコレクタ抵抗を通じてコレクタ電流が流れたとき、電源電圧とコレクタ抵抗で最大電流が制限されます。これが 100mA 以下であれば、NPN トランジスタは飽和状態になり、いわゆる ON 動作になります。もちろんベース電流を微少にコントロールすれば、飽和ではない状態に出来ますが、hfe がちょっとばらつくと飽和状態になったり、逆にベース電流が不足して活性状態すらならないことがあります。
ですので普通そういう設計はしません。(超高周波領域ではあり得ます)
ということで、エミッタに抵抗が無い状態では、ベース電流をちょっと流すとあっという間にコレクタ電流が飽和するので、トランジスタは ON 状態になります。
PNP トランジスタもエミッタが電源につながっており、ベースは NPN トランジスタのコレクタにつながっているので、NPN トランジスタが ON になれば、PNP トランジスタにも十分ベース電流が流れて ON 状態になります。
とりあえず、トランジスタのエミッタが NPN の時グランド、PNP の時電源に直接接続されていたならスイッチング動作らしい、と思っておきましょう。
正答率は...、ほぼ、ということで責任を回避しておきます。(^^;
回想録の方で色々具体的な回路案が出ています。ちょっと当てはめてみて下さい。
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だいたいこれが出てくるといきなりハードルが高くなるのは仕方がないかも知れません。
何しろ外付け部品で簡単に特性が決まらないので。
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トランジスタの働きとして、大まかにリニア動作とスイッチング動作があります。リニア動作の中に指数、対数演算なども含まれますが、ここでは触れません。
ぱっと回路を見たときに、このトランジスタはリニア動作かスイッチング動作か、と見分けられると結構役に立つかも知れない、ということで代表的な見分け方を書いてみます。
注目するところはエミッタです。
NPN トランジスタで、エミッタがグランドまたは低い電位に直接つながっていたならば、これはスイッチング動作です。PNP トランジスタなら、電源などの高い電位につながっている場合です。
回路例としては以下のようなものです。

NPN トランジスタはエミッタがグランドにつながっており、ベースは何かの信号を受けるようになっています。この状態でベースで受けた信号に従ってベース電流が流れコレクタ電流を流すわけですが、通常トランジスタの hfe は 100 ぐらいあるので、ベースに 1mA でも流そうものなら、コレクタ電流は 100mA ぐらいまでなら流すことが出来ます。しかし実際には 電源から PNP トランジスタのエミッタを通じてベースに電流が流れ、NPN トランジスタのコレクタ抵抗を通じてコレクタ電流が流れたとき、電源電圧とコレクタ抵抗で最大電流が制限されます。これが 100mA 以下であれば、NPN トランジスタは飽和状態になり、いわゆる ON 動作になります。もちろんベース電流を微少にコントロールすれば、飽和ではない状態に出来ますが、hfe がちょっとばらつくと飽和状態になったり、逆にベース電流が不足して活性状態すらならないことがあります。
ですので普通そういう設計はしません。(超高周波領域ではあり得ます)
ということで、エミッタに抵抗が無い状態では、ベース電流をちょっと流すとあっという間にコレクタ電流が飽和するので、トランジスタは ON 状態になります。
PNP トランジスタもエミッタが電源につながっており、ベースは NPN トランジスタのコレクタにつながっているので、NPN トランジスタが ON になれば、PNP トランジスタにも十分ベース電流が流れて ON 状態になります。
とりあえず、トランジスタのエミッタが NPN の時グランド、PNP の時電源に直接接続されていたならスイッチング動作らしい、と思っておきましょう。
正答率は...、ほぼ、ということで責任を回避しておきます。(^^;
回想録の方で色々具体的な回路案が出ています。ちょっと当てはめてみて下さい。

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