何故か「時事問題」の書庫...。

先日、CEATEC Japan 2012 を見に行ってきた。実に十数年ぶりの展博見学である。その前が何だったかすら覚えていない。
こんな素人見学者の見聞録よりは各メディアの報道内容の方がよっぽどポイントを突いていると思うので、何か別の視点で見ることができないか考えながら歩き回った。

といってもすで一週間経ってしまって、情報としては古くなっているだろうから、いくつか感じたことを書いておくだけにします。

まず、全体的な印象ですが、製品中心の会社に比べて部品中心の会社の方が勢いがあるといこと。

Tech-On でもこんなことを書いていました。

http://techon.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20121004/243936/?rt=nocnt

私の印象もほぼ一緒。製品として売り出すものがなくなってきたんでしょうね。
一応スマート家電システムとかやっていましたが、「へぇ~」ぐらいなもんでしょうか。一生懸命やっている人には申し訳ないですが。
もちろん研究テーマとしてはいいと思います。やっておくべき。が、すぐには事業にはならないでしょうね。
各社のトップは考えているとは思いますが、日本の製品企業が韓国や台湾に押されているのは、あくまでも海外ですよね。ですから海外で数量を取れる製品を作らなくてはいけないと思うのですが。円高の逆風はありますけど。
だいたい最終製品の状態でアセンブリさえすればいい、などという製品は日本じゃ作ってはいけないと思います。日本人のスキルと特性が活きないと思いますが、どうでしょうか。

ですので、そもそもここ数年製品メーカの苦戦をよそに部品メーカは高い利益率を上げているようです。(絶対値は製品メーカより少ないですが)
そういった部品メーカが地道に取り組んだ結果、今やシステム的なソリューションまで提案するようになっていました。
電気自動車の充電システムなんて TDK が出していたと思いました。案外、製品メーカから移動した電気系技術者がやっているのかも知れませんね。

最初の方に入ったから印象に残っているのかも知れませんが、太陽誘電のブースで変位センサなるものを見つけました。

http://techon.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20111005/199007/

こういうのを元に何か応用を考えるというのも楽しいのでは。いやもちろん事業にしないといけませんけど。
「私を雇いませんか?」済みません、独り言です。
ちなみにこのセンサ、回折と干渉を利用しているため検出範囲は狭く、出力も繰り返し信号として出る。そこで私が「ラフな寸法が分かるセンサと組み合わせると、レンジが広がって用途が増えそうですね」というと、説明員も「そういった指摘は結構あります」とのこと。考えることは誰も同じです。

ある商社のブースでは半導体や電気その他いろいろ扱っていると紹介していましたが、説明員に「それらを抱き合わせでソリューション的に売る、ということは考えないんですか?」と質問したら、「いや~、技術が無いもんで」。「では、私を雇いませんか?」とノドから出そうになりましたが、思い留まりました。
その説明員のぼやきですが、「最近の技術者、基本的なことを知らない人が結構いるみたいで、それで良いのか危惧しています」とのこと。
どうやら部品に関する質問が来るのだが、ちょっと調べれば分かるような質問でがっかりすることもしばしばらしい。楽でいいのだが、ということである。
話は変わるが就活していて、「大手の技術者で制御系を設計できる人が足りなくなっているようです」という話も聞いた。
「だから私を雇えって」<(待て!
本当に心配です。

ボヤキばっかりでは暗くなるので、少し趣味の世界へ。
オーディオ関連の出品やデモも少しあった。スピーカメーカの FOSTEX とか、Foster とか。
JVC がなにやら、音響的に工夫した鳴り方をするシステムを紹介していた。小型のウッドコーンのスピーカを軸としたシステムで、リスニングポジションを選ばないという特徴を宣伝していた。限定 25 台だったかな。

あと、D/Aコンバータのクロックを高精度のものに変えたら音が変わった、というデモ。確かに変わりました。そんなに高級な再生環境でなかったにも関わらず。

ということで雑多な感想文になってしまいました。

また折を見て展博に行ってみようと思います。いくつか経験すれば、ましなレポートが書けるようになることを期待して...。