前回書いた技術者が工数だという話の補足。

設計アウトソーシングが結構当たり前になっていると云うことだが、大事なのはそれぞれの設計会社や派遣会社がどんなオリジナルな付加価値を生み出しているかということではないだろうか。
今は設計は国内の出来る人、会社に頼めばいい、となっているが、先行きどうなのか。
技術者として何を心配しているかというと、たとえば大会社から設計を委託する際、今はおそらく国内の設計会社、派遣会社に頼めばいい、となっているだろうけど、頼む方も少しでも安いところへとなると必ずしも国内に頼むとは限らなくなってくるかも知れない。もちろん大型設備などは設計を外国の会社に頼んでも効率が悪いだろうから、国内中心になると思うが、小型機器になるとあまりそういった制約がないので、工数の安い外国に委託する方が安く上がる、ということも考えられる。
まあ、一般的に設計委託するコーディネータ的技術者もそんなに英語が今は達者ではないだろうし、仕様をきちっと明記して仕事をすると云うことに慣れていないからなかなかそうはならないだろうけど。
が、それが解決してくるとうかうかしていられないと思う。

さらに「回想録」「暴挙か斬新的試みか!>設計者の交替勤務 」では

http://blogs.yahoo.co.jp/susanoo2001_hero/6427838.html

設計二交替制の効用について書いたが、たとえば8時間時差があるところに設計委託した場合、双方が通常勤務をしていても似たようなことが起こる。
試作の最終の詰めの段階で、委託側が評価した結果いくつかの問題があったとして、これを夕方の5時ぐらいに海外の設計会社に連絡したとする。相手は受け取るのが午前中である。それから現象再現や細かいやりとりを行って日本側は帰宅。設計会社はそれから対策をやり始めて、簡単なテストを行って対策案(ファームウェア修正などのレベル)を提出。
日本の会社は朝出勤してくると、問題のレポートと対策を受け取れるといった案配である。ほとんど 24 時間評価デバッグ作業が機能していることになる。
日本の会社だけでこれをやろうとすると、「回想録」に書いたように交替勤務になる。
海外の設計会社を使うとこういうことが普通に出来るようになる。(時差にもよります)

国内の設計会社、派遣会社はこういう可能性について危機感を持っておく必要があるかもしれない。
コスト削減、効率から云えば、とても海外にはかなわないような気がする。
せめて「ここの技術者しか出来ない」という付加価値を持っていないと、苦しくなるような気がするがどうだろうか。

杞憂であることを祈りたい。