この後に担当したのが 5.25 インチの光ディスクドライブ。前述のは 12 インチであった。
範囲はドライブのハードウェア全般の主担当。CPU 周りとファームウェアは今も腐れ縁の友人M が担当。
12 インチドライブと 5.25 インチドライブの電気設計における決定的な違いは電源電圧である。12 インチはアナログ用として±15V の電圧があったが、5.25 インチは組み込み用として 12V の片電源しかない。このブレークスルーが最初のテーマである。
まずは動作点としての中点。この場合は 6V で良い。設計コンセプトとしては、12V にトラッキングさせるということで、定電圧素子を使わずに抵抗分割。注意は要するが、発想を統一していればさほど難しくない。中点 6V 用の電源として以下のような回路を準備した。


ここで中点に流れ込む電流には注意が必要。非反転アンプを使うと、6V 電位に電流が流れ込んでしまうため反転アンプを中心に構成する。

問題はパワー関係をどうするか。
たとえばレンズアクチュエータは約数オームあり、かつ高周波インピーダンスが高いので、サーボON の際にはかなりの電圧を印加する必要がある。通常のドライバだと、片側 6V あっても 1.5V ぐらいは IC 内で消費して、残り 4.5V ぐらい。これでは十分な駆動が出来なさそうである。さらにフォーカスなどは定常的に DC 電流を流す必要があるため、中点に電流を流し込むタイプでは中点駆動回路に負担が掛かる。ということで 12V からグランドに電流を流す方式にしたい。ところが通常発表されているアプリケーションでは、コンプリメンタリ電圧駆動ドライバはあるが、コンプリメンタリ電流駆動ドライバはなかった。レンズアクチュエータはコイル成分が多く、電流駆動にしないとサーボ上の位相遅れが問題になるので、この回路を考える必要があった。ということで、図。

そんなに手の込んだ話ではない。上側のオペアンプを使って電流駆動を行い、その出力を下側のオペアンプで反転させてアクチュエータを駆動するという程度のものである。
これは、このサイトを見たことがある人にとっては既知の回路です。「やさしく考えるアナログ回路」で解説しています。
http://blogs.yahoo.co.jp/susanoo2001_hero/5682271.html
一応特許として出願して登録にはなったが、発想自体が特許性があるわけではなく、回路構成はこれでなくてもできると思われるので、価値は低いと思う。
当時も HDD などで組み込み機器はあった。そこではこういった片電源処理をどうやっていたかについては実は調べたことがない。従ってここで使った方法がベストなのかどうかはよく分からない。
あまり解説されたのも見たことはない。
反転アンプ形式のオペアンプ回路で (+)端子に接続する基準電位を抵抗分割で行うのは見かけたことはあるが...。
範囲はドライブのハードウェア全般の主担当。CPU 周りとファームウェアは今も腐れ縁の友人M が担当。
12 インチドライブと 5.25 インチドライブの電気設計における決定的な違いは電源電圧である。12 インチはアナログ用として±15V の電圧があったが、5.25 インチは組み込み用として 12V の片電源しかない。このブレークスルーが最初のテーマである。
まずは動作点としての中点。この場合は 6V で良い。設計コンセプトとしては、12V にトラッキングさせるということで、定電圧素子を使わずに抵抗分割。注意は要するが、発想を統一していればさほど難しくない。中点 6V 用の電源として以下のような回路を準備した。


ここで中点に流れ込む電流には注意が必要。非反転アンプを使うと、6V 電位に電流が流れ込んでしまうため反転アンプを中心に構成する。

問題はパワー関係をどうするか。
たとえばレンズアクチュエータは約数オームあり、かつ高周波インピーダンスが高いので、サーボON の際にはかなりの電圧を印加する必要がある。通常のドライバだと、片側 6V あっても 1.5V ぐらいは IC 内で消費して、残り 4.5V ぐらい。これでは十分な駆動が出来なさそうである。さらにフォーカスなどは定常的に DC 電流を流す必要があるため、中点に電流を流し込むタイプでは中点駆動回路に負担が掛かる。ということで 12V からグランドに電流を流す方式にしたい。ところが通常発表されているアプリケーションでは、コンプリメンタリ電圧駆動ドライバはあるが、コンプリメンタリ電流駆動ドライバはなかった。レンズアクチュエータはコイル成分が多く、電流駆動にしないとサーボ上の位相遅れが問題になるので、この回路を考える必要があった。ということで、図。

そんなに手の込んだ話ではない。上側のオペアンプを使って電流駆動を行い、その出力を下側のオペアンプで反転させてアクチュエータを駆動するという程度のものである。
これは、このサイトを見たことがある人にとっては既知の回路です。「やさしく考えるアナログ回路」で解説しています。
http://blogs.yahoo.co.jp/susanoo2001_hero/5682271.html
一応特許として出願して登録にはなったが、発想自体が特許性があるわけではなく、回路構成はこれでなくてもできると思われるので、価値は低いと思う。
当時も HDD などで組み込み機器はあった。そこではこういった片電源処理をどうやっていたかについては実は調べたことがない。従ってここで使った方法がベストなのかどうかはよく分からない。
あまり解説されたのも見たことはない。
反転アンプ形式のオペアンプ回路で (+)端子に接続する基準電位を抵抗分割で行うのは見かけたことはあるが...。