回想録で紹介したエントリー
時計が遅れる!?コンデンサリークの犯人は誰だ?
http://blogs.yahoo.co.jp/susanoo2001_hero/5831294.html
では、トランジスタが逆動作するという内容でした。
そこで、LTspice を使ってどんな風になっているか見てみます。
図のような回路を組んでみました。定数はだいたいです。

V1 が入力電源です。
シミュレーションでは、開始から 0.05s 後に電圧が 5V に上がって、1.1s 後に 0V になります。本当の電源は切れたとき 0V になると云うよりは、適当な抵抗値でグランドに落ちると思われますが、今回は電圧源として 0V になりますので、実際上はグランドに 0Ωで接続された形になります。
V2 はコマンドによる電源 ON ということで、0.1s 後に 5V になって、Q2 を ON 動作にします。これによって Q1 のベースに電流が流され、Q1 が ON になり、V1 はコンデンサ C1 に電流が流されます。C1 はすぐに充電終了します。
その後、0.5s 後に V2 が 0V になって、Q2 が OFF、従って Q1 も OFF となり、C1 の電圧は保持されます。
さらに 0.4s 後に V1 が 0V になります。そこで、この時何が起きるでしょうか、という確認になります。
結果は以下のようになりました。

緑色の線がコンデンサの電圧ですが、赤の線が立ち上がると同時に電圧が供給されて上昇しているのが分かります。その後、0.6s のところで、赤は 0V になって Q1 は OFF になって、コンデンサの電圧は保持されているのが分かります。
ところが、1.0s のところで V1 が 0V になると電圧が徐々に落ちていってしまいます。いわゆるリークが起きているわけです。
そこで Q1 の動作をみてみることにします。
まずは、左端 0.1s 辺りの Q1 の電流を見てみます。ここでは、Q1 が ON になりましたから、電源からコンデンサに向かって充電電流が流れます。その時の電流値は下の左のようになりました。

Ie(Q1) は、約156mA、Ib(Q1) は約 0.8mA 流れています。コレクタ電流 Ic(Q1) は、Ie(Q1) - Ib(Q1) ですから、Ic(Q1) は約 155mA となります。そこでトランジスタの電流増幅率は 155 / 0.8 = 193 倍ということになります。ベース抵抗 5000Ωを変えるとコレクタ電流が変わって、コンデンサへの充電電流も変わりますので、やってみて下さい。
さて、ではグラフ右側の 1.0s をちょっと越えた辺りではどうなっているのでしょうか。先ほどの図の右側です。
ここでは、Ie(Q1) と Ib(Q1) を載せていますが、逆トランジスタ動作ですので、Ie(Q1) はコレクタ電流相当です。
ベース電流は 42uA コレクタ電流は 151uA ということで、3.6 倍の電流増幅率で動作していることがわかります。トランジスタとしては、約151uA のリーク電流を流していることになります。さらに云うと、ベース電流はどこから来ているかというと、抵抗 R2 の 100K を通じて、コンデンサ → Q1 のコレクタ - ベースの順方向電流 → 100K → V1(=0V)と電流が流れています。これがこの場合は 41uA ということです。従って合計 193uA の電流でリークしていることになります。
ですので、実は R2 を無くしてしまえば、ベース電流が流れることなくコンデンサの電圧は保持されるはずです。
それが次の図です。だんだん思い出してきましたが、R2 を外して解決したような気がします。

ただし、R2 が無いと Q1 のベース電流の制御が難しくなります。これについてはまたの機会にやってみます。
時計が遅れる!?コンデンサリークの犯人は誰だ?
http://blogs.yahoo.co.jp/susanoo2001_hero/5831294.html
では、トランジスタが逆動作するという内容でした。
そこで、LTspice を使ってどんな風になっているか見てみます。
図のような回路を組んでみました。定数はだいたいです。

V1 が入力電源です。
シミュレーションでは、開始から 0.05s 後に電圧が 5V に上がって、1.1s 後に 0V になります。本当の電源は切れたとき 0V になると云うよりは、適当な抵抗値でグランドに落ちると思われますが、今回は電圧源として 0V になりますので、実際上はグランドに 0Ωで接続された形になります。
V2 はコマンドによる電源 ON ということで、0.1s 後に 5V になって、Q2 を ON 動作にします。これによって Q1 のベースに電流が流され、Q1 が ON になり、V1 はコンデンサ C1 に電流が流されます。C1 はすぐに充電終了します。
その後、0.5s 後に V2 が 0V になって、Q2 が OFF、従って Q1 も OFF となり、C1 の電圧は保持されます。
さらに 0.4s 後に V1 が 0V になります。そこで、この時何が起きるでしょうか、という確認になります。
結果は以下のようになりました。

緑色の線がコンデンサの電圧ですが、赤の線が立ち上がると同時に電圧が供給されて上昇しているのが分かります。その後、0.6s のところで、赤は 0V になって Q1 は OFF になって、コンデンサの電圧は保持されているのが分かります。
ところが、1.0s のところで V1 が 0V になると電圧が徐々に落ちていってしまいます。いわゆるリークが起きているわけです。
そこで Q1 の動作をみてみることにします。
まずは、左端 0.1s 辺りの Q1 の電流を見てみます。ここでは、Q1 が ON になりましたから、電源からコンデンサに向かって充電電流が流れます。その時の電流値は下の左のようになりました。

Ie(Q1) は、約156mA、Ib(Q1) は約 0.8mA 流れています。コレクタ電流 Ic(Q1) は、Ie(Q1) - Ib(Q1) ですから、Ic(Q1) は約 155mA となります。そこでトランジスタの電流増幅率は 155 / 0.8 = 193 倍ということになります。ベース抵抗 5000Ωを変えるとコレクタ電流が変わって、コンデンサへの充電電流も変わりますので、やってみて下さい。
さて、ではグラフ右側の 1.0s をちょっと越えた辺りではどうなっているのでしょうか。先ほどの図の右側です。
ここでは、Ie(Q1) と Ib(Q1) を載せていますが、逆トランジスタ動作ですので、Ie(Q1) はコレクタ電流相当です。
ベース電流は 42uA コレクタ電流は 151uA ということで、3.6 倍の電流増幅率で動作していることがわかります。トランジスタとしては、約151uA のリーク電流を流していることになります。さらに云うと、ベース電流はどこから来ているかというと、抵抗 R2 の 100K を通じて、コンデンサ → Q1 のコレクタ - ベースの順方向電流 → 100K → V1(=0V)と電流が流れています。これがこの場合は 41uA ということです。従って合計 193uA の電流でリークしていることになります。
ですので、実は R2 を無くしてしまえば、ベース電流が流れることなくコンデンサの電圧は保持されるはずです。
それが次の図です。だんだん思い出してきましたが、R2 を外して解決したような気がします。

ただし、R2 が無いと Q1 のベース電流の制御が難しくなります。これについてはまたの機会にやってみます。