今回はちょっと応用回路を考えてみます。
次の回路はどうでしょうか。

オペアンプですらこれからという方はトランジスタが出てくるだけで勘弁してくれ、かも知れません。
でもここでは「やさしく考える」がテーマなので、考えやすいオペアンプを中心に回路を解読してみます。トランジスタの特性が分からなくても理解できると思います。
では最初に5つの法則のおさらいです。
1.オームの法則
2.キルヒホッフの法則
3.(+)端子と(-)端子は同電位。
4.(+)端子と(-)端子には電流は流れない。
5.オペアンプの出力端子は電圧源。
以前に(+)端子は電圧で考え、(-)端子は電流で考えると書きました。
ここでも同じようにやってみましょう。
まずストレートに(+)端子に何がつながっているかというと、電圧源 V1 です。法則4により何も電流が流れないので(+)電位は V1 です。法則3により(-)端子電位は自動的に V1 になります。(厳密に言うと V1 になるように出力電圧が決まります)
(-)端子が V1 ですからそこに接続されている右にある抵抗 R の端子電圧は V1 です。すると R には I =V1 / R なる電流が流れます。法則4により、この電流 I は(-)端子には流れず、すべて Q1 に流れます(方向は矢印で示した方向のみです)。
Q1 にエミッタに流れる電流の 99% 以上(厳密には Q1 の hfe を考慮すると 1 - 1/hfe になります)がコレクタから供給されますので、コレクタにつながっている LED には、ほぼ I が流れることになります。つまり、LED に V1 / R を安定してながすための電流駆動回路ということになります。
ということで、入力電圧に応じて係数 1/R で電圧電流変換する回路です。これは負荷である LED がその電流を流すにあたって何ボルト必要かということを考える必要がありません(V+ が十分高ければ)。また、LED が複数あっても大丈夫ですし、温度でその必要電圧が変わっても供給電流は変わりません。なかなか優れものの回路です。
この説明の中で Q1 の特性には触れていません。すなわちブラックボックス同様の扱いができるということです。
これを次のようなオペアンプを省略した回路で構成しようとすると、Q1 の温度特性とか Vbe がとたんに気になり出します。

通常の単に LED を光らせる用途では最初の回路ような精度が必要になることはあまりないかも知れませんが、この LED の光量を使って別のものを制御しようとすると、精度のよい回路が必要になったりします。とは云っても今回の例は実用的というよりは、オペアンプ応用回路の理解するためととらえていた方が良いでしょう。
アナログ回路入門書などにもよく出て来ると思いますので、その時はこんな風に考えてみると理解しやすいと思います。
次の回路はどうでしょうか。

オペアンプですらこれからという方はトランジスタが出てくるだけで勘弁してくれ、かも知れません。
でもここでは「やさしく考える」がテーマなので、考えやすいオペアンプを中心に回路を解読してみます。トランジスタの特性が分からなくても理解できると思います。
では最初に5つの法則のおさらいです。
1.オームの法則
2.キルヒホッフの法則
3.(+)端子と(-)端子は同電位。
4.(+)端子と(-)端子には電流は流れない。
5.オペアンプの出力端子は電圧源。
以前に(+)端子は電圧で考え、(-)端子は電流で考えると書きました。
ここでも同じようにやってみましょう。
まずストレートに(+)端子に何がつながっているかというと、電圧源 V1 です。法則4により何も電流が流れないので(+)電位は V1 です。法則3により(-)端子電位は自動的に V1 になります。(厳密に言うと V1 になるように出力電圧が決まります)
(-)端子が V1 ですからそこに接続されている右にある抵抗 R の端子電圧は V1 です。すると R には I =V1 / R なる電流が流れます。法則4により、この電流 I は(-)端子には流れず、すべて Q1 に流れます(方向は矢印で示した方向のみです)。
Q1 にエミッタに流れる電流の 99% 以上(厳密には Q1 の hfe を考慮すると 1 - 1/hfe になります)がコレクタから供給されますので、コレクタにつながっている LED には、ほぼ I が流れることになります。つまり、LED に V1 / R を安定してながすための電流駆動回路ということになります。
ということで、入力電圧に応じて係数 1/R で電圧電流変換する回路です。これは負荷である LED がその電流を流すにあたって何ボルト必要かということを考える必要がありません(V+ が十分高ければ)。また、LED が複数あっても大丈夫ですし、温度でその必要電圧が変わっても供給電流は変わりません。なかなか優れものの回路です。
この説明の中で Q1 の特性には触れていません。すなわちブラックボックス同様の扱いができるということです。
これを次のようなオペアンプを省略した回路で構成しようとすると、Q1 の温度特性とか Vbe がとたんに気になり出します。

通常の単に LED を光らせる用途では最初の回路ような精度が必要になることはあまりないかも知れませんが、この LED の光量を使って別のものを制御しようとすると、精度のよい回路が必要になったりします。とは云っても今回の例は実用的というよりは、オペアンプ応用回路の理解するためととらえていた方が良いでしょう。
アナログ回路入門書などにもよく出て来ると思いますので、その時はこんな風に考えてみると理解しやすいと思います。