※コメント欄にありますように、計算式中タイプミスがありました。計算結果に変更はありません。修正しました。H26-4-20
今度は、非反転増幅器について考えてみます。
前回の説明で、(+)端子は電圧/電流計算の基点となると書きました。今度は非反転増幅器なので、その基点が入力電圧ということになります。ですので、考え方は全く一緒です。

これはよく出てくる非反転増幅器の例です。
法則に従って、動作を確認していきます。
入力電圧 V1 は(+)端子に直接つながっています。これが法則3によって(-)端子にも同じ電圧 V1 が現れます。R1 は(-)端子とグランド(ゼロ電位電圧源)に接続されいてますから、R1 には I1= V1/R1 の電流が流れます(電流の方向に注意)。そしてこの電流 I1 は法則2と法則3により、すべて帰還抵抗R0に流れます。それにより R0 の両端には法則1により、VR0=I1x R0 の電圧が現れます(方向に注意)。これが基点 V1 から生じたことになりますので、
Vout = V1 + VR0
= V1 + V1 x R0/R1
= (1 + R0/R1) x V1
となるわけです。
もし R1 が(-)端子とグランドの間ではなく、V2 なる電位を持つ電圧源に接続されていたら、前回説明したものと等価になります。確認し見て下さい。
模式的に考えると、オペアンプの動作は図の天秤のようなものです。

支点は(-)端子です。力点は入力電圧で支点と力点の距離は抵抗値(小さいほど短い)、作用点は出力電圧です。支点と作用点の距離は帰還抵抗に相当します。
まず、(+)端子の電位を決めると自動的に(-)端子の電位が決まり、つまりこの天秤の支点の上下方向の位置が決まります。
そこで力点をある位置に持ってくると、支点と力点の傾きが決まり(電流に相当)それによって、作用点の位置が天秤の長さに応じて決まります。
非反転増幅器の場合は力点と支点を入れ替えることで説明できます。本質的には同じことであるのが分かると思います。
次は差動増幅器です。

これも同じように考えてみます。
まずは(+)端子がどうなっているか見てみます。V1 に R1 と R0 が直列になってつながっており、その途中の R1 と R0 のつなぎ目が(+)端子につながっています。法則4から(+)には電流が流れませんから、(+)端子に印加される電圧は V1 を R1 と R0 で分割した電圧になります。すなわち、V0 = V1 x R0/(R1 + R0) ということです。
これがそのまま(-)端子に移行します。そうすると法則1により、R1 に流れる電流 I1 は、I1=(V2 - V0)/R1 になって、さらに法則2によりそのまま帰還抵抗 R0 に流れるので、法則1によりちょっと計算が大変ですが、
※式中符号をタイプミスしていました。赤の部分が修正されています。

となって、V1 と V2 の差分(V2 が基準)に、(R0/R1)の増幅率で出力されることが分かります。
ちなみに、(+)端子からグランドに接続されている R0 の接続先を、グランドから V3に変更すると出力電圧は、
Vout=(R0/R1)x(V1-V2)+V3
となって、V1 と V2 の差分を R0/R1 の増幅率で増幅して、V3 を基点として出力する、となります。計算してみて下さい。
今度は、非反転増幅器について考えてみます。
前回の説明で、(+)端子は電圧/電流計算の基点となると書きました。今度は非反転増幅器なので、その基点が入力電圧ということになります。ですので、考え方は全く一緒です。

これはよく出てくる非反転増幅器の例です。
法則に従って、動作を確認していきます。
入力電圧 V1 は(+)端子に直接つながっています。これが法則3によって(-)端子にも同じ電圧 V1 が現れます。R1 は(-)端子とグランド(ゼロ電位電圧源)に接続されいてますから、R1 には I1= V1/R1 の電流が流れます(電流の方向に注意)。そしてこの電流 I1 は法則2と法則3により、すべて帰還抵抗R0に流れます。それにより R0 の両端には法則1により、VR0=I1x R0 の電圧が現れます(方向に注意)。これが基点 V1 から生じたことになりますので、
Vout = V1 + VR0
= V1 + V1 x R0/R1
= (1 + R0/R1) x V1
となるわけです。
もし R1 が(-)端子とグランドの間ではなく、V2 なる電位を持つ電圧源に接続されていたら、前回説明したものと等価になります。確認し見て下さい。
模式的に考えると、オペアンプの動作は図の天秤のようなものです。

支点は(-)端子です。力点は入力電圧で支点と力点の距離は抵抗値(小さいほど短い)、作用点は出力電圧です。支点と作用点の距離は帰還抵抗に相当します。
まず、(+)端子の電位を決めると自動的に(-)端子の電位が決まり、つまりこの天秤の支点の上下方向の位置が決まります。
そこで力点をある位置に持ってくると、支点と力点の傾きが決まり(電流に相当)それによって、作用点の位置が天秤の長さに応じて決まります。
非反転増幅器の場合は力点と支点を入れ替えることで説明できます。本質的には同じことであるのが分かると思います。
次は差動増幅器です。

これも同じように考えてみます。
まずは(+)端子がどうなっているか見てみます。V1 に R1 と R0 が直列になってつながっており、その途中の R1 と R0 のつなぎ目が(+)端子につながっています。法則4から(+)には電流が流れませんから、(+)端子に印加される電圧は V1 を R1 と R0 で分割した電圧になります。すなわち、V0 = V1 x R0/(R1 + R0) ということです。
これがそのまま(-)端子に移行します。そうすると法則1により、R1 に流れる電流 I1 は、I1=(V2 - V0)/R1 になって、さらに法則2によりそのまま帰還抵抗 R0 に流れるので、法則1によりちょっと計算が大変ですが、
※式中符号をタイプミスしていました。赤の部分が修正されています。

となって、V1 と V2 の差分(V2 が基準)に、(R0/R1)の増幅率で出力されることが分かります。
ちなみに、(+)端子からグランドに接続されている R0 の接続先を、グランドから V3に変更すると出力電圧は、
Vout=(R0/R1)x(V1-V2)+V3
となって、V1 と V2 の差分を R0/R1 の増幅率で増幅して、V3 を基点として出力する、となります。計算してみて下さい。