まずは、オペアンプ回路の最初のページに出てくる反転増幅器です。これについて、先に述べた5つの法則を元に動作を考えてみます。

5つの法則のおさらい。
1.オームの法則
2.キルヒホッフの法則
3.(+)端子と(-)端子は同電位。
4.(+)端子と(-)端子には電流は流れない。
5.オペアンプの出力端子は電圧源。
まずオペアンプの場合は(+)端子の状態から考えます。理由はオペアンプがどう動作していようとこの端子の状態は独立だからです(以降にそうでないアプリケーションも出てきますが)。
この場合は(+)端子はグランド、つまり電位ゼロです。
次に法則3により、(-)端子の電位もゼロです。
そこで、法則1により入力抵抗R1に流れる電流を計算します。
この場合は I1 = V1/R1となります。方向は(-)端子に流れ込む方向が(正)です。
法則2と4により、フィードバック抵抗R0に流れる電流を求めます。法則2によりあるポイントに流れ込んだ電流はすべて出て行かなくてはいけません。法則4から(-)端子には電流が流れませんから、電流 I1はすべてR0に流れます。
法則1により、 I1はすべてR0によって電圧に変換されます。つまり VR0 = I1 xR0 です。VR0はどこを基点に考えるかというと、(-)端子からですので、ゼロを基点として電流が出ていく方向ですから、マイナス方向に電圧が現れます。従ってVout=0-VR0 となって、
Vout =-VR0
= - I1×R0
= -V1 x R0/R1
となります。
法則5によりオペアンプの出力端子は電圧源と考えてその電流すべてを吸い込みますので、こういった動作が可能になります。
まだるっこしい説明になりましたが、一言で言うと上述の5つの法則を満たすようにオペアンプは出力電圧を出す、ということです。
では、次の図のように別に電圧源を用意して、抵抗R2を使って(-)端子に接続してみました。さてどういう出力が出るでしょうか。
電圧源の電圧は V2 とします。

これも全く同じように考えます。
法則3はそのままで、(-)端子の電位はゼロです。よって法則1から V2 から R2 を通じて流れる電流 I1は、V2/R2 となります。これが(-)のポイントでI1と合流しますので、それが法則2によりすべて R0 に流れます。I0 = I1 + I2 となります。
それで再び法則1に従って、I0 が R0 により電圧に変換され、電位の基点はゼロですから、Vout = - (V1/R1+V2/R2) x R0 となります。さらに入力の電圧源と抵抗が増えたなら、同じ理屈で増やしていくことが出来ます。
簡単にいうと、他の電圧源から(-)端子に供給された電流の総和を、帰還抵抗で電流電圧変換して出力している、ということです。
では、さらに(+)端子に電位を印加した場合はどうなるでしょうか。
図のように(+)端子に V2 を印加したとします。
すると法則3によって、この電位 V2 はそのまま(-)端子に現れます。そうして、この V2 と V1 の電位差に応じた電流 I1 = (V1 - V2)/R1 が流れます。そしてそのままそれが R0 に流れて電位差 VR0 を作ります。さて、R0 の両端には VR0 なる電位差があるのですが、基点はどうなっているかというと(-)端子の電位なので V2 となっています。そこで Vout は V2 - VR0 になります。
結局、
Vout = V2 - I1 x R0
= V2 - (V1-V2) x R0/R1
ということになります。
要するに(+)端子の電位は、入力電流を決める基点、そして出力電圧を決める基点になっているわけです。

このように(+)端子のところでは電圧を考え、(-)端子のところでは電流を考えると動作が理解しやすいと云うことです。
次回はもう少し他の応用も見てみます。

5つの法則のおさらい。
1.オームの法則
2.キルヒホッフの法則
3.(+)端子と(-)端子は同電位。
4.(+)端子と(-)端子には電流は流れない。
5.オペアンプの出力端子は電圧源。
まずオペアンプの場合は(+)端子の状態から考えます。理由はオペアンプがどう動作していようとこの端子の状態は独立だからです(以降にそうでないアプリケーションも出てきますが)。
この場合は(+)端子はグランド、つまり電位ゼロです。
次に法則3により、(-)端子の電位もゼロです。
そこで、法則1により入力抵抗R1に流れる電流を計算します。
この場合は I1 = V1/R1となります。方向は(-)端子に流れ込む方向が(正)です。
法則2と4により、フィードバック抵抗R0に流れる電流を求めます。法則2によりあるポイントに流れ込んだ電流はすべて出て行かなくてはいけません。法則4から(-)端子には電流が流れませんから、電流 I1はすべてR0に流れます。
法則1により、 I1はすべてR0によって電圧に変換されます。つまり VR0 = I1 xR0 です。VR0はどこを基点に考えるかというと、(-)端子からですので、ゼロを基点として電流が出ていく方向ですから、マイナス方向に電圧が現れます。従ってVout=0-VR0 となって、
Vout =-VR0
= - I1×R0
= -V1 x R0/R1
となります。
法則5によりオペアンプの出力端子は電圧源と考えてその電流すべてを吸い込みますので、こういった動作が可能になります。
まだるっこしい説明になりましたが、一言で言うと上述の5つの法則を満たすようにオペアンプは出力電圧を出す、ということです。
では、次の図のように別に電圧源を用意して、抵抗R2を使って(-)端子に接続してみました。さてどういう出力が出るでしょうか。
電圧源の電圧は V2 とします。

これも全く同じように考えます。
法則3はそのままで、(-)端子の電位はゼロです。よって法則1から V2 から R2 を通じて流れる電流 I1は、V2/R2 となります。これが(-)のポイントでI1と合流しますので、それが法則2によりすべて R0 に流れます。I0 = I1 + I2 となります。
それで再び法則1に従って、I0 が R0 により電圧に変換され、電位の基点はゼロですから、Vout = - (V1/R1+V2/R2) x R0 となります。さらに入力の電圧源と抵抗が増えたなら、同じ理屈で増やしていくことが出来ます。
簡単にいうと、他の電圧源から(-)端子に供給された電流の総和を、帰還抵抗で電流電圧変換して出力している、ということです。
では、さらに(+)端子に電位を印加した場合はどうなるでしょうか。
図のように(+)端子に V2 を印加したとします。
すると法則3によって、この電位 V2 はそのまま(-)端子に現れます。そうして、この V2 と V1 の電位差に応じた電流 I1 = (V1 - V2)/R1 が流れます。そしてそのままそれが R0 に流れて電位差 VR0 を作ります。さて、R0 の両端には VR0 なる電位差があるのですが、基点はどうなっているかというと(-)端子の電位なので V2 となっています。そこで Vout は V2 - VR0 になります。
結局、
Vout = V2 - I1 x R0
= V2 - (V1-V2) x R0/R1
ということになります。
要するに(+)端子の電位は、入力電流を決める基点、そして出力電圧を決める基点になっているわけです。

このように(+)端子のところでは電圧を考え、(-)端子のところでは電流を考えると動作が理解しやすいと云うことです。
次回はもう少し他の応用も見てみます。