はじめに
前回の記事では、録音したアルバム音源(1つの WAV ファイル)から cue ファイルを作成するためのスクリプトを紹介しました。
今回はその全体の流れと、実行に必要な準備を整理しておきます。
まず、このスクリプトの目的を確認しておきます。
「曲名・トラック番号を手入力し、計算が面倒な INDEX を自動計算させることで、cue ファイル作成の手間を大幅に減らす」
INDEX(開始位置)は、WAV を聴いて 最初の 1 つだけ 手動で入力すれば十分で、残りの INDEX はスクリプトが曲時間から自動で積算してくれます。
今回は、このスクリプトを実行するにあたっての準備と、スクリプトがどのような構成で動いているのかを簡単に整理しておきます。
<事前準備と確認>
■ 1. アルバムを録音した WAV ファイル
cue を作成する対象となる 1 つの WAV ファイルを用意する。
例: album.wav
このファイル名が cue の FILE 行にそのまま使われる。=> album.cue
■ 2. WAV に関する基本情報(実行時に手入力する)
スクリプト実行時に、以下の情報を対話形式で入力する。
・アーティスト名
・アルバム名
・ジャンル
・オフセット時間(秒)← 最初の曲の出だし時刻。1.3 秒などと把握しておく。
・総トラック数 ← ※ ここは特に慎重に確認すること
・各曲の曲名
・各曲の所要時間(MM:SS)
曲時間は MM:SS 形式で入力し、内部では
CD-DA の 75 フレーム/秒 に変換される。
総トラック数だけは途中修正ができないため、入力前に必ず確認しておくこと。
■ 3. cue ファイルの保存先フォルダ
スクリプト末尾で保存先フォルダを指定している。
output_folder = "D:\\wave temp"
必要に応じて任意のフォルダに変更できる。WAV ファイルと同じフォルダにしておくと foobar2000 での使い勝手が良い。
■ 4. 文字コード(Shift-JIS)
cue ファイルは Shift-JIS で出力される。
理由:
・Windows の古いプレイヤーが UTF-8 の cue を正しく読めない場合がある
・日本語曲名を含む場合、Shift-JIS の方が互換性が高い
そのため、出力は Shift-JIS に統一している。
<変数対応表>

<コード全体の構造>
■ 1. 型定義(データ構造の宣言)
スクリプトの冒頭では、Metadata(TypedDict) を用いて
cue 作成に必要なメタ情報の構造を定義している。
class Metadata(TypedDict):
performer: str
album: str
genre: str
offset_frames: int
total_tracks: int
この型定義により、スクリプト全体で扱うデータの形が明確になる。
■ 2. 関数定義(処理の部品)
次に、スクリプト全体で使用する関数群をまとめて定義している。
これらは「部品の棚」であり、後の実行部分で組み合わせて使う。
【時間変換関数】
・seconds_to_frames()
・frames_to_mmss()
・frames_to_cuetime()
・mmss_to_frames()
【入力処理関数】
・confirm()
・input_metadata()
・input_tracks()
【cue テキスト生成関数】
・generate_cue_text()
これらの関数が cue 作成処理の基盤となる。
■ 3. 実行部分(スクリプトの本体)
このスクリプトでは main() を使わず、
ファイル末尾に直接「実行部分」を記述している。
metadata = input_metadata()
tracks = input_tracks(metadata)
cue_text = generate_cue_text(metadata, tracks)
この 3 行がスクリプトの中心であり、
ユーザー入力 → INDEX 自動計算 → cue テキスト生成
という一連の流れを実行する。
■ 4. cue ファイルの保存処理
最後に、生成した cue テキストを Shift-JIS で保存する。
output_folder = "D:\\wave temp"
os.makedirs(output_folder, exist_ok=True)
output_path = os.path.join(output_folder, f"{metadata['album']}.cue")
with open(output_path, 'w', encoding='shift_jis') as f:
f.write(cue_text)
保存先フォルダは任意に変更できる。
■ 5. 全体の流れ(まとめ)
1. 型定義でデータ構造を決める
2. 関数群で処理の部品を定義する
3. 実行部分で部品を組み合わせて動かす
4. cue ファイルとして書き出す
Python スクリプトとして非常に素直な構造であり、
上から順に読むことで全体像が理解できるようになっている。
いかがでしょうか。私自身はプログラミングセンスは全くないので、以上の記述は Copilot に任せています。
ただ、素人の自分も分かるように作成してありますので、そこそことっつきやすいのではないでしょうか。
次回は、今回触れなかった実行部分の処理や、各関数がどのように動作しているのかをもう少し詳しく解説していきます。