cue ファイルの作成について、foobar2000 のスライダーを動かして、曲の開始時刻を調べて書き込んでいくという方法を紹介しましたが、曲情報がすでにインターネットから手に入る場合はもっと簡単な方法があります。反則技に近いかも知れません。いや、このご時世ならむしろ当然でしょうか。

前回例に挙げた「クリエーション」の「ロンリーハート+2」を使って説明します。
このような画像を手に入れたとします。

これを生成 AI、なんでもいいですが、Copilot に cue ファイルを生成するように指示します。
その際、ファイルの先頭の空白時間(前の例では約 5秒、ここでは 2秒)を加味して INDEX を計算するようにします。

指示の方法:画像のアップロード
 

「この画像を使って、先頭オフセット 2.00 秒を加味した cue ファイルを作成してください」

画蔵:「やれ」
Copilot:「はい」


これだけです。

こういう cue ファイルが生成されて返ってきます(途中まで。オフセットは 2秒)。

PERFORMER "クリエーション"
TITLE "ロンリー・ハート+2"
FILE "ロンリー・ハート+2.wav" WAVE
  TRACK 01 AUDIO
    TITLE "CARRY ON"
    INDEX 01 00:02:00
  TRACK 02 AUDIO
    TITLE "LONELY HEART (English Version)"
    INDEX 01 03:57:00
  TRACK 03 AUDIO
    TITLE "HEART-BREAKER"
    INDEX 01 07:42:00

  ...

これで cue ファイルが出来ました。これを foobar2000 の Playlist にアップして終了、と云いたいところですが、この方法の場合少々注意が必要です。それは生成された INDEX の値が誤差を持つ可能性があることです。

元のソースは何で作ったか?
たとえばレコードからカセットテープに落とした場合、そのレコードの回転数は絶対的に正しいか、その時に録音したカセットレコーダと、今回再生に使ったカセットプレイヤーの速度は合っているか、など時間軸をわずかかも知れないですが、誤差を持つ恐れがあります。
CD プレイヤーからカセットテープに録音した場合でも CD プレイヤーのマスタークロックの周波数と録音に使った A/D コンバータのクロックが一致しているとは限りません。そのため絶対時刻表示に誤差を持っても不思議ではありません。

早い話が 0.1% の周波数誤差が 60分後 = 3,600秒後には 3.6秒のズレになります。ここまでズレなくても曲最後のアタックが消えてしまったりしたら目も当てられません。スルーで再生していたら気が付きませんが単独再生すると、です。
もう一つ、画像の状態が悪いと Copilot が正しく読み取れず、曲名も時間も間違ったりします。必ず確認しましょう。

よってまずはできた Playlist を再生しましょう。頭出しが正常でしょうか。各曲の最初だけ聴けばいいです。前の曲の最後が残っていないか、その曲の頭が切れていないか、などを確認しおきます。ずれていれば cue ファイルを調整します。メドレーなどのところは微妙ですよね。
たとえば以下の要領です。

  TRACK 02 AUDIO
    TITLE "LONELY HEART (English Version)"
    PERFORMER "CREATION"
    INDEX 01 03:57:00
 <= 必要あればここを微調整する

cue ファイルを更新したら、Playlist を一旦削除して、再度ファイルをドラッグアンドドロップします。

次はファイル分割しましょう。もちろんやらなくても問題ありません。

今展開した Playlist の曲を全選択します。
選択されている状態で右クリック -> Convert -> ・・・ とします。
右側の Current settings において

Output format:分割した結果どのフォーマットにするかを選択します。
Destination:出力先を指定します。アーティスト名フォルダの中にアルバム名フォルダを作って入れるのが推奨です。
ここのオプションで Output style and file name formatting というのがあります。
これはファイル名を何にするかですが、
デフォルトは曲名のみの %title% となっています。
おすすめはトラック番号を先頭にいれる
%tracknumber% %title% です。これは好みです。

 例:Carry On.wav -> 01 Carry On.wav
Processing:特にいじるところはないと思います。何かエフェクトを掛けたい場合ぐらいです。
Other:Transfer metadata(tags) のチェックを入れておくと、後でアーティストやジャンルで整理する際に便利です。


一通り確認したら、Convert ボタンを押して実行します。下のように「ロンリーハート+2」というのの二つ目が現れます。


エラーが出たら,,,Copilot に訊いてみてください。ファイルがない、というのが出たりした場合は cue ファイル内の表記ミス(英字の全角/半角、大文字/小文字など)が原因である可能性があります。なぜ分かるかって?……経験済みというのは、まあ秘密ということにしておきましょう。

 

イメージ 1 ← にほんブログ村「科学」-「技術・工学」へ
 ↑ クリックをお願いします