第八章
「敦煌の夜:其の弐」
夕食は常嘉煌氏主催による記念パーティ。
了典さんは掘り師の一家や助手をしてくれている
大学生達も呼んで盛大に行いたかったらしいが…。
結局、2つのテーブルに計24名ほどの宴となりました。
参加者は了典さん、常嘉煌氏、敦煌市長、
中国の外務省かなんかにあたる機関の敦煌支局長らしき人、
それにツアーの参加者とNHKのクルー、責任者の方、
常氏が巨大壁画を描くために呼んだらしい大学の教授2名。
現場の人間は助手の子が4名ほどのみ。
うーむ……。
なんだか小声の常氏の挨拶でスタート。
彼は日本語も出来るので両方の言葉で挨拶をなさいまして。
その後、市長さん、了典さんの挨拶、お互いの自己紹介など。
俺は誰かと名刺交換するわけでもなく、ただ黙々と様子を
ビデオや写真に撮りつつ、食事をしておりました。
この会場は鳴沙山からほどちかいところにある新しいホテル。
市街地から遠いため値段も安いらしい。
途中で俺は中庭に出て、夕暮れ時の美しい建物を撮影。
してたら、王君も外に出てきまして。
しばらく会話をしておりました。
王君は俺より4~5個年が上らしいんだが見た目は若い。
いつも周りに目を配っているが、
媚びるような真似はしない。
ツアーコンダクターという仕事を誇りをもって
楽しんでいるようだ。
結婚もして子供もいるそうなんで、
いつか俺も家族を持ったらここにくるから、
ここで宴会しよーぜーなどと話しながら。
なんつか初めて会った気がしないんだよなぁ。
昔からの友達みたいな。
ほんとにいい出会いができた。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/31/00/10100030715_s.jpg?caw=800)
宴は無事終わり、一行はホテルへ。
明日は早朝出発ということでみな各々の部屋へ。
俺はというと、そいやお土産買ってなかったなぁ
ということで夜市へ出掛けることにした。
一人で夜の街をぶらぶら。気楽でいい。
何件か周り、最初に言われた値段の1/3以下で
次々と土産物をGET。
店人「これ二つで120元!(日本語)」
俺「たっけーふざけんな!(日本語)」
店人「○×△■…(なにやら中国語)」
俺「たいぐいらー!!(中国語で高い!)」
店人「パーシーパーシー!(80、80!)」
俺「ピエンイー!(安くしてけれ~)」
店人「りゅーしー!(60!)」
俺「さんしー!(30!)」
店人「………」
俺「じゃぁいらない!つぁいつぇん!(さよなら)」
店人「すーしー!(40!)」
俺「OKOK( ̄― ̄)」
すると店人今度は別の品をもってくる
店人「コレ、ウーシー!(50!)」
けっ、その手にのるか!
俺「アルシー!(20!)」
店人「………」
彼が諦めてもちょいよさげな品を手にした瞬間
俺「え?それアルシー???OK???」
店人「Σ(・ε・;) ナヌ!」
俺「にーしーはおはん!(あんた、いい男だ!)」
まぁこんな感じのやり取りが続きましたとさ。
幼い頃よりマージャンをやっていたおかげで
中国語はわからんが数字だけはすぐに脳内変換できる。
大学受験日前に徹マンなんぞして
棒にふった経験が今生きたよ。かあさん!w
まぁ元値自体がすさまじく安いだろうからね。
それにしても店人は俺との商談のあと、
げっそりしてて他の店の人から慰められてた。
悪人ですか?俺。
でも帰りにその露店の前通ったらさっきのおっさんが
懲りもせず声かけようとして、俺だと気づくと笑ってた。
「お代官様にはかないませんやぁ!」みたいな顔で
こっちを指差して笑ってた。俺も負けじと
「お主もなかなか悪よのぉ!越後屋!」
みたいに笑い返しておいた。
実際俺が使った金額は日本円では1500円くらいなんだが
彼らにとってはいい稼ぎだったんだろうなぁ。
月の平均サラリーは1万ちょいくらいだといってたし。
金銭感覚のギャップは大きいけど、
人との会話ってのは面白いもんだ。
その後は王君に教えてもらった地元の酒屋で
身振り手振りで敦煌酒もGET。
両手に荷物を抱えた俺は一人、ホテルへと帰っていった。
特になにか悪さするわけでもなく。いい子でした。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/e7/7a/10100030856_s.jpg?caw=800)
第九章
「そして首都へ」
朝8:30の飛行機、
ゆえに7:30に出発、
ゆえに7:00に朝食、
ゆえに6:30にバッゲージアウト、
ゆえに5:30に起床。??
ねむーっ!逆算失敗。
早く起きすぎた。
今日で敦煌を離れる。
乾燥した気候、
欠かせないミネラルウォーターのペットボトル。
夜は昼の熱射のせいでやや鼻血の気配。
でもなんかこの街が気に入った。
特に鳴沙山にはまた是非来たい。
まぁこの仕事続けるのであれば
必然的にまた来るだろうな。
敦煌からのフライトでは右の窓側座席をGET。
眼下に広がるゴビ砂漠や中国らしい空の景色を撮影。
3時間ほどで北京に到着。ずーっと空を見ていた気がする。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/33/16/10100031038_s.jpg?caw=800)
北京は中華人民共和国十数億人を束ねる首都。
最近はめっきり近代化が進み、
場所場所によって景色がだいぶ違う。
そういや江戸も似たようなもんだな。
ただ緑の量は江戸よりは多そう。
到着した我々はガイドの王さん、
そして北京で合流した謝さんというガイドとともに
マイクロバスに乗り込みまずは昼食をとりにレストランへ。
-(ノ゜Д゜)八(゜Д゜ )ノイエーイ北京料理~!
とおもいきや。
うーむ。たいした驚きはないなぁ。
1階は土産物屋。萎え。
これだから団体ツアーは…w
![](https://stat.ameba.jp/user_images/e7/49/10100031512_s.jpg?caw=800)
第十章
「万里の長城」
で、観光ですよ。どこへって、あそこですよ!あそこ!
月から見える唯一の建造物。万里の長城。山の尾根沿いに
およそ6000kmに渡り続く世界的な建造物。
2500年前の群雄割拠時代に諸国により築かれはじめ、
秦の始皇帝がそれらを繋ぎ、前漢の武帝時代、明の時代と
大規模な修復が行われた。多くは崩壊しかけていて
観光客が歩けるスポットは決まっている。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/3f/4a/10100031792_s.jpg?caw=800)
日曜日と道路工事の為、渋滞があるとのことで
ロープウェイは断念、一行はとりあえず行けるところまで
バスを走らせてもらった。
ここでどちらかの道を選ぶことになる。
急な男坂、緩やかな女坂。
俺は無論男坂を選んだ。
時間がさほど無いため、制覇するのは難しそうだが
とりあえず挑戦してみる。
歴史深い万里の長城を踏みしめながら、
俺は鳴沙山での砂山登りと現代石窟プロジェクトを思った。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/cb/20/10100031679_s.jpg?caw=800)
いや、すんません、かっこつけました。
ぐへへ、てへへなことを考えていました。
一歩一歩進んでみよう。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/a4/8c/10100032313_s.jpg?caw=800)
坂はだんだん急になる。
垂直かよと思えるほどの急坂、そして階段。
およそ15分ほどかけて最高地点に到着。
つか、絵葉書だの写真だの、売り子うざすぎ!
不要(ぶーやぉ)連発ですよ。
しかも写真を撮ってると近寄ってきて
なんかスリっぽい気配。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/d9/b5/10100032082_s.jpg?caw=800)
うざい…うざすぎる。
せっかくの景色が台無しだ。
それでも更に5分ほど歩き、終点まで到達してみた。
謝さんの話では最後まで行くと
好漢(ハオハン=いい男)らしい。
で、望みが叶うらしい。
にひひ。ぐへへへ。俺はいい男です。好漢です。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/58/d8/10100031996_s.jpg?caw=800)
んが、ここにも待ち構えている売り子軍団。
うざい。まじうざすぎる。
まぢで回し蹴りする5秒前。
彼らにも生活があるのよ!
と優しい皆さんは思われるかもしれませんが
俺はそこまで人間できておりませんので。
うざいものはうざいのです。
日本て物価は高いけどいい国だなと思いました。
観光地であんな思いしたことないもんな。
民度の違いというと叱られるかもしれないが…。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/59/93/10100032235_s.jpg?caw=800)
しかしまぁ鳴沙山といい、長城といい、
なんだかがむばってるね。俺。
普段ならありえないが。
何が俺をそこまで駆り立ててるのか。
ふふふ。
うふ。
まぁがむばる事はいい事だ。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/bb/63/10100032392_s.jpg?caw=800)