固茹西遊記~第八章~第十章 | 固茹日記

固茹日記

はーどぼいるどな俺がお届けするロマンティック活劇的日常

2004年09月25日(土) 付

第八章
「敦煌の夜:其の弐」

夕食は常嘉煌氏主催による記念パーティ。
了典さんは掘り師の一家や助手をしてくれている
大学生達も呼んで盛大に行いたかったらしいが…。

結局、2つのテーブルに計24名ほどの宴となりました。
参加者は了典さん、常嘉煌氏、敦煌市長、
中国の外務省かなんかにあたる機関の敦煌支局長らしき人、
それにツアーの参加者とNHKのクルー、責任者の方、
常氏が巨大壁画を描くために呼んだらしい大学の教授2名。
現場の人間は助手の子が4名ほどのみ。
うーむ……。

なんだか小声の常氏の挨拶でスタート。
彼は日本語も出来るので両方の言葉で挨拶をなさいまして。
その後、市長さん、了典さんの挨拶、お互いの自己紹介など。
俺は誰かと名刺交換するわけでもなく、ただ黙々と様子を
ビデオや写真に撮りつつ、食事をしておりました。
この会場は鳴沙山からほどちかいところにある新しいホテル。
市街地から遠いため値段も安いらしい。

途中で俺は中庭に出て、夕暮れ時の美しい建物を撮影。
してたら、王君も外に出てきまして。
しばらく会話をしておりました。
王君は俺より4~5個年が上らしいんだが見た目は若い。
いつも周りに目を配っているが、
媚びるような真似はしない。
ツアーコンダクターという仕事を誇りをもって
楽しんでいるようだ。
結婚もして子供もいるそうなんで、
いつか俺も家族を持ったらここにくるから、
ここで宴会しよーぜーなどと話しながら。
なんつか初めて会った気がしないんだよなぁ。
昔からの友達みたいな。
ほんとにいい出会いができた。





宴は無事終わり、一行はホテルへ。
明日は早朝出発ということでみな各々の部屋へ。
俺はというと、そいやお土産買ってなかったなぁ
ということで夜市へ出掛けることにした。
一人で夜の街をぶらぶら。気楽でいい。
何件か周り、最初に言われた値段の1/3以下で
次々と土産物をGET。

店人「これ二つで120元!(日本語)」
俺「たっけーふざけんな!(日本語)」
店人「○×△■…(なにやら中国語)」
俺「たいぐいらー!!(中国語で高い!)」
店人「パーシーパーシー!(80、80!)」
俺「ピエンイー!(安くしてけれ~)」
店人「りゅーしー!(60!)」
俺「さんしー!(30!)」
店人「………」
俺「じゃぁいらない!つぁいつぇん!(さよなら)」
店人「すーしー!(40!)」
俺「OKOK( ̄― ̄)」
すると店人今度は別の品をもってくる
店人「コレ、ウーシー!(50!)」
けっ、その手にのるか!
俺「アルシー!(20!)」
店人「………」
彼が諦めてもちょいよさげな品を手にした瞬間
俺「え?それアルシー???OK???」
店人「Σ(・ε・;) ナヌ!」
俺「にーしーはおはん!(あんた、いい男だ!)」

まぁこんな感じのやり取りが続きましたとさ。
幼い頃よりマージャンをやっていたおかげで
中国語はわからんが数字だけはすぐに脳内変換できる。
大学受験日前に徹マンなんぞして
棒にふった経験が今生きたよ。かあさん!w
まぁ元値自体がすさまじく安いだろうからね。
それにしても店人は俺との商談のあと、
げっそりしてて他の店の人から慰められてた。
悪人ですか?俺。

でも帰りにその露店の前通ったらさっきのおっさんが
懲りもせず声かけようとして、俺だと気づくと笑ってた。
「お代官様にはかないませんやぁ!」みたいな顔で
こっちを指差して笑ってた。俺も負けじと
「お主もなかなか悪よのぉ!越後屋!」
みたいに笑い返しておいた。

実際俺が使った金額は日本円では1500円くらいなんだが
彼らにとってはいい稼ぎだったんだろうなぁ。
月の平均サラリーは1万ちょいくらいだといってたし。
金銭感覚のギャップは大きいけど、
人との会話ってのは面白いもんだ。

その後は王君に教えてもらった地元の酒屋で
身振り手振りで敦煌酒もGET。
両手に荷物を抱えた俺は一人、ホテルへと帰っていった。
特になにか悪さするわけでもなく。いい子でした。






第九章
「そして首都へ」

朝8:30の飛行機、
ゆえに7:30に出発、
ゆえに7:00に朝食、
ゆえに6:30にバッゲージアウト、
ゆえに5:30に起床。??
ねむーっ!逆算失敗。
早く起きすぎた。

今日で敦煌を離れる。
乾燥した気候、
欠かせないミネラルウォーターのペットボトル。
夜は昼の熱射のせいでやや鼻血の気配。
でもなんかこの街が気に入った。
特に鳴沙山にはまた是非来たい。
まぁこの仕事続けるのであれば
必然的にまた来るだろうな。

敦煌からのフライトでは右の窓側座席をGET。
眼下に広がるゴビ砂漠や中国らしい空の景色を撮影。
3時間ほどで北京に到着。ずーっと空を見ていた気がする。





北京は中華人民共和国十数億人を束ねる首都。
最近はめっきり近代化が進み、
場所場所によって景色がだいぶ違う。
そういや江戸も似たようなもんだな。
ただ緑の量は江戸よりは多そう。

到着した我々はガイドの王さん、
そして北京で合流した謝さんというガイドとともに
マイクロバスに乗り込みまずは昼食をとりにレストランへ。
-(ノ゜Д゜)八(゜Д゜ )ノイエーイ北京料理~!
とおもいきや。
うーむ。たいした驚きはないなぁ。
1階は土産物屋。萎え。
これだから団体ツアーは…w







第十章
「万里の長城」

で、観光ですよ。どこへって、あそこですよ!あそこ!
月から見える唯一の建造物。万里の長城。山の尾根沿いに
およそ6000kmに渡り続く世界的な建造物。
2500年前の群雄割拠時代に諸国により築かれはじめ、
秦の始皇帝がそれらを繋ぎ、前漢の武帝時代、明の時代と
大規模な修復が行われた。多くは崩壊しかけていて
観光客が歩けるスポットは決まっている。





日曜日と道路工事の為、渋滞があるとのことで
ロープウェイは断念、一行はとりあえず行けるところまで
バスを走らせてもらった。

ここでどちらかの道を選ぶことになる。
急な男坂、緩やかな女坂。
俺は無論男坂を選んだ。
時間がさほど無いため、制覇するのは難しそうだが
とりあえず挑戦してみる。

歴史深い万里の長城を踏みしめながら、
俺は鳴沙山での砂山登りと現代石窟プロジェクトを思った。






いや、すんません、かっこつけました。
ぐへへ、てへへなことを考えていました。
一歩一歩進んでみよう。





坂はだんだん急になる。
垂直かよと思えるほどの急坂、そして階段。
およそ15分ほどかけて最高地点に到着。
つか、絵葉書だの写真だの、売り子うざすぎ!
不要(ぶーやぉ)連発ですよ。
しかも写真を撮ってると近寄ってきて
なんかスリっぽい気配。





うざい…うざすぎる。
せっかくの景色が台無しだ。
それでも更に5分ほど歩き、終点まで到達してみた。
謝さんの話では最後まで行くと
好漢(ハオハン=いい男)らしい。
で、望みが叶うらしい。
にひひ。ぐへへへ。俺はいい男です。好漢です。





んが、ここにも待ち構えている売り子軍団。
うざい。まじうざすぎる。
まぢで回し蹴りする5秒前。
彼らにも生活があるのよ!
と優しい皆さんは思われるかもしれませんが
俺はそこまで人間できておりませんので。
うざいものはうざいのです。

日本て物価は高いけどいい国だなと思いました。
観光地であんな思いしたことないもんな。
民度の違いというと叱られるかもしれないが…。





しかしまぁ鳴沙山といい、長城といい、
なんだかがむばってるね。俺。
普段ならありえないが。
何が俺をそこまで駆り立ててるのか。
ふふふ。
うふ。
まぁがむばる事はいい事だ。