という中国のことわざがありますが、
直訳すると「良い馬は一度通った道に生えている草を食べに戻らない」。
つまり、気骨のある人は過去を振り返らず、
前に進み続けるという意味です。
私自身も、この言葉を信念としてきました。
振り切ることで前に進んできたことが、
これまで数多くあります。
特に転職においては、「二度と振り返らない」と心に誓い、
いくつもの壁を乗り越えてきました。
けれど最近になって、ふと思うのです。
――意固地になってまで振り切る必要は、本当にあったのだろうか?
確かに腐れ縁なら切るべきかもしれません。
でも、そうではない場合、その潔さの陰で、
心を寄せてくれた相手から見れば、ただ薄情に突き放され、
裏切られたような気持ちにさせてしまったのではないか、と。
そんな気持ちで自分のキャリアを振り返り、
数年前に退職した職場の元ボスに初めて連絡をしてみました。
「着信だけ残せば、折り返す気があればかかってくるだろう」
――軽い気持ちで電話をしてみたら、
思いがけず元ボスはすぐに電話に出てくださり、
数分間でしたがお話しすることができました。
「連絡をくれてありがとう。
変わらない声を聴いてとても頼もしく感じた。
台湾から帰ってきたら、ぜひ遊びに来てください」
そう言っていただき、胸があたたかくなりました。
調べてみると、
日本には「好馬不吃回頭草」にあたることわざはないようです。
むしろ日本では、「過ぎたことは水に流せ」という言葉の方が重んじられてきました。
それは「過去にこだわらず許す」「心のわだかまりを手放す」という、
寛容さや前向きさを表しています。
私の人生の前半は、
振り切ることでとことん前へ進めました。
でも、ここからの後半は――
一度つながったご縁を大切に整理しながら、
自分の人生をより豊かにしていきたいと思います。
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