予備試験の論文型模試だと、素点を合計して順位を出しますが、司法試験の論文型模試だと、採点者の甘さ辛さの格差を調整するため、偏差値換算して点数を出しています。

 

 前回の記事では、偏差値ネタを書いてみましたので、今回は、偏差値を使って予備試験の点数を考えてみます。予め断っておきますが、予備論文の成績表が郵送され、気になっている方向けの、お遊び的な記事ですので、悪しからず。

 

 

1 少なくとも、素点ではない

 

 予備論文の本試験の点数を見るに、一桁順位でも500点満点で300点前後であることが多いことから、1教科平均で30点ほど。論文11位の私は、A6個、B1個、C3個(法律実務基礎を2個とカウント)で292点強でしたが、5位以内の人ならオールAかもしれません。

 

 そのオールAでも、せいぜい1科目平均で30点強ですから、おそらく偏差値換算しているのでしょう。いくら予備論文の本試験の出題が、予備校答練・模試とは違う、少し捻った問題でも、合格者の中でトップ層なら、素点ベースで8割を超えている可能性が高いでしょうから、偏差値換算による加工がされていると考えるのが自然でしょう。

 

 御存じの方も多いでしょうが、偏差値は、

(偏差値)=((自分の点)―(平均点))÷(標準偏差)×X+Y

という公式算出されれ、我が国の模試等で学力を計測する場合、X=10、Y=50です。

 

 

2 偏差値換算方法の仮説

 

 予備試験では、例えば、Aが上位300位以内ですので、2500人(母集団を概数でこのように設定します)中300位なら、Aの下限は上位12%相当です。

正規分布のパーセンタイルを踏まえれば、上位12%なら偏差値が約61.5です。また、上位50%なら、あくまで正規分布に沿っていれば、偏差値50でしょう。仮に偏差値を2で割って点数とするなら、平均点が25点になってしまい、単純に10倍すると250点になり、全科目平均点を取れば合格してしまうことになり、これは、全科目Dでも合格することになりますので、単純に偏差値を2で割ることはないのでしょう(この方法だと、上の公式ではX=5、Y=25)。

 

 上の公式でA、Bそれぞれの値をどうすれば辻褄が合うか、考えてみましょう。

 例えば、Bは301~600位で、その中間は450位、偏差値が約59です。

 また、Cは601位~900位で、その中間は750位、偏差値が約55です。

 Bを5つ、Cを5つ揃えると、論文ギリギリ合格水準と考えられる(https://ameblo.jp/amuroray0093/entry-12321951520.html)ので、1科目平均の偏差値が57となります。仮にBの階級値とCの階級値の中間だから、全科目がBの下限又はCの上限でもあるわけです。

 2013年に論文合格者が400人近くになってから、230点~245点が合格最低点で、仮に235点を標準的な合格最低点とします。1教科あたりの点数が23.5点です。これが偏差値57に相当するとなると、X=5、Y=20がほぼ一致することになります。

 この算出方法だと、Aの下限は約25.8点、Bの下限は約23.5点、Cの下限は約21.8点、Dの下限は約20.3点、Eの下限は、約18.8点となります。

 階級値が、仮に境目と境目の中間だとすれば、天井知らずのA、底なしのFを除けば、Bが約24.7点、Cが約22.7点、Dが約21.1点、Eが約19.6点となります。Fは、非常に幅広いものと考えられます。

 

 ただ、これは、あくまで受験者が正規分布上にいることを想定したものなので、自分の成績に当てはめても、Aが高過ぎる点数になって不自然になることもあるので、あく仮説です設です。

 昔の投稿で推測したように、A~Fの各分類の幅がもっと広いのかもしれません。私の場合、合格最低点が230点の年で、論文採点対象者が2199人とやや少ないので、そのまま当てはまらないにしても、これを当てはめると、Aを取った6科目の平均が約33点(普通の偏差値の出し方だと76相当)と、流石に高過ぎる(科目別偏差値で75以上を6つも取れたら、ちょっと異常です。流石にそれこまで抜きん出た答案を書けたとは思えません)ので、上記の計算は、あくまで「お遊び」と解すべきかもしれません。

 

 試しに、去年の予備試験の成績を公開していた合格者のブログで計算したら、その人のAを取った科目の平均が38近くになり、これだと普通の偏差値なら86相当になり、これも異常結果になってしまいました。