民法について、オススメ教材を紹介していきます。
参考に、私の論文成績は以下の様になっています。途中から安定してきました。特別な勉強をした記憶はないので、平成25年の頃には典型論点をマスターできていたのだと思います。
・平成23年:E(予備不合格)
・平成24年:C(予備不合格)
・平成25年:A(予備不合格)
・平成26年:A(予備不合格)
・平成27年:A(予備合格)
・平成28年:A(新司合格)
基本書・教科書・予備校テキスト
・「趣旨・規範ハンドブック」(辰巳法律研究所)
典型論点をカバーする目的。基本的に、本書記載の論点は、本番で「みんなが書けること」に当たると考えてよい。情報量の多さと正確さから、これに書き込んでインプット情報の一元化に使う。他の論証集や問題集の論証の方が優れている論点については、余白にそれを書き写す。
第1回予備試験に落ちてから読むようになったが、第2回予備試験までに読み込む時間がなく、第3回予備試験以降、空いた時間に何度も目を通し、自信のない論証を書きなぐって覚えるようになった。
予備試験受験後はあまり使わなくなった。
・「工藤北斗の論証集」
書店で取り扱っているもの。
「趣旨・規範ハンドブック」と違い、文章の形で網羅的に論証が載っているので、実際に論証を書くとどんなものになるかイメージをつかみやすい。また、論証に至るための理由付けから始まっていることが多いため、この点は「趣旨・規範ハンドブック」よりも親切。
ただ、論証としてはやや冗長なので、「趣旨・規範ハンドブック」でキーワードを確認しつつ、並行して読むことで、自分なら本番でどう書くかを考えながら使うとよい。
「趣旨・規範ハンドブック」に載っていない、意思表示の瑕疵と代理の論証が載っているのは良い。
ちなみに、学者の基本書や教科書は使っていません。一時期、リーガルクエストを使おうと思ったのですが、刊行されていない分野があることから中途半端になりそうで止めておきました。
2.判例集
・百選Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ
有斐閣のもの。少なくともⅠとⅡは、難解な解説を除いて一読すべきだが、Ⅲは財産法分野と直接関わりのあるもののみ読めばよい。
判旨自体は、論点学習を通じて分かっているので読まなくてもよいとも思えますが、事案を素早く把握する訓練に使えるのでは。
3.問題集
・「伊藤塾試験対策問題集 論文3」(弘文堂)
短文で論点そのものを直球で問われる問題が多くあり、論点落としをしない訓練によい。
旧司法試験時代にメジャーだったと思われる論点もあり、死角のない勉強につながるのでは。
第1回予備試験に落ちてから使い、第3回予備試験の前には使わなくなった。時期的に、実力向上に最適。
・「論文の森」(LEC東京リーガルマインド)
受験生なら書けないといけない論点が標準的な難易度で出題されている問題集として使った。
答案をフルで書くよりも、15分以内で答案構成をし、参考答案を確認して論点毎に不安のあるところを不要な紙に書いて覚えることを繰り返した。
忙しくて旧司法試験過去問を全て解く時間がなくても、必要なものは載っているので、これを解けばよい。
使い始めたのは平成24年秋から。本書が簡単だと思ったときには予備試験には合格できよう。
4.短答対策知識インプット用
・「完全整理択一六法」(LEC東京リーガルマインド)
世間で「完択」と呼ばれているもの。辰巳の条文・判例本よりも、こちらを推す。情報量の多さと、よく整理されている点から。
読み始めたのは平成23年試験前から。
・「条文・判例本」(辰巳法律研究所)
当初、上記の完択の情報量が多すぎるように見えて敬遠していた頃に使った。論文試験とのつながりを解いてくれているのは親切であるが、完択と違い分冊になっているので使いにくく、論文式試験の論点を網羅してしまうと完択しか使わなくなった。