予備試験合格者は司法試験を受ければ、20歳代の場合、約9割が合格しています。他方で、30歳代以上になると、ガクッと司法試験合格率が落ちています。

 

 法務省公表データでは、予備試験出身者の年齢や職業等は判明しているものの、特定の年齢層の人々の職業がどうなっているかまでは不明です。

 以下では、あくまで、私が気付いた、意識的に気を付けるべきことを述べます。

 

1.予備校の答練・模試は絶対に受ける

 

 予備試験受験者であれば、問題演習の大切さを分かっている筈なので受けないことはないと思いますが…。

 

 70分で4ページの答案を書いていたのが、120分で8ページの答案を書くことになるので、形式に慣れるのは不可欠です。

 

アウトプットが主、インプットが従です。予備試験に合格した時点で、インプットの必要はない筈ですが、弱点が見つかれば、その都度確認することに。

 

 

2.空き時間は選択科目対策を優先的に

 

 予備試験合格者にとって対策が最も遅れているのは選択科目対策です。演習の絶対量も少ないので。

 

 

3.過去問を解く

 

 出題主旨や採点実感を読みつつ。

 

伊藤塾は過去問を解いてから自社の答練を受けろと言っていました。私は伊藤塾の答練も模試も受けなかったのですが、過去問演習と予備校答練は同時並行ですればよいと思います。

 

 

4.相対的苦手科目への注力

 

(1)相対的苦手科目対策はほどほどに

 

 予備試験合格者とて、全科目が得意な人はそういません。私は予備試験に合格したときに論文11位でしたが、それでも行政法はC、民訴法はB(法律実務基礎はC。他は全てA)でしたし、合格する以前の年だと民訴法は常にEかFと特に悪かったです。

 

 では相対的苦手科目への注力をするべきか?私はあまりしなくてよいと思います。

確かに、苦手科目で足切りにあっては目も当てられませんし、自分の司法試験の結果を見返すと、Cだった民訴法について、判例百選を読み込んでおけばもっと順位を上げられたのにと思います。

 

(2)司法試験は予備試験とでは、低評価の科目の意味が違うのではないか

 

しかし、それ以外の得意科目で安定して高得点を取れるようにしておくことも同じくらい重要です。

 

というのも、おそらく、予備試験よりも司法試験の方が得意科目の点数が伸びやすく、得意科目で欲張ることが重要だからです。平成27年で比較すると、予備試験の論文トップ合格者の総合得点率は65%。他方で司法試験のそれは約73%。予備試験のトップ合格者が仮に法律系科目はオールAで般教養がFだったとし、Fだと1ケタの点数しかつかないと仮定した場合でも、せいぜい法律系1科目で35~36点(得点率は約7割)取れているに過ぎず、論文得点率は司法試験の方が高まります。予備試験論文合格者のトップ層は高学力なために一般教養もできているとすれば得点率は約6割ですが、司法試験だと6割しかとれていないと300番あたりまで下がることになります。

 

予備試験において1つの科目で40点を取れていることは、トップ合格者でさえほぼいないでしょう。他方で単純比較はできないにしても、司法試験では、トップ層であれば系別でも8割を取ることは珍しくないので、科目に分解すれば8割オーバーの科目が結構ある筈です。

 

なお、点数の下限だと、予備試験で恐ろしく合計点の足を引っ張るFはおそらく10点未満といわれており、得点率は約2割弱ですが、これは1501位以下なので全体のおよそ下3分の1になるので簡単にFがつき、そのダメージは計り知れません。平成27年は1科目平均約23点で合格できましたが、50点満点の試験で1ケタの点数と23点の差は果てしなく大きいのです。

他方で、司法試験では系別の足切りになることはなかなかなく、平成27年では、どの系別でも下位約3分の1の点数は得点率が4割強、1840位付近だと得点率が5割を少し超えた程度になり、予備試験ならFに入る相対順位の点数とギリギリ合格レベルの点数とで、そんなに差がないのです。

 

 以上から、司法試験は予備試験に比べて、相対的苦手科目を心配するよりも得意科目でガンガン点を取る方が戦略的なのではないでしょうか。

 

 

5.司法試験用に自分の受講した予備校の答練等

 

 少しでも参考になればと思い、以下で列挙します。

 

・LEC東京リーガルマインド論文パーフェクト答練(分析編・実践編、労働法)

  •      〃      全国公開模試(セミファイナル編・ファイナル編)

・辰巳法律研究所論文パーフェクト答練(第1クール・第2クール)

・   〃   選択科目集中答練(労働法)

・   〃   過去問答練

・   〃   論文公開模試

・   〃   総択

 

 とにかく土日や休みの日にこれをやって、平日の隙間時間にインプットや記憶事項の確認をするということですね。やることは極めて単調です。アウトプットの出来が悪いと落ち込んだりするので気持ちは単調ではないのですが。

 

 今後は、科目別、個別テーマ別に書いていこうと思います。