私の冤罪事件。こうして私は虚偽の自白をした。そして新犯人は?
激しい風雨が吹き荒れた翌朝の出来事である。
休日の我家は少し遅めの朝をむかえた。
妻が台所の水道の音に気づき、布団の中から「水を出しっぱなしにしたのは唯れ?」と叫んでいる。その悲鳴のような声に反応して飛び起きた。台所に行くと水道の水が全開で流れていた。
水道を閉め忘れた犯人は唯れか? 妻と5才の娘と私の3人家族。皆が私を疑う。
確かに昨夜は私が最後に寝た。寝る直前に飲みほした缶ビールの空き缶を台所の水道で洗い、ゴミ箱に捨てたところまでは確実に覚えている。そのとき、水道を止めたかどうかの気憶が曖昧であり、止めた確信がない。日常日課となっている無意識の行動は、とかく細部の気憶がないものだ。最後に水道を使ったのは私。状況からして私は完全に不利な立場にある。
家族の問いつめに対して「はい。私がやりました。すみませんでした。」と自白した。
頭の中では6時間以上も全開で出しっぱなしにした水道代がいくらになるだろうと計算をくりかえしながら青ざめていた。
少し落ちついたところで、もう一度、犯行現場である台所に行ってみた。
↓現場の写真(真犯人の手掛かりが...)
台所の壁にはゴム吸盤のフックに器具類が掛けられているが、ー部落下したあとがある。
昨夜の異常気象は発達した低気圧の影響と聞く。この影響で部屋の気圧も変化し、ゴム吸盤が外れたと推察される。因みに我家の水道はレバーを下げると水が出る。壁の器具が落下して水道のレバーを押し下げてしまったのに違いない。
かくして私の冤罪は、晴れた。
人は追い込まれた状況下だと虚偽の自白をしてしまうものである。
そのことを痛感した出来事であった。
また、水道のレバーは地震災害時を考慮すると、下げると止まり、上げると水が出る方式が良い。
最近のマンションでは、こうした理由から下げると止まる方式が増えているようだ。
下げると出る方式の水道を使っているご家庭は、器具類の落下に気をつけてください。
それにしても水道代が心配だぁ~~~