5月1日(曇り)
今日は、彼氏の18歳の誕生日。
私の誕生日は7月7日だから
約2ヶ月間ひとつ年下になってしまう。
誕生日プレゼントは、彼がずっと欲しがっていたヘッドフォンをプレゼントした。
誕生日プレゼントにこんなに迷ったのは人生で初めてだった。
彼がもらって喜ぶプレゼントは果たして何だろう?
手作りのケーキはきっと家族で祝うからやめた方が良い。
ペアキーホルダーは一緒に買う約束をしていたし
年に一度の一大イベントなのだから、安っぽいプレゼントは避けたい。
誕生日の何週間も前から頭を抱えて迷ったあげく
今一番彼が欲しい物が一番喜ぶだろうという結論に達した。
「誕生日プレゼント、何が欲しい?」
と前に一度聞いたことがあったけれど
「お前にもらえる物なら、なんでも嬉しいし大切にする」
と、嬉しいような
逆にさらに困ってしまうような返答が返ってきた。
ただ、私は以前彼とショッピングをした時に
「このヘッドフォン欲しい」
と彼が買おうかどうか迷っていたことを覚えていた。
これだっ!
と思った。
予想通り彼はものすごく喜んでくれて
高音質だとか迫力があるだとか言いながらかなり気に入ってくれているらしい。
彼が喜ぶ顔を見るのは
私もすごく嬉しい。
「どうしよっかなー、お前の誕生日プレゼント…」
「2ヶ月も先の話だね♪」
「んー、指輪(笑)?」
「気が早い!てゆうか、ネタバレしないでよ」
「まぁな。いつか必ず指輪は買うけどな♪」
「うん…待ってるよ。」
「うん。」
この会話を繰り返したのは何度目だろう。
まだ私たちは高校生だけれど
二人の未来がこの先一本の線に繋がることを
私も彼も強く願っている。
昨日のデートのファミレスで昼食を食べていた時も
やっぱり私たちはそんなような会話をしていた。
彼は食べ終わるのが早い。
ううん、違う
私が遅いだけなのかもしれない。
私がドリアを口に運んでいると
ふと彼の視線を感じた。
時々彼は、何も言わずに
ただじっと私を見る時がある。
「何?」
と聞くと
「いや、なんでも?」
と笑ってこたえる時もあれば
「なんか、可愛いなぁと思って。」
と照れくさくなるようなこたえを真顔で言ってくる時もあった。
でも私はその視線が嫌いじゃなかった。
ずっと側で温かく見守っていてくれるような
そんな安心感を彼は与えてくれた。
私たちは、本当によく喋る。
おばさんの立ち話のようにベラベラとうるさく喋るのではなくて
思い出話や、テレビ番組の話や、その他もろもろの雑談をしていると
あっという間に時間が過ぎてしまうのだ。
ファミレスで5時間もノンストップで話し込んだ時は
さすがに店員さんが黙っていなかった。
何度も意味ありげな視線を送ってきては
ついにはつかつかと私たちのもとへ歩いてきて
「こちらの食べ終わったお皿を、おさげしてもよろしいでしょうか?」
とややトゲのある言い方でたんたんと述べた。
店員さんが厨房に戻ってからは、もう私たちは爆笑だ。
「さすがに長居しすぎちゃったね。」
「今の帰れって言いたそうだったよね?(笑)」
「うん。なんか若干キレてたしね」
「帰ろっか」
「出よう、出よう。」
とまぁこんな調子。
5時間もファミレスで一緒にいて、こんなにたくさん話しても
どれだけ話しても
ぜんぜん話題はつきなくて、話したいことはまだまだたくさんあって
伝えなきゃいけないことも山ほどあって
もっと一緒に笑っていたくて
でも帰らなくちゃいけなくて…
それが恋だった。
彼と一緒にいない時は次のデートが待ち遠しくて
時間が早く進みはしないかと願うのに
彼と一緒にいるとこのまま時間が止まればいいのにと何度も願った。
次に逢えるのは明後日。
明後日は彼の家で家デートです。
早く明後日にならないかなぁ
とそんなことを考えながら
今日はこの辺で…
-END-