The fall of the postural-structural-biomechanical model in manual and physical therapies: exemplified by lower back pain
(手技療法、理学療法等における)
姿勢・構造・生体力学モデルの崩壊:腰痛を例にして
前回も書きましたが
元々当院でも
「ストレートネックとか骨盤の傾きとか、痛みの原因にはならないと思いますよ~」と
患者さんにお伝えしてました
↑こちらのデータでは
1957年の方は健康な人と腰痛の人を集めて
それぞれどんな変形や背骨の問題があるのかを調べたデータです
グラフを見て分かるように
あまり差がないことが分かると思います
1992年のデータは急性と慢性と健康な人で比べたもので
同じような結果ですね
退行変性と慢性腰痛の関係がちょっとだけ多いかもしれません
未だによく患者さんに言われますが
「背骨の隙間が狭くなっていて腰が痛い」という話です
↑こちらのデータでは1957年の方で
健康な人で30%、腰痛の人で20%ぐらいの数値です
痛みのない人の3割はあなたと同じ状態です
「じゃあなぜあなただけそんな痛みを感じるのか」
そういう部分を考えるのが大事だと思いますヨ
今回ご紹介する研究データは10年ほど前の論文で
システマティックレビューでエビデンスレベルの高いデータと言われています
内容はショッキングなもので
当時も批判や反論が相次いだそうです(今もあるっぽい)
かといってこれらのデータが間違っているとも個人的には思ってませんが……
なによりこういう論文が発表されたり
日本も2012年の腰痛ガイドラインで
原因が画像診断(レントゲンやMRIなど)で分かる腰痛は15%で
非特異的腰痛(原因がわからない腰痛)が85%という話がありました
鍼灸のデータが間違っている腰痛ガイドライン2019では、
椎間関節性22%、筋・筋膜性18%、椎間板性13%、脊柱管狭窄症11%、椎間板ヘルニア7%、仙腸関節性6%、非特異的腰痛22%
と言われています
この10年でレントゲンやMRIに腰痛が写りだしたようです
しかし、そういったガイドラインでも、
腰痛に対し脊椎固定などの手術と
認知行動療法や運動療法などの非手術治療は
同等の推奨度となっています
…脱線して本題に入れませんすいません(-_-;)
本題の論文を少し触れておきます
手技療法および理学療法における
姿勢・構造・生体力学モデルの崩壊 :腰痛を例に
手技療法士や理学療法士は、さまざまな筋骨格系の状態の原因を確認するために、
postural 姿勢 - structural 構造 - biomechanical 生体力学 (PSB) モデル
をよく使います。
姿勢の偏り、身体の非対称性、病態メカニズムは、
多くの筋骨格系の状態の素因/維持要因であると考えられています。
PSB モデルは、徒手技術の選択や処方された運動など、
臨床評価と管理においても重要な役割を果たします。
しかし、最も重要な疑問は一貫して無視されています
―――――人の身体的形状、姿勢、構造、生体力学が腰痛の原因となり得るでしょうか?